変な人に好かれたエピソード2つ

不思議な空

24歳男性。現在は大学院生。
好奇心が旺盛で、普通の人ではなかなか踏み込んでいけないようなことでも、グイグイ踏み込んでいく。
自分では、いたって普通だと思っているが、周りから変人と思われることもしばしば。
趣味は、長期休暇を利用した海外旅行と、登山。

 

 

変な人に好かれたエピソード1.面倒くさい教授風の一般人

講義をする男性

 

あれは、僕が大学に入学して間もないころでした。

僕がキャンパスを一人で歩いていると、見知らぬおじさんから声をかけられました。

 

ステンレスボトルを持った彼は、長身でスラッとした人でした。

白髪が目立ちましたが、かなり威厳のある風貌。

僕は、勝手に「教授なんだな」と判断しました。

 

そのおじさんから、いきなり変な質問をされました。

「モノとは何か?」と。

 

正直、何を聞きたいのか、どう答えていいのか、まったく見当がつきませんでした。

答えられずにいると、さらに質問を続けます。

 

よくわからないまま、できる限り彼の質問に答えました。

おじさんは、僕の答えに満足したのか、颯爽と去って行きました。

 

大学1年生の僕にとっては、教授に才能を認められたのではないかと、勝手に盛り上がっていました。

それからも、そのおじさんをたまにキャンパスで見かけました。

 

次におじさんに会ったときには、自分から声をかけました。

そのうち、顔を覚えてもらえるようになりました。

 

彼の質問は、常に変わっていました。

物理学的な質問が多かったのですが、教科書にあるような答えを出すと怒られたことも。

おじさんには、独特な世界観があるようでした。

 

教授だと思い込んで話を聞き続けているうちに、おじさんが求める答えをすぐに導けるようになりました。

そんなある日、僕とおじさんが話していたところで友達と鉢合わせました。

 

友達にも、例の変な質問をし、友達は答えを間違えて叱られています。

おじさんと別れた後に、友達には「多分、工学部の教授じないかな?」などと話しました。

 

すると、友達の口から出てきたのは、あまりにも意外な言葉でした。

あのおじさんは、大学内では結構有名な人物なのだそうです。

 

僕のような新入生を見つけては、謎の質問を与えるおじさんなのでした。

教授でもなんでもない、ただの一般人と聞かされたときは、かなりびっくりしました。

 

たしかに、変な世界観を持っているなあとは、思っていました。

外見は、まさに教授そのものだったんですが。

 

しかし、友達の話を聞き、僕は逆に燃えてしまいました。

「ただの一般人が、なぜ大学に侵入して生徒にちょっかいを出すのだろう」と、興味を持ったのです。

 

それからの僕は、おじさんを見つけては声をかけ、彼の世界観の研究に取り組みました。

僕がかなり成長したのか、「君はいい顔をしている」と言って、コーヒーを一杯奢ってくれる日もありました。

 

そんな日々が半年ほど過ぎたころ、僕に絶好のチャンスが訪れたのです。

彼の理論も最終局面を迎えていました。

 

おじさんは、「今までの理論は、自費出版した教科書にすべてまとめてある」と言いました。

その教科書が、おじさんの家にあるらしいのです。

 

これは、「家に来ないか?」と、誘われているのだと考え、おじさんと一緒に家へ行きました。

大学からは、結構な距離があり、車でも20分ほどの距離でした。

 

おじさんの家は、いたって普通の一軒家で、家にあった難しそうな本を僕に手渡しました。

そのときのおじさんの嬉しそうな顔。

 

僕はその本を受け取りました。

その後は、おじさんの行きつけの店へ連れて行ってくれると言うのでワクワクしていました。

 

なんと、そこはファミレスでした。

吹き出すくらい面白かったです。

 

おじさんが、ウェイトレス対し「いつもの」と言って、通じていなかったときは、笑いをこらえるのに必死でした。

その「いつもの」が、パフェだったのは衝撃でした。

 

普通の人なら敬遠して、しまいがちな変な人ですが、僕は好奇心が旺盛でついつい踏み込んでしまいました。

だから好かれてしまうんでしょう。

 

今でも、たまにおじさんとは学内で、変な理論を戦わせあっています。

 

 

変な人に好かれたエピソード2.〜哀愁を誘う変な奴〜

大学の友達

 

続いては、哀愁を誘う変な奴です。

彼とは、大学の最初の授業で出会いました。

 

普通の人なら嫌がることを、率先してやる真面目な人でした。

しかし、不器用なようで、ときにやり過ぎてしまい、周りから浮いた存在でした。

 

僕は、いつもの悪い癖なのか、そんな彼に興味を持ってしまいました。

彼は、頭はものすごく良いのですが、コミュニケーションがうまく取れないのです。

 

僕は、彼に積極的に話しかけていたので、そのうち彼にかなり好かれるようになりました。

そのため、彼の持論を良く聞かされるようになったのです。

 

「俺は、慣れあうのは本当の友達じゃないと思っている。」「食事なんか、一人で食べても誰かと食べても一緒。」などです。

きっと、彼なりのやせ我慢だったのでしょう。

本当に哀愁を誘うやつです。

 

「根はいい奴だし、面白いのに、他の人たちは話もせずにもったいないな」と思いました。

 

まとめ

以上、僕が好かれた、二人の変な人を紹介しました。

変な人は、周りから孤立しやすいので、話しかけると、すぐ仲良くなれます。

 

そんな僕が変な人なのかもしれないです。

普通の人とは違った面白さをみんな持っているので、仲良くなってみてください。