30歳女性。都内で働くOL。
某県の、奥のほうの出身。
バスは1時間に1本。
最寄り駅まで片道8キロ。小学校までは5キロほど。
ドデカイヘルメットをかぶって、自転車通学をしていました。
通学路は坂道が多い林で、お墓の前を通るのが怖かったのを今でも覚えています。
そんな田舎の生活に嫌気がさして、就職とともに上京。渋谷っ子に生まれ変わる。
ソシャゲと旅行が癒し。
見出し
「都会っ子だな」と感じたエピソード1.バスの時刻表を気にしない友だち
田舎あるあるナンバーワンといったら、「電車、バスの本数が少ないこと」ではないでしょうか。
私の実家は最寄り駅まで8キロあるので、歩いて帰るなんて、到底無理です。
学生時代には、通学もアルバイトに行くにも、バスを利用していました。
しかし、バスの本数は1時間に1本。
上りの最終バスは20:00です。
時刻ぎりぎりで、目の前を走り去ろうとする、バスの背中を必死で走って、追いかけたこともたびたびあります。
それでも、運転手さんが気づいてくれないときはいったん家に帰宅。
しかし、この時点で授業はあきらめることになり、バイトも怒られること確定です。
いったん家に戻って1時間待つのですが、この1時間がまた厄介で、2度連続でバスを逃すことも……。
本当に嫌な気持ちになります。
田舎で暮らしていたときは、カード型のバスの時刻表は財布に必ず携帯し、友だちとの待ち合わせのときには、必ず確認が必要でした。
ですが、都内育ちの友だちと遊んだときに、衝撃を受けたことがあるのです。
それは、バスの時間を気にしていなかったこと。
10分おきくらいに、バスがどんどんくるだなんて、本当に世界が違いすぎて、はじめは衝撃でした。
乗るときに、番号の書いてあるチケットを取るのも、田舎だけのものなんですね・・・。
都会は一律料金。本当に衝撃でした。
「都会っ子だな」と感じたエピソード2.ゴスロリにも外国人にも動じない友だち
田舎でたまに、ゴスロリの恰好をした人がいたりなんかすると、とてつもなく目立って、みんなの注目の的になります。
みんな「すごいね」「今の人見た!?」と、すぐコソコソ話しはじめるのが当たり前です。
なぜなら、田舎にそんな人は、めったにあらわれないからです。
そういう人があらわれると、まるで一大事のように騒ぎ立てます。
しかし、友だちはゴスロリとすれ違っても、外国人の集団に出会っても、ホームレスがいようとまったく動じません。
外国人に声をかけられても、さらっと受け答えをして、何事もなかったかのように立ち去ります。
田舎だと外国人が少なく、ましてや外国人と絡んだことなんてありません。
中学生のころにいた、英語の先生との関わりが最後のようなものなので、かなり緊張してしまいます。
ホームレスも、家の周りが田んぼと畑と神社に囲まれた、実家のほうでは見かけません。
道路の傍らに何人もいるホームレスの人が、私ははじめ、とても怖かったので、あえて見ないようにしながら、通り過ぎていました。
友だちも、もちろん、ジロジロ見ることもなく、通り過ぎていきます。
しかし、私のように「あえて見ないように」という感じではなく、自然な反応の友だちに衝撃を受けましたね。
「都会育ちの人にとっては、こんな光景珍しいものではないのか!?」と。
「都会にはいろんな人々がいるのだな」と改めて知りました。
「都会っ子だな」と感じたエピソード3.家の住所が「区」があたりまえの友だち
上京してとうとう私は、「区」デビューを果たしました。
もう勇者にでもなった気持ちです。
なにかにつけて、住所を書くことが嬉しくて仕方ありません。
引っ越してからしばらくは、地元の友だちと話すときは、あえて住所を聞かれる方向に話を持っていくようになった私。
「会社が渋谷だからさ、これでも渋谷まで片道30分もかかるから、そんなに近くないんだよね~」
「え~渋谷まで30分で行けるの!? すごいねー!!」のやり取りを全力で楽しんでいました。
しかし、そんなささやかな喜びを壊したのも、都会っ子の友だち。
その友だちが都会っ子だったことを忘れて、住所の話になったとき、私はまた自慢気に自分の住所を答えていました。
しかし、友だちはさらっと、さらにおしゃれなイメージの区の名前を答えていたのです。
田舎者の私には、それがとてもかっこよく映りました。
「都会っ子だな」と感じたエピソード4.近所付き合いしない友だち
田舎のいいところでもあり、面倒なところでものがあるのが、近所付き合いです。
地元では、3件先の隣まで親密な関係でした。
それ以上先の人でも、月に数回ある自治会の集まりや餅つき大会、花火大会、遠足など……。
さまざまな企画で、顔を合わせたりするので仲が良かったものです。
みんな顔見知りで、会えば挨拶することがあたりまえ。
もちろん、引っ越してくる人がいたら、世話を焼きに行く人がいて、そういう人のおかげで、いやでも近所との付き合いが生まれていました。
そもそも、地元に一人暮らしをしている人がなかなかいなかったので、皆、家族ぐるみの付き合いです。
それがあたりまえだと思っていた私。
上京してからも、近所には引っ越し挨拶もして、隣に住む大家さんには旅行に行けば、お土産を買っていったりして、仲よくしてもらっていました。
しかし、そんな私に都会っ子の友だちは驚いた様子で、逆に心配されたのです。
「女の子の一人暮らしって、周りにばれたら危ないよ! 私なんて引っ越しの挨拶もしないよ。それが普通でしょ!」と。
あたりまえだと思っていて、危ないなんて、考えたこともなかったので衝撃でした。
まとめ
田舎者は、いくら都会に出てきて都会っ子ぶっても、本物の都会っ子にはなれそうもないことがわかりました。
都会に住みはじめて約9年、やっと地元の田舎の良さも分かりはじめた、今日このごろ。
都会っ子に憧れるばかりではなく、今後は「都会っ子に田舎の良さをガツンと伝えてやろう」と目論んでいます。