35歳男性。栃木県出身。
栃木県の中学校教諭を経て、現在は東京都内のIT企業に勤務しています。
うつ病を患っているとき、さまざまなアルバイト経験。
ある書店で、1日だけの棚卸しのアルバイトをしたとき、29歳の大学院生と知り合う。
彼の大学院の学費や日々の生活資金に疑問を持ち、いろいろ尋ねると、この知人が金持ち一族の息子だと発覚して仰天。
そして、細かい節税対策の話を聞かされて、金持ちには金持ちの苦労があるのだと思った。
趣味は、ロードサイクリングと読書と株式投資。
見出し
金持ち息子のエピソード1.バイト先で29歳の大学院生と知り合った
私は、うつ病を発症するなどの要因で、中学校の教諭を辞職。
それから、社会復帰のために、いろいろなアルバイトをしていた時期があります。
あるときは1日限りのアルバイトで、書店での棚卸し作業をしたことがありました。
そのとき、29歳で大学院生をしている人と知り合い、それ以来、彼とは毎月居酒屋でお酒を飲むように。
あるとき居酒屋で酒を飲みながら、彼の日々の生活について、不思議に思った私。
なので、「どうやって、大学院の学費を工面しているの?」と尋ねてみたのです。
すると、彼は言葉少なに「俺の親が、都内で歯医者やっていて、儲かってるんだよ」と言うのでした。
私は「歯医者イコール金持ち」というイメージを強く持っていたため、素直に感心。
「へぇー、じゃあ学費とか生活費にはまったく困らないんだね。羨ましいよ」と、思いましたね。
金持ち息子のエピソード2.居酒屋で必ず領収書をもらっていた
彼とは、毎月のように居酒屋で、お酒を飲むような関係に。
支払いの際、レジで割り勘で支払いをするのですが、彼は毎回必ず領収書をもらっていました。
私が「なぜ、領収書をもらう必要があるの?」と尋ねた私。
すると、彼は「税理士から、『どんどんお金使わないと節税にならない』と注意されてる」と言うのです。
駅までの帰り道を歩きながら、私が「どうして税理士と付き合いがあるの?」と尋ねました。
すると、彼は「賃貸マンションを経営してるんだよ」と、あっさり言うのです。
私が思わず絶句して、驚いた表情を見せたため、彼は一応自分の素性を説明しておこうと思ったようで……。
私に「少しコーヒー飲んでいこうよ」と言って、私を大手喫茶店のチェーン店に連れていきます。
そこで、酔い覚ましにコーヒーを飲むことになったのです。
彼は、身の上話をはじめました。
彼は「俺は親父とは戸籍上、兄弟ということになってる」と言うのです。
私が「なんのために、そんなことになってるの?」と疑問をぶつけると、相続税対策のために、祖父母と養子縁組をしたようでした。
彼の祖父も、資産家のようで……。
彼の祖父から父親、そして父親から彼へと段階を経て相続していくと、その都度、多額の相続税を納税しなければなりません。
そのため、税負担を軽減するために、彼が祖父の養子となったそうでした。
さらに、彼の祖父が健在のうちに、誰がどの資産を相続するかを決めたそうです。
その結果、彼は更地となっていた土地を相続することに。
しかし、土地の評価額が1億円近い価格となっていたとか。
それで、相続税の負担額を軽減するために、祖父が健在のあいだに、賃貸マンションを建設したそうです。
賃貸マンションを建設すると、相続税が軽減されます。
そして彼が大学生のときに祖父が亡くなると、彼は賃貸マンションを相続したのでした。
そして彼はこう言いました。
「毎年、確定申告が大変なんだよ。計算が大変」
「だから、税理士と顧問契約結んで、領収書とか伝票をそっくり渡して、計算してもらってるけどね」と。
私は、「自分のような一般人とは、別世界に生きている人間がいるもんだな」と感心してしまいました。
金持ち息子のエピソード3.都心にあるタワーマンションの最上階に、分譲マンションを所有していた
あるとき、私は大学院生の知人と都内の球場に行き、野球観戦を楽しみました。
帰りにラーメンを食べたのですが、まだ21時です。
知人が珍しく「ちょっと寄っていかないか」と、私を自宅に誘いました。
私も「じゃあ、せっかくだから」と、ついていくことに。
彼に連れられるがまま歩いていると、球場から徒歩圏にあるタワーマンションの入り口にたどり着きました。
私は思わず、「まさか、ここがキミの自宅だったの?」と言ってしまったのです。
彼は「うふふ、まあね。高級な猫を飼ってるんだぜ」と言い、エントランスのなかに入っていきます。
マンションのエントランスは、2重のオートロックとなっており、しかも電子キー。
私たち家族が生活している賃貸マンションとは、まったくグレードが異なると思って驚きです。
まだまだ、驚きは続きます。
エレベーターに乗ると、彼は最上階のボタンを押しました。
30階以上もある、マンションの最上階です。
エレベーターを降りると、内廊下になっていて、外の景色は見えません。
しかも、廊下には絨毯が敷かれていました。
彼のマンションの室内に入ると、カーテンが開けてあったため、都心の夜景が広がっています。
とても綺麗でした。
私が「すごい景色だね。羨ましいよ」と言うと、彼はこう言ったのです。
「いやいや、住宅ローンが20年以上残ってるから、大変だよ」と。
「まあ、賃貸マンションの経営が順調に推移すれば、ここの住宅ローンは完済できるんだけどね」
そう言って、「いまは節約生活だよ」と、余裕の表情を見せて、照れ笑いをしていました。
経営している賃貸マンションの賃料収入を使って、住宅ローンを返済しているとのこと。
私は、「金持ちには金持ちの苦労があるのだな」と思いつつ、都心の夜景に見惚れていたのでした。
まとめ
世のなかには、親子代々の資産家一族が存在するということを、この大学院生の知人をとおして、はじめて知りました。
私の出身地の栃木県には、このような資産家は存在しません。
そして、「金持ちになればなるほど、知恵を巡らして、2重3重に節税対策を施すのだな」と、感心させられた次第です。