27歳女性。イラストレーター・自営業。世話焼きな性格のせいか昔からダメンズを呼び寄せやすい性格。
現在は穏やかで優しい旦那と幸せな家庭を築きながら人生満喫中です。
オタクの友人に勧められて乙女ゲームにこっそりハマり気味。
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共依存の恋愛関係を克服したエピソード1.元彼との共依存関係
私は20歳のころ、恋人との共依存関係に苦しんでいました。
元々ダメンズに惹かれやすい私は当時もアルコール癖がとても悪いバンドマンの男性とお付き合いしていて、お酒を飲むと記憶が飛ぶ彼の暴力を日常的に受けていて生傷の耐えない生活を送る日々。
暴力は肉体的なものだけではなく私の人間性に対する非難中傷などの精神的なものにも及び、「お前は俺から離れたら生きていけない、誰も相手にしてくれないつまらない人間だ」と毎日のように言われていました。
若く馬鹿だった私はそれをうのみにし、「自分は価値のない人間でこの人じゃないと愛してもらえないんだ」と思い込み彼にすがる日々を送っていましたね。
彼は現在もテレビで活躍するバンドのメンバーで、丁度そのときにメジャーデビューできるかできないかの瀬戸際。
彼自身も毎日不安で緊張感のある生活を送っていたことは確かでした。
「彼のミュージシャン人生の転機を支えるのは私しかいない!」と躍起になり、身を粉にして働いて彼に貢いだり、彼に別れを告げられても泣いてすがっていましたね。
彼は「別れよう」と言うと私が泣いて嫌がるのを知っていました。
私が些細なミスをするたびにそう言って、すがる私を見ては優越感に浸って自分の価値を保っていたのだと思います。
現に彼はほかに女性の影は見当たりませんでしたし、周りにも私を彼女だと紹介していました。
外面は自信家に見えつつも根は弱い人間である彼も、自らのアイデンティティを守るために私の涙を利用していたのです。
それはまさに共依存以外のなにものでもありませんでした。
私達はおたがいを限りなくいびつな形で求め合い、不幸で加虐的・自虐的な毎日のなかで稀に訪れる幸福な一瞬だけを頼りに傷つけ合っては、自分自身の価値を相手の心の傷で計って過ごしていたのです。
共依存の恋愛関係を克服したエピソード2.共依存の克服の決意
私がこの共依存を断ち切ろうとしたきっかけは、彼のある一言。
当時私もミュージシャンを志して、日々の限られた時間のなかで、できる限り必死に努力して夢を追い求めていました。
そんななかで彼が国内最大級の音楽フェスに出演し、楽屋にて洋楽の有名女性アーティストさんと話す機会があったとのことでした。
彼は私に「○○と話したけれど、やっぱりお前は偽者だよ。どんなに努力しようが性根を直さないとお前はいつまでも偽者のままだ」と言ったのです。
その瞬間、私の彼に対する想いがサーッと冷めていくのを感じました。
よくドラマや小説で見かけるこの表現って本当にあるんだ、と自分を冷静に見ていたのを覚えています。
当時は感覚も麻痺して、彼に対する想いや私の人間性に対するきゅうだんにはもう慣れっこになってしまっていました。
ですが彼にその言葉を言われたことで、「私自身が培ってきた努力自体にまでなぜそんなことを言われなくてはならないんだ? どうして私がこんなに苦しまなくてはならないんだ?」と、唐突に我を取り戻した感覚でしたね。
そして私はこの共依存の関係を断ち切ろうと決意したのです。
共依存の恋愛関係を克服したエピソード3.共依存の克服の実現
今までどんなに彼から別れ話を振られて私がすがったとしても、私から振ったことは1度もありません。
「共依存を克服するためには自分から行動するしかない」と思い、震える手で彼に電話をかけました。
会って話してしまうと言いくるめられて決意が鈍ってしまうかと思ったからです。
案の定、彼は焦ったのか激怒し、電話口で強く怒鳴りました。
「いいのか? 俺がいなくなるとお前は1人だぞ。お前みたいな駄目な人間がこれから1人で生きていけるわけないんだから、考え直した方が良いんじゃないか?」
などと、最後までどうかつまがいなことを言われましたが、私の決意は自分が思った以上に強かったようです。
「あなたといてこれ以上心が死んでいくくらいなら、1人の方がずっとマシ!」と言い切ると、普段弱い立場であった私の強気な言葉に意表を突かれたのか彼は無言に。
10秒ほど時間が経ち、「さよなら」と一言伝えてすぐに電話を切りました。
共依存だったとしても、確実に私は彼のことが好きだったのです。いつの間にか流れていた涙を気付かれたくありませんでした。
共依存の恋愛関係を克服したエピソード4.元彼との共依存を克服して
それからと言うものの彼からの連絡は1度もきません。
共通の友人から聞いた話では、もう40才が見えてきそうな年齢であるのに、あれから特定の女性はほとんどいないそうです。
たまに彼をテレビや雑誌などで見かけることがあり、そのたびに「この人は本当に私じゃなきゃ駄目だったのかもしれないな」とぼんやり思います。
ですが、結婚して普通の幸せを手に入れた現在、彼をまた昔のように愛する日がくることはありえないと思いますね。
それほどまでに共依存の日々は苦しく、開放された日々は世界が色鮮やかに見えるからです。
あまりにも小さい世界で生きてしまっていた当時を後悔するつもりはありません。
あの苦しみがあったからこそ、今の幸せを大切にできているのだと自覚しています。
まとめ
共依存の渦中にいる人は、周りからの親身な意見になかなか素直に耳を傾けられないものです。
当時の私も心配してくれていた友人の手を払いのけてしまっていました。
もし周りに共依存に苦しむ人がいたら、それでも是非手を差し伸べてあげてみてほしいです。
きっとその人自身、心のどこかで必ず助けを求めているはずですから。