私の身近にいる、アバンギャルドな人のエピソード2つ

アバンギャルド

47歳女性。パートをやっています。

ごくごく普通の3人家族です。

 

人からは、「案外意見が尖っている」とか、「変わっているね」と言われ続けて、50歳目前。

最近は、コンプレックスだった部分を吹っ切り、なんの躊躇もなく、自分をさらけ出す日々を過ごしています。

 

 

アバンギャルドな人のエピソード1.女子高生なのに、モヒカン・刈りあげ?

驚きを隠せない女性

 

「アバンギャルドな人」と言われて、私がまず思い出すのが、高校からの友人のあっちゃんです。

学生だった当時は、背が低くてぽっちゃりとした、可愛らしい普通の女の子でした。

 

入学当初、あっちゃんのヘアースタイルは、普通のショートカット。

ところが2年生になったころ、いきなり刈りあげのショートカットに変わり、みんなを驚かせました。

さらに、あっちゃんの刈りあげには、ワンポイントがついていたのです。

 

後ろに、辮髪のように少し髪の毛を長く残して、その部分が細かく三つ編みされているような感じで……。

一本ピロンと、細い三つ編みがしっぽのように、ショートヘアーの下から出ているという、斬新な髪型です。

 

私の通っていた高校は、県内の進学校でした。

わりと真面目な校風でしたが、校則はとくに、厳しくはなかったと思います。

 

髪の毛を染めること、パーマは禁止。

けれども、とくにヘアースタイルは、校則で決められていなかったです。

 

当時の私は、こう思っていました。

「禁止ではないけれど、刈りあげと三つ編みのヘアースタイルで、学校にくるのはすごいな! あっちゃんは勇気があるな」と。

 

聞いてみたところ、あっちゃんはカットモデルをやっていたそうです。

「ただで髪の毛を切ってくれるから、最近はいつもカットモデルで、やってもらっているんだ」と、言っていました。

 

「『毎回こんなスタイルになるけど、大丈夫?』って聞いてくれるよ」

「『刈りあげもすごくカッコイイな』と思って、OKしちゃった」と、嬉しそうに話すあっちゃん。

 

「そうか、勇気とかではなくて、『自分がカッコイイ!』って思ってやっているんだ。すごいな」

そう思いましたね。

 

そして、あっちゃんのヘアースタイルは、マイナーチェンジを繰り返しました。

ときには、刈りあげの部分がすごく増えて、モヒカンのようなヘアースタイルになったこともあります。

 

でも、辮髪のような三つ編みの部分は、トレードマークとして残していました。

そのトレードマークの部分だけが、緑色に染められたり、ピンク色になることも。

 

校則では、髪の毛を染めるのは禁止だったので、夏休み限定の色だったと思います。

それでも部活があるので、染めた部分はショートカットのなかに上手く隠して、ピンでとめていました。

髪型はアバンギャルドだけど、根は真面目な高校生なので、校則は気にしていたところが可愛く、笑えましたね。

 

私たちが高校を卒業して、しばらくしたあとに、刈りあげスタイルが流行りました。

女優さんがみんな、刈りあげのショートカットに。

そのときになってはじめて、「あっちゃんは、時代の先を行っていたんだな」と気付きましたね。

 

 

アバンギャルドな人のエピソード2.ブルゾンちえみそっくりメイクの姐さん

メイク道具

 

テレビで、ブルゾンちえみちゃんがブレイクしたときに、真っ先に思い出した友人がいます。

服飾系の専門学校に通っていたときの、友人「姐さん」です。

 

姐さんはまさに、今のブルゾンちえみちゃんがやっているメイクをいつもしていました。

眉毛も口紅も、くっきりと描きます。

「THE 口紅」という感じの、真紅の口紅が印象的でした。

 

どちらかというと、舞台メイクに近かったかもしれません。

本人には言わなかったけれど、デーモン閣下寄りのメイクでしたね。

 

そして、服装はいつもゴージャスなスーツと、ハイヒールでビシッときめている感じ。

見た目がそんな感じなので、同じ年齢なのに、みんなからは「姐さん」のあだ名で呼ばれていました。

 

服飾系の専門学校なので、服装もメイクも個性が強いアバンギャルドな人は多かったです。

でも、そういったアバンギャルドな人たちのなかでも、とくに姐さんは際立っていましたね。

 

姐さんが大好きなデザイナーは、ゴルチェです。

アバンギャルドなファッションデザイナーとして、当時まず思いつくのが、ジャンポールゴルチェでした。

 

姐さんは学校でシャツ、スーツ、ワンピースなど、課題で服をつくるときには、いつもゴルチェ風のデザインの服を作成。

姐さんのつくる、奇抜なデザインの服はすごかったです。

世界観ができあがっていて、いいとか悪いとかを卓越していた気がします。

 

服のいろんなところが尖っていたり……。

「服の素材じゃないでしょこれ」っていう、素材をミシンで縫ったりして、とにかく面白かったです。

 

そんな姐さんが就職活動で、面接に行ったときのこと。

意外にも、姐さんが受けた会社は、いたって普通の女性らしいコンサバ系の服をつくるメーカーでした。

そんな会社に面接に行くときも、姐さんはいつものデーモン閣下メイク。

 

集団面接の最後に、面接官からびっくりするような質問がきたそうです。

「あなたにとって人生とはなんですか?」「じゃあ、端のあなたから」と、言われた姐さん。

しかも、一番に答えなくてはならなかったそうです。

 

「なんて答えたの?」と、興味津々で、私は姐さんに聞きました。

「もう頭が真っ白になっちゃって~。だってそんな質問がくるとは思わないじゃん」

それでとっさに出た言葉が、「人生はギャンブルです」だったそうです。

 

「ヤバイって思ったよ! 就職の面接でギャンブルってまずいよね。でもそれで押し通すしかないじゃん」

そう言う姐さんは、面接官に、このようなことを言ったらしく……。

 

「人生もギャンブルも、一か八かの勝負です。勝っても負けても、ときの運です」

「でも勝つことばかりがいいわけじゃない、長い目で見れば、負けたことがきっかけで、いいことがくるときもある」と。

 

姐さんは、「あそこの会社は、完璧に落ちるわ~」とがっかりしていました。

しかし、私はこう思ったのです。

「でもすごい! 姐さんはやっぱりすごいな」と。

 

案外とっさに出た一言のほうが、その人の本心が出るような気がします。

面接では「タブーかな」と思われる派手なメイクで、果敢に挑戦していったところも好きです。

 

内定をけったのか、落ちたのかは分かりませが、姐さんは別の会社に入社しました。

姐さんの「人生はギャンブルだ!」は、今でも私のなかに、名言として残っています。

 

まとめ

自分の世界観を愛して、それを表現している人は、アバンギャルドな人だと思います。

見慣れないから、最初はびっくりしてしまうのです。

 

新しすぎて、みんなの想像よりも、先に行き過ぎている感があります。

なので、いいのか悪いのかは、時代のほうが遅れてきて、評価するみたいなところがある気がしますね。

 

そして、私は、そんなアバンギャルドな人が大好きです。