35歳男性。
現在は、東京都内のIT企業に勤務。
実家で生活しているときに、近所の主婦が浮気をしていて、噂になったにもかかわらず、愚痴ひとつ言わない夫の姿に驚いたことがあります。
また、会社では同僚社員からいじめを受けても、平然としている営業部の社員や、突然大量の重要な仕事を上司から割り振られる人事部の社員が、愚痴ひとつこぼさない姿を見て、敬服させられている。
趣味は、ロードサイクリングと読書と株式投資。
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愚痴を言わない人のエピソード1.妻に浮気されても愚痴を言わない近所の夫
私が大学を卒業して、栃木県にある人口5万人程度の町にある、実家に戻って生活をしていたころのできごとです。
私の実家の庭の前は、広い空き地となっていました。
私が子どものころは雑木林になっていたのですが、所有者が、雑木林の一部をショベルカーで片付けて、車の駐車スペースとしていたのです。
ところが、あるときから夜の20時ごろになると、所有者以外の人物が、私の家の前の空き地に、エンジンをかけっぱなしにしながら、車を駐車するようになりました。
1週間に2回くらいのペースで、駐車しています。
それが数ヶ月続きました。
私の父親が不審におもって、自宅の庭から車の運転席をのぞきこむと、近所では見かけない30代の男性が、車に乗っていることを確認。
近所の人の話では、私の実家の2軒隣のお宅の奥さん(当時50歳前後の年齢)が、社交ダンスのサークルに通っていたようでした。
そして、そのお宅の反対側の隣家の人の話によると、そのお宅の奥さんがたまに20時を過ぎると、着飾って化粧をして、家をいそいそと出ていく様子が目撃されています。
つまり、そのお宅の奥さんが、おそらく社交ダンスで知り合った若い男と、できてしまったのです。
そして、週に2回ほどのペースで、浮気を重ねていたのでした。
当然、その家の奥さんにはご主人がいますし、私と同年代の息子もいます。
しかし休日に、そのお宅のご主人をたまに見かけても、ふだんと変わらぬ様子で、「おはようございます」とか「よう!」とか、挨拶をしてくれるそのご主人。
愚痴ひとつこぼすことはありません。
「狭い人間関係の田舎町で、奥さんの浮気の噂は広まっていたにもかかわらず、ご主人の忍耐はたいしたものだ」と、感心させられました。
愚痴を言わない人のエピソード2.上司から突然大量に仕事をふられても愚痴を言わない同僚
私は会社の経理部で仕事をしていますが、別の部署では、突然部下に大量の仕事を割り振る、管理職も存在します。
たとえば、人事部長です。
私が勤務している会社は、IT企業。
なので、毎月給与計算をするときに、開発部門の人件費のうち、誰の人件費を売上原価に計上するのか、誰の人件費をソフトウエア資産として、資産計上するのかなどを調査。
そのため、給与を決める資料が、開発部門長から人事部長に送られてきます。
人事部長は、開発部門の社員たちのタイムカードをチェックして、残業代を計算。
そのうえで、開発部門長が送ってきた資料をもとに、売上原価とソフトウエア資産に振り分ける作業をしています。
ところが、たまにこの作業を、人事部長は部下の社員に丸投げしてしまうのです。
しかも、期限が残り3日とか、2日というタイミング。
私の会社は、開発部門だけで100名以上いますので、いきなり慣れない作業を振られても、そのような短期間でできるわけがありません。
しかし、人事部の部下の社員は、愚痴ひとつ言わずに、黙々と仕事をこなし、毎日終電の時刻まで会社にいて、毎回なんとか期限に間に合わせました。
一度会社のトイレで「たまには、そんな大事な仕事を急には振らないでください、と言ってみたら?」とアドバイスしたのです。
すると彼は「いやいや、地雷を踏むわけにはいかないから」と言って、ニコニコしていました。
「彼は偉いな」と、思ったものです。
愚痴を言わない人のエピソード3.陰で悪口を言われたり、椅子を蹴られても愚痴を言わない同僚
会社にも、いじめは存在します。
とくに仕事があまりできない社員は、社内で狙われる確率が高いです。
私の会社では、営業部門の30歳くらいの男性社員が、いじめの標的に。
たとえば、彼の座席の背後をとおるときは、たいていの社員が、彼の椅子をおもいきり蹴っていきます。
ひどい人間になると、彼が椅子に座ってパソコンを操作しているときに、椅子の背もたれを蹴っていくのです。
それを見かけても、周囲の社員や管理職たちは、なにも注意しません。
そして、椅子を蹴られた社員も、気がつかないふりをしているのです。
おまけに、このようなことも。
私の会社では、男子トイレの入り口のそばに喫煙室があります。
いじめの標的にされている男性社員がトイレに入っていく様子を、喫煙室のなかにいる社員たちが見かけると、わざと本人に聞こえるように、こう言うのです。
「あいつ、トイレでさぼるつもりかよ」とか「ちゃんと、仕事取ってこいよ」と。
そして彼はトイレの洗面所で、年配の男性のように痰唾を出す癖があるのです。
なので、その音がトイレの外までひびき渡るたびに、喫煙室からは「またはじまったぜ」と言って、げらげら笑う声がトイレのなかまで聞こえてくるのでした。
私は彼に「一度、上司とか人事部に相談してみたら? あれじゃ単なるいじめだよ」とアドバイスしたことがあります。
しかし、彼は「いやいや、気にしない気にしない」と言って、愚痴ひとつ言いません。
彼の忍耐強さにも、敬服している次第です。
まとめ
私の周辺には、かつて妻から浮気されても、愚痴ひとつこぼさない男性がいましたし、会社では上司から無茶な仕事の割り振りをされる同僚社員や、周囲の社員から嫌がらせを受けている社員がいます。
しかし、彼らは愚痴ひとつこぼさず、泰然と日常生活を送っているので、驚いている次第です。