35歳男性。栃木県出身。
栃木県の中学校教諭を経て、現在は東京都内のIT企業に勤務。
教諭を辞めて、うつ病を患っているとき、さまざまなアルバイト経験しました。
新宿にある小規模な金融業者でアルバイトをしたとき、異様な経営者の存在を知る。
この会社の社長から、内線で呼ばれることが「改名を指示される」ことの暗黙の了解となっていたり。
社長の歌舞伎町の個人事務所に呼びつけられると、長時間にわたって社長から罵声を浴びたり……。
さらには、足を蹴られることも暗黙の了解となっていた。
趣味は、ロードサイクリングと読書と株式投資。
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驚いた「暗黙の了解」エピソード1.社長から改名することを示唆されて断ることは、退職の意思表示をすることと同じ意味だった
私は栃木県の人口5万人程度の町で、中学校の教諭をしていました。
ですが、うつ病を発症したことなどが原因で退職。
現在勤務している会社に、正社員として入社するまでの期間、リハビリのために複数の職場で、短期間のアルバイトを経験しました。
小規模な金融関係の会社で、事務のアルバイトをしたことがある私。
しかし、この会社で驚くべき体験をすることになるのです。
この会社の社長の趣味は、姓名判断。
時間さえあれば、姓名判断の本を取り出し、名前の画数などを研究していました。
しかも、この社長は自分の会社の社員の名簿を手に取って、ひとりずつ姓名判断していたのです。
この社長は、夕方17時くらいから、18時にかけての時間帯は来客を入れずに、ひとりで社長室で過ごす習慣がありました。
このため、この時間帯に社長室から直接、社員のデスクの電話に対して、内線の電話がかかってきたときは最悪です。
なぜなら、この会社には「社長から改名の指示がある」という、暗黙の了解があったからです。
社員の方の話によると、内線で社長室に呼ばれた社員が、社長室のドアをノックして、社長室へ入っていきます。
すると、社長から開口いちばん、「キミの下の名前は〇〇だったね」と言われるそうです。
社員は、「やっぱりきたか」と、内心思いつつ「はい」と返事します。
社長は、「キミの名前はよくないねぇ」と言うのだそうです。
「調べてみるとね、画数がよくないんだよ」と言う社長。
「いまのままでは、キミは当社に業績面で、貢献してもらえるとは思えないんだ」と続けるそうで……。
社員は直立不動の姿勢で覚悟を決めて、じっと社長の話に耳を傾けなければなりません。
そして、社長は椅子に座ると、一枚の紙を取り出し、「この名前に、改名してはどうかね」と、紙を社員に見せます。
「画数もいいし、これに改名すれば、キミの業績は飛躍的に向上するはずなんだ」と力説するというのです。
改名を断った社員で、会社に生き残れた社員はひとりもいませんでした。
つまり、改名の指示を受け入れれば、社内での立場は安泰。
しかし、改名を断れば、それは退職を意味していたのです。
改名の指示を受け入れるということ。
それは、「社長に対して、忠誠心を尽くします」と誓うことを意味するのでした。
私は、「ここまでして、社員を支配しい社長がいたのか」と思い、驚愕。
しかし、それと同時に、半数近くの社員が改名を受け入れて、会社に残っていたのを見て、この世の理不尽を感じさせられたのでした。
驚いた「暗黙の了解」エピソード2.「歌舞伎町にこい」と社長から命令されることは、個人事務所で罵倒されることを意味していた
この会社は新宿に本社があったのですが、社長は個人事務所を歌舞伎町に構えていました。
ですから、本社の社長室にいないときは、歌舞伎町の個人事務所にいることも多かったのです。
私がアルバイトをしていた会社は、金融関係の会社。
ですが、小規模な会社でしたので、大手金融機関が融資しないような相手に融資をしていました。
たとえば、すでに多重債務を抱えていて、返済能力が疑わしいサラリーマンを営業対象にします。
500,000円までという与信枠を設定して、高い金利で融資するのです。
その代わり、抵当権は必ず設定していました。
しかし、そのような相手を専門に営業をするので、成績に差が出ます。
営業成績が優秀な社員と、営業成績が著しく劣る社員に別れるのは、自然の成り行き。
そこで社長が、営業成績の悪い社員を呼びつけて怒鳴りつけたり、脅しつけたりするわけです。
しかし、呼びつける場所は、本社の社長室ではなく、歌舞伎町の個人事務所でした。
このため営業の社員に、電話がかかってきて「いますぐ歌舞伎町にこい!」と命令されたら、終わりを意味します。
なぜなら、2時間や3時間は直立不動で立ったまま、延々と社長から罵声を浴びることになるからです。
ときには、足を蹴られる社員もいましたね。
顔なら怪我が目立ってしまいますが、足なら目立たないからです。
何度も、社長から足を蹴られた社員もいました。
「歌舞伎町にこい!」は、恐怖の不文律となっていたのです。
驚いた「暗黙の了解」エピソード3.社長と一緒に食事をして、社長と同じ品を注文しない行為は、社長に対して忠誠心がないことと同じ意味だった
この社長は社員に対して、「絶対的な忠誠心を常に持つこと」を要求していました。
私のようなアルバイトは、社長に食事に誘われることはありませんでしたが、社員たちはよく誘われていましたね。
ところが、この食事の場にも地雷が埋められていました。
社員をよく、中華料理店に連れていく社長。
そこで、社長と同じ品を注文しない社員は、その場で「この社員は忠誠心がない」というレッテルを貼られたそうです。
次の日から、社長の冷たい仕打ちがはじまりました。
とくに営業成績の悪い社員に対しては、過酷を極め、連日のように歌舞伎町の個人事務所に呼び出される日々。
また、姓名判断もされてしまい、「おまえは、〇〇に改名しろ」と命じられるのです。
このため、食事の場で社長と同じ品を注文しない社員には、「社長に対して忠誠心がない」という不文律となっていたのでした。
まとめ
日本の企業にも、「社員を完全に支配したい」と考える異様な経営者がいることを、この金融業者で知ることができました。
私は幸いアルバイトでしたので、被害にあうことはありませんでしたが、さすがに怖くなり3週間で退職。
表面化していないだけで、実際はもっと多く、日本社会に存在していると予想します。