45歳女。職業は兼業主婦、4人の母。海外在住でも、子供たちと毎日笑顔で暮らせる生活を送り、日々のちょっとした楽しみを家族で共有すること。
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子どもを甘やかすことで失敗したこと1.なんでも与えてしまった
主人の仕事の都合で、発展途上国で長く暮らしをしていました。
同じ境遇の子どもたちが少ないこともあって、寂しい思いや辛い思いをさせたくないという気持ちが先に出てしまっていました。
子どもは、現地にあるインターナショナルスクールへ入っており、世界のあらゆる国から来た裕福な家庭の子どもが通っていました。
お金持ちに属するかたのお子さんが多く、恵まれている子どもがとても多い環境です。
学校の外へ目を向けても、余裕があるご家庭は、子どもになんでも買い与えている親が多かったんです。
恥ずかしい思いをすることがないようにと、日本で暮らしている子より多めのおこずかいを渡していました。
小学校6年生では、日本円にして月5000円ほどを与えており、滞在国の平均的月収の約半分を子どもを与えていたことになります。
このような環境から、長男は甘えん坊なうえに、私たち夫婦もできるだけ買い与えてしまうようになっていました。
思春期にさしかかる年齢になっても、甘えん坊な性格だと思い込んでいました。
「これ買って」や「あれほしい」と言われれば、可能な範囲で買い与えました。
しかし、気が付くとすでに20歳をこえているにも関わらず、物欲を抑えることができない大人に成長してしまいました。
年齢が上がるにつれて、要求金額も大きくなっています。
そうなってくると、親として手を差し伸べられる範囲がかぎられてきます。
母親の私だけではなく、父親である主人にも横柄な態度を取るようになり、お金がなければ自宅から出かけない。
お金があるから、恋人をつくることができる。
「お金がない奴は、みっともない」といったようなことを、言いだしてしまうようになっていました。
子どもを甘やかすことで失敗したこと2.なんでも周囲がしてくれると思う
次男の場合も、海外生活を送っていくなかで、日本と大きく異なることがありました。
それが、家政婦さんの存在でした。
途上国で生活をおくっていると、日本より広めの家を会社から与えられます。
また、会社が手配をしてくれた家政婦や庭師、運転手といった人がなん名か周囲にいる環境です。
次男にとっては、それが当然として育ちました。
日本で生活をすると、まったく違うのに勘違いした価値観を持ってしまったようです。
たとえば、友人と遠出をしたいとなった場合でも、自宅で待機してくれている運転手が送迎を行う。
自分の着ていた洋服は、家政婦が洗濯場へ持っていき、洗濯をしてアイロンをかけているのが、当たり前と思っています。
自分で、衣類を洗濯場へ持っていくことも思いつきません。
部屋を掃除するのは、下々がやるので自分は散らかし放題でもかまわないと、思い込んでしまっていました。
自分の部屋すら、片付けることができない子どもに育ってしまいました。
学校が長期休暇に入り、日本に一時帰国すると、なんにもできない状態になってしまいます。
家政婦がいないぶん、祖母や小さな弟を家政婦かわりに使おうとします。
「周囲を動かそう」という、考えしか思い浮かばなくなってしまいました。
子どもを甘やかすことで失敗したこと3.経済状況で他人の優劣をつけている
発展途上国では、仕事を求めて近づいてくる人がいます。
仕事を得られなくても、「外国人」と知り合いになったという、ステータスを手に入れることができます。
長男、次男だけではなく、7歳の三男や3歳の娘にまで、現地の大人はとても愛想良く接してきます。
子どもにとっては、常にちやほやされている環境になってしまいました。
お金持ちが正義ではありませんが、どうしても優位に立つんだという考えを払拭できないのです。
経済状況の苦しい家庭を見ると、はっきりと言葉に出して「かわいそうに」と、言います。
まとめ
海外の発展途上国という、少し特殊な環境で育ってしまった子どもたち。
親としては、「少しでもストレスを感じない生活を」と、そればかり考えてしまっていました。
そうではなく、帰国後も見すえて、人として恥ずかしくないふるまいができる環境で、子育てをすればよかったと今となっては思います。