29歳女性。小売店の販売員。
人見知りをしない性格で、交流の幅広いのが長所。
漫画やアニメなどインドアな趣味も好んでいるため、容姿のブス、ブサイクな友人が多くいます。
今後も「見た目や趣味にこだわらず、さまざまな人と親交を深めたい」と思っている。
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ブスの結婚式に行ったときのエピソード1.新郎の母親が、露骨に不機嫌な態度をしている
私が出席した結婚式は、お世辞にも花嫁が「綺麗」とは言えない式でした。
彼女とは高校生のころから親しい友人で、おたがいにブスで、「見た目より中身を磨こう」と意気投合した間柄。
そんな大切な友人の結婚式なので、張り切って出かけたのです。
しかし、招待客に挨拶している新郎の母親が、露骨に不機嫌そうな態度をとっています。
ふてくされたような態度で、おざなりに挨拶。
そしてすぐに新郎側の親族席に行き、なにかコソコソと話している様子は、あまり好ましいものではなかったので、よく覚えています。
「まだ挙式もはじまっていないのに、先行きが不安だな」と、感じていました。
式がはじまる間、やはり新郎の母親の態度が気になって、目で追ってしまっていた私。
近くで話している彼女の話が耳に入ったとき、なぜそんなに不機嫌なのか、判明しました。
新郎の母親は、嫁いでくる花嫁がブスなことが、とても嫌だったみたいなのです。
彼女は私のすぐ近くにいる、自分の親しい親戚らしき女性に、ずっとこう言っていました。
「花嫁衣装が似合わない」、「前の彼女はもっと美人だった」と。
とても失礼極まりない不満と言えるでしょう。
花嫁はたしかにブスです。
私から見てもウエディングドレスは似合っていなかったし、それなりにイケメンな新郎とは、つりあっていない印象でした。
しかし、彼女の芯の強さや優しさを知っている側からすれば、新郎が彼女を選んだ理由も納得できます。
それに、新郎の母親の意見は、とても不快なものでした。
ブスの結婚式に行ったときのエピソード2.招待された花嫁の従妹が美人で、比べられてしまう
新婦も親族を招待していたのですが、そのなかに、とてもきれいな女性がいました。
新婦の従妹らしく、新婦とも親しげに会話をする彼女。
そのせいか、周りの招待客はどうしても、新婦と従妹の容姿を比べてしまっていたようです。
近くのテーブルに腰かけていた新郎の友人たちなどは、露骨な態度でひそひそ話。
「従妹の方を選べばよかったのに」などと、下劣な言葉で笑いあっていました。
もちろん、従妹の女性は場にそぐわない、派手な格好をしていたわけではありません。
それに、新婦より出しゃばって、目立とうとしていたわけでもないのです。
そのほかの新婦親族と同じように、親族席で式を楽しんでいただけ。
ですが、やはり美人な女性は座っているだけで、目を引いてしまうのでしょう。
新婦がお色直しから帰ってきたときも、みんなの視線は従妹の女性へ。
装いを新たに入場する新婦よりも、従妹の女性の方が目立ってしまっていたのは、さすがに「新婦がかわいそうだな」と思いました。
ブスの結婚式に行ったときのエピソード3.新郎の同僚の女性たちが花嫁のブスさを笑っていた
続いては式の途中、歓談の途中にお手洗いに行ったときのエピソードです。
ドレスに合わせて、セットした髪の毛が崩れてきてしまっていたので、化粧室の鏡で直していた私。
そこに、同じ式に出席していた女性たちが数名入ってきました。
彼女たちは会社同僚の席に座っていたので、おそらく新郎の同僚だったのでしょう。
鏡越しにちらりと見ると、どの女性もとても可愛くて、美しい人たちばかりでした。
新郎はアパレル業界の仕事をしていると言っていたので、きっと見た目に気を使っている人が多いのでしょうね。
彼女たちは化粧直しをしながら、式の話や仕事の話をしていたのですが、その話題は徐々にブスな花嫁の陰口に変わっていきました。
「新郎のことを狙っていたのに残念」「でも、結婚してもあれだけブスなら、すぐ奪えそう」
などといった、ひどい内容の陰口もあり、聞いているこちらが気まずくなってしまうほどでした。
万が一、新婦側の招待客だとばれたら、気まずい思いをさせられそうで、怖くなった私。
なるべく顔を見られないようにヘアセットを直して、そそくさと化粧室を立ち去ることしかできませんでした。
たしかに、新郎の同僚女性たちは美しく、男性もブスな花嫁よりよっぽどいいと言うでしょう。
しかし、私には、トイレでなんとも言えない意地悪な顔をしながら、新婦を品定めする美女たちよりも、新婦席で「似合わない」と言われながらも、幸せそうにドレスを身に付ける新婦のほうが、よっぽど素敵に見えました。
それは、「ブス同士の傷のなめ合いではない」と信じたいものです。
ブスの結婚式に行ったときのエピソード4.新郎と花嫁は最後まで、毅然と幸せそうに式を終わらせた
このように、ブスな友人の結婚式では、たくさんの人がブスな花嫁を笑ったり、嫌がったりしていました。
晴れ舞台にも関わらず、人に聞こえるような悪口を言ったり、周りにわかるような態度を取る人がいるのは、信じられませんでしたね。
しかし、ブスに生まれてしまったからには、耐えなければならない試練なのかもしれません。
それでも、私が唯一「ブスな友人の結婚式に出席して良かった」と、思えたことがあります。
それは、「新郎が心から、新婦を愛している」と感じられたところです。
新郎は常に新婦の様子を気遣い、周りの好奇の目や陰口など意に介さず、幸せそうに微笑んでいました。
そして、新婦もまた、聞こえていないはずはない悪口のことなど、まったく気にしていません。
新郎に寄りそって、最後まで笑みを崩さず、結婚式を終わらせたのです。
私には残念ながら、決まった相手はいません。
ですが、「たとえどんなにブスでも、しっかりと生きていれば、自分を愛してくれる人が見つかるかもしれない」と思える結婚式でした。
まとめ
このハンサムな新郎とブスな花嫁夫妻は、結婚して2年以上になりますが、いまだに仲睦ましく新婚のような生活を送っています。
私もたまに自宅に招待してもらうのですが、あまりにラブラブで、少し嫉妬してしまうほどです。
そんな様子を見ていると、これからも末永く幸せに暮らしていくことを願わずにはいられません。