36歳女性。
現在は所有している薬剤師資格を活用し、ドラッグストアでの調剤担当として働いています。
22歳のときに、当時の同級生と結婚し、翌年には子どもを出産。
しかし、元主人との間の生活の不一致などから、26歳のときにはじめての離婚しました。
以後、仕事と家庭を両立しながら、男の子を育てるシングルマザーとして活動しつつ、最近では親の介護問題にも直面中。
見出し
一人っ子で親の介護をしていて辛いこと1.父の下の世話の介護
両親との間に、一人っ子の女の子として生まれ、それはもう、大切に育ててもらいました。
現在、半身麻痺で車いすでの生活を余儀なくされた、父親の介護を娘として担当している私。
もちろん、「大切に育ててもらった両親への恩返し」という意味もあります。
もともとは、母や老老介護の形で、父の介助作業をすべて担当していました。
ですが、私が実家のそばに戻ってきたこともあり、時間を見つけて、父親の介助をするように。
食事や着替えなど、一般的な介助作業であれば、とくに問題ありません。
しかし、やはり1番辛いのが、下の世話の介護作業なんです。
たとえば、私が女なので同じく女性である母の介護であれば、まだ下の世話も全然こなせます。
ですが、さすがに実の父親の場合は、男性の下の世話の介護までやらないといけません。
実際に、その場面に直面したときには、相当の覚悟が求められたのが、正直なところです。
最初は、私が下の世話を担当することを恥ずかしいからか、嫌がっていた父。
しかし、だからといって、自分一人ですべてができるというわけではありません。
排泄は、自分の意志とは関係なく、発生してしまう生理現象。
なので、最終的には誰かの助けを借りて、実践しなくてはならないのです。
最後には、父も折れて、私の介助を受けるように。
はじめて父の下の世話を担当したころと比べると、かれこれ数年ほど、続けてきているので、だいぶ慣れてはきました。
しかし、やはり、辛いかどうかでいえば、お世辞にも「辛くない」とはいえない作業。
とくに、おしっこ程度の介助であれば、「目をそらしながらトイレまで連れて行って、介助をする」といったやり方ができるんですが……。
さすがに大便のほうとなると、できるだけテキパキとした行動が求められるのです。
実は、何度か父の介助に間に合わず、トイレでする前に漏らしてしまったことがあります。
そのときには、父の汚れた下着を取り替えたり、汚れてしまった床を雑巾で拭いたりと……。
さすがに、実の娘ながら辟易してしまいましたね。
それに、父もたまに自分で作業ができないことへのいらだちからか、介護をしている私や母に対して、当たり散らすように。
そのときも、間に合わなかったのを私のせいにして、怒鳴り散らしました。
本当は、こっちも怒鳴りたかったくらいです。
ですが、言い合いをしてもはじまらないし、とにかく片付けをしなくてはいけなかったこともあり、グッと我慢してました。
改めて振り返ってみても、かなり勇気のいる作業でしたね。
一人っ子なので、私しかやる人間がおらず、放っておくと生成的にも健康的にも、問題がある要素ですから。
何度か、母とも相談して、デイサービスの活用なども検討した私。
しかし、結局、費用などの面も考えて、家族が介護を担当するにいたっているのです。
一人っ子で親の介護をしていて辛いこと2.とにかく足りない体力
女の細腕で、高齢で衰えたとはいえ、男性である父の介護をするとなると、並大抵の体力では務まりません。
お世辞にも、「体力がある」とはいえない私。
なので、はじめのうちはとにかく、父を抱えるのさえ、困難でした。
トイレに連れて行ったり、入浴のためにお風呂に連れていくこともままならず。
父に懇願して、床を這って移動してもらったこともあります。
床を這わせてまで移動させている父の姿を見て、自分自身に罪悪感を抱きましたね。
ただ、この経験を通じて、「体力や最低限の筋肉をつけなくちゃいけない」と自覚します。
それ以来、時間を見つけては、ウォーキングを実践したり、筋力トレーニングを見よう見まねではじめた私。
とにかく、父の介護を健全に行うための努力を欠かしませんでした。
そうやって頑張ってはいたんですが、やはり限界はあります。
実は、私はシングルマザーで、子どもを抱えた状態。
子どもを育てながら、仕事を両立するのが困難で、実家の助けを借りるために、近くに越してきたのですが……。
父の要介護となる症状に直面し、「逆に、私が介護を担当しなくてはいけない」という状態に陥ってしまったんです。
しかし、一人っ子で大切に育ててもらったり、シングルマザーとなった私を経済的にも支えてもらった恩があります。
もちろん、実の娘として、介護は続けていくつもりです。
ですが、どうしても介護に必要な体力には自信が持てず、こればっかりは介助を行うたびに、絶望してしまいます。
それに、たまになんですが、私の体力が保たず、途中でへたってしまうこともあるのです。
その結果、抱えていた父を床に落とすような形で、倒れさせてしまったことがあったりと、いろいろな場面で辛さを実感しました。
一人っ子で親の介護をしていて辛いこと3.介護が永遠に続くことへの不安
たとえば、一人っ子ではなく、1人以上の兄弟がいれば、兄弟と一緒に、親の介護を担当するといった工夫もできます。
ところが、私のように一人っ子として、育てられた場合は別。
親に万が一のことがあった際、ほぼすべての作業や負担が、自分自身にのしかかってくるのです。
これまでは、母が妻として、父の介護や近所づきあいなどを行っていました。
しかし、健康とはいえ母も高齢となり、いよいよもって、私が力添えしなくてはいけない状況に。
もちろん、実の娘として、介護をすること自体に文句はありません。
ですが、やはり、今後のことを考えると、どうしても辛く感じてしまいます。
助け合える兄弟がいれば、役割を分担したり、交互などのタイミングで親の介護を担当することもできますよね。
「最初から最後まで、すべて自分でやらなくちゃいけない」という、不安だけならまだいいほうです。
「高齢となった母も、介護が必要になってしまったとき、私は一体どうしたらいいのか?」
そう考えると、絶望感にさいなまれて仕方ありません。
あまりにも心配になりすぎて、夜眠っている最中も、夢でその最悪の場面を夢想してしまうほど。
そのためか、以前と比べると、睡眠時間も短く、睡眠自体も明らかに浅くなりました。
朝起きても、体力が戻りきっていないのです。
実際に介護を実践するうえでの辛さ以上に、今後に対する不安が大きいですね。
なによりも恐怖心として、のしかかってきていることに、辛さを感じてしまいます。
まとめ
親が長生きしてくれるのはとても幸せなことですが、生きている限り、付きまとうのが介護の問題。
とくに、一人っ子の方ほど、自分がすべてを担わなければならないのです。
物理的にも精神的にも、辛さを実感する場面を避けて通ることはできません。
将来の不安を解消するためにも、経験者として、早い段階で対策を講じておくことをおすすめします。