46歳女性。演奏家。私立音楽学校に在学中から演奏活動を開始。卒業後は、音楽制作会社に勤務しながら、音楽教育指導にもたずさわる。音楽制作会社を退職後は、演奏活動に加えて、音楽制作やレコーディング、楽譜制作などにたずさわる。
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同窓会で異常だと思ったエピソード1.高級割烹での同窓会は担任が高額負担
同窓会というものは、よくも悪くも驚きのエピソードがありがちです。
私が30歳のときに出席した高校の同窓会は、あまりにも衝撃的でした。
一般的に、高校の同窓会はどういう場所でやるのが普通なのでしょうか。
私が30歳のときに出席した高校の同窓会、その場所は高級割烹でした。
料理は数万円のコース料理ですが、会費はひとり一万円。
そして足りないぶんの数十万円は担任教師が支払うという、ずいぶんと太っ腹で驚きのシステムです。
私の通っていた高校は、私立の音楽学校だったので、同級生は世間知らずな人が多いです。
比較的、裕福な家で育った人が多いのも特徴です。
それにしても異常だと思った私は、一緒に参加していた親友に、なぜこの店で同窓会を開くことになったのかを聞いてみました。
すると、「幹事が、どうしてもその店が良いと言い張った」と、言われました。
数十万円も負担する、担任教師の感覚は変だと思いました。
この先生は昔から生徒思いで、生徒たちから信頼され、とても人気のある先生でした。
生徒かわいさのあまり、頑張ってしまったのかもしれません。
そして、いくら自分が行きたいからといって、高級割烹を同窓会の場所に選んでしまう幹事の感覚も変です。
先生が、高額な負担をしてくれることに、抵抗を感じず店を決定してしまうなんて。
30歳にもなって、甘えるにもほどがあると思います。
同窓会で異常だと思ったエピソード2.同級生のほとんどが独身
私の通っていた高校は、3年間クラスがえというものが、ありませんでした。
そのぶん、同級生とはお互いのことをわかり合えます。
同窓会のときも、十数年ぶりという歳月を感じず、和気あいあいと楽しい時間をすごしました。
そんななかで、非常に驚いたことがあります。
男女合わせてクラス40人のなかで、結婚しているのは、たったひとりだったのです。
ちなみに、この既婚者は女性で、彼女は今も私の親友です。
30歳の男女40人中、39人が独身だなんて信じがたいことです。
バツイチの人もいませんでした。
世のなかの平均からすると、ありえない状況で、わざと独身をあつめた集会のように感じました。
この独身39人のなかには、私も含まれているわけですが、自分のことはどうでもよいのです。
独身で30歳にもなれば、周囲がほっておいてくれないので、見合い話は次から次へとやってきます。
それでも、ご縁を感じないので、私は結婚していないのです。
ところがよくよく聞くと、ほとんどの人が「より好みしているうちに、30歳になってしまった」と、いうのです。
私と同じような状況の人が大勢いるというよりも、この大勢のなかの一部なんだという不思議な気持ちでした。
私は、30歳で独身なのが異常とはまったく思いません。
しかし、当時の私の友人関係や職場の同僚を見ても、30歳ならば既婚者が多いのも事実です。
同窓会で異常だと思ったエピソード3.同級生のほとんどがフリーター
30歳のとき、私は音楽関係の会社で働いていました。
CMのジングルやカラオケなどのMIDI制作、それと同時に演奏の仕事もしていました。
20代前半のころは、演奏の仕事だけでは生活ができなかったので、アルバイトもしていましたが、将来を考えて就職をしました。
同窓会に出席した同級生のなかで、私のように会社に属しているのは、私を含めてふたりだけでした。
ひとりは専業主婦。
そして、学生とニートが数人。
30人以上が、フリーターです。
音楽学校の卒業生は、圧倒的にフリーターが多いのは、知られていることかもしれません。
プロになるのは、大変なことです。
それでも、もうみんな30歳なので、「夢ばかり追える年ごろでもないでしょう」と、言いました。
すると、「逃げて、負け組になりたくない」と、返され驚きました。
なるほど、夢を追うフリーターだからこそ独身、独身だからフリーターでいられるのかもしれません。
しかし、30歳にもなって、フリーターで独身だなんて、こんな同窓会は珍しいのではないのでしょうか。
同窓会で異常だと思ったエピソード4.同級生の多くが海外生活満喫
同級生の多くは、独身でフリーター。
それだけだと、彼らは世間では負け組のように見えます。
しかし、同窓会では、多くが海外生活を満喫中ということも発覚しました。
「昨日、イタリアから帰ってきたんだ」とか「明日ニューヨークに戻る」などの会話が、氾濫してます。
また、「〇〇くんは、ロシアに留学中だから欠席」や、「今度、ドイツで落ち合おう」などもありました。
30歳のフリーターたちにしては、ずいぶんとスケールが大きい会話です。
実際にみんな、大人になっても親のスネをかじり、それをなんとも思っていない様子。
私はあきれながらも、みんなのことを「羨ましいなぁ」と思いました。
おそらく、一生働かなくてもお金の心配はないような、そんな生活を約束された人たちが多いのです。
まとめ
音楽学校の卒業生が、みんなこういう感じというわけではないと思います。
実際に、こういう人たちもいるんですね。
生まれ育った環境も、家柄も違う同い年の者たちが、高校の3年間を一緒にすごしました。
思い出は、なにものにもかえがたく、彼らとは一生の仲間です。
同窓会は、新たな発見の場。
それは少し不安でもあり、楽しみでもあります。