純粋な人を嫌いになったエピソード4編

嫌い

27歳女性。自営業。産まれたときから動物が好きで、過去にはペットショップや猫カフェにて勤務。動物関連の業務にたずさわるなかで、犬派から猫派に転向して、現在はペルシャ猫を飼育中。猫の抜け毛と毛玉に、悪戦苦闘中。

 

 

純粋な人を嫌いになったエピソード1.純粋な同僚との出会い

同僚

 

私は21歳のころ、ペットショップの販売員として働いていました。

そこで出会ったのが、同僚K。

 

ほとんど同時期に入社した彼女とは、自然と仲良くなり、お互い励ましあいながら切磋琢磨して働いていました。

ペットショップといえども、販売業。

 

数字に追われる毎日でしたが、良い同僚にめぐり合えたと喜びました。

Kは純粋でまっすぐで、1つのことに対して真剣に取り組むタイプです。

 

少し空気が読めない発言が目立ちましたが、それも彼女の純粋さの1部であると理解して、うまく付き合っていました。

彼女は私と同じく、業界未経験であったのに、販売の才能はピカイチ。

 

私も彼女を尊敬し、学ぶべきものがあると考えていました。

彼女の販売スキルを見て、私自身も能力が上がっていき、入社の半年後には店舗の売り上げトップを独占していました。

 

店舗マネージャーも、うまく私たちの闘争心に火を付け、あらそい合うように仕向けていました。

私との電話ではKをほめ、Kとの電話では私をほめるというような感じです。

 

ライバル意識を燃やさせて、店舗の売り上げを達成しようと、目論んでいたのです。

それに気付いていた私は、「くだらない」と感じ、平常心を保つように心がけました。

 

しかし、良くも悪くも純粋であったKは、そうもいかなかったようです。

 

純粋な人を嫌いになったエピソード2.たき付けられてしまったKの闘争心

燃える

 

マネージャーの作戦に、Kはまんまと引っかかってしまい、私への闘争心をあらわにするようになってきました。

私は、意地悪な上層部のやりかたに腹が立ち、簡単にのせられてしまう、純粋すぎるKにもいらだちを覚えたのです。

 

Kは私より1つ年上で、もともと負けん気の強い性格です。

同時に、彼女は学生時代も体育会系の部活に所属していて、年功序列を重んずる性格でもありました。

 

あくまで販売業、年齢は関係なく結果が立ち位置を決めることは、Kも理解していたはずなのですが。

ときには、感情がそれを上回ってしまうこともあったのです。

 

年下である私が、販売数で彼女を上回ったときに、Kが嫌味を口にするようになってきたのです。

「たまたまだよ」とか「それに甘んじちゃだめだよ」と。

 

上から目線での発言が、目立つようになりました。

それに対し、売り言葉に買い言葉で返してしまい、だんだんと口論が増えてきました。

 

ときには「年下のくせに」とまで言われ、私も「年上らしいところ見せてよ」と、ののしり合ってたのです。

そんなある日、彼女の純粋さと、私の理屈っぽさがぶつかる事件がおきました。

 

 

純粋な人を嫌いになったエピソード3.純粋さがまねいた決定的亀裂

亀裂

 

ある日、子犬で50万ほどのかなり高価な、生体の契約が決まりかけました。

それまで、なん日もそのお客さんを接客していたのはKでした。

 

しかし、お客さんが購入の意思決定をしたときの接客は、偶然私だったんです。

お店のマニュアルでは、販売担当者としてカウントされるのは、お客さんが購入を決めたときに担当していたスタッフです。

 

この規則には賛否両論ありましたが、決定事項でした。

自分が損することもあれば、得することもあるということで、全店舗のスタッフがこのマニュアルに沿って販売を行っていました。

 

なのでそのときも「ラッキー」と、思った私は契約テーブルにお客さんを案内したのです。

すると、Kに呼び止められスタッフルームへ。

 

彼女の言いぶんは、予想どおり「あのお客さんは私が接客してきた」とのこと。

私としては、マニュアルに沿った行動をしているので、それにしたがう理由はありません。

 

それを伝えた瞬間、Kは大激怒。

「人の心がないのか!優しさはないのか!」と、私をののしりました。

 

本来、とても純粋で無垢な性格であるKは、譲り合いや人情を大切にするタイプだったのです。

 

純粋な人を嫌いになったエピソード4.その後

やめる

 

Kは、以前、同じ立場で私に販売を譲ったことがあると、言っていました。

しかし、私からすれば、そんな証拠はありません。

 

なにより、現時点で会社の規則にしたがった行動をしているのは、客観的にみて私です。

Kの目の前で、機械的に本社に電話をかけ、泣きわめくKをマネージャーにたくし契約へ向かいました。

 

それまでは、「面倒くさい」程度のKへの感情でしたが、その事件を境に私は彼女を嫌いになりました。

彼女には、自信をなくして自ら辞めてほしくて、それまで以上に本気で販売に取り組んだのです。

 

結果的に作戦は成功して、彼女は数ヶ月後に、いきなり出勤をしてこなくなりました。

販売のライバルがいなくなって、私も気が抜けてしまって、あとを追うように私も辞めることになりました。

 

たしかに、Kのことは嫌いになりました。

ですが、最初の時期はふたりで支えあって頑張ってきたのです。

 

この事件から5年以上たった今でも、あのときどうすれば正解だったのか、ふとKを思い出します。

彼女の純粋さを、もっと愛せてうまく接することができれば、こんなモヤモヤした気持ちはなかったのでしょうか。

 

まとめ

純粋、ピュア、無垢。

そのような言葉は、だいたいがほめ言葉に使われることが多いです。

 

そのぶん、Kのように他人からの誘導に乗りやすかったりと、決して長所だけではありません。

純粋さを、良い方向に伸ばしてくれるパートナーや上司に出会えてこそ、その魅力が伸ばせるのだと思います。