今でも仲良し!未成年18歳で結婚したエピソード4編

結婚をする男女

35歳、女性、職業は販売業をしています。

18歳のときに発覚した、父の末期ガンをきっかけに、当時付き合っていた、2つ年上の主人と結婚しました。

 

大学時代は、私は親元で生活、彼は離れた地で一人暮らし。

なので、遠距離恋愛でしたが、現在は1男1女の母です。

 

 

未成年18歳で結婚したエピソード1.相手は同級生のお兄さん

笑顔の高校生

 

主人との出会いは高校2年生の夏休み、同級生の女の子の自宅に、お泊まり会したときのこと。

彼女にはお兄さんがおり、自宅に行く前から、お兄さんの自慢話を何回も聞かされていました。

「皿洗いと風呂洗いは、絶対にやってくれるの」と。

 

そのお兄さんが、主人です。

はじめて会ったときから、「好きになっちゃいそうだな」と思いましたね。

 

同級生の話通り、ひょうきんで、家事をよく手伝ってくれる優しい人。

私以外にもメンバーがいましたが、お茶を運んでくれたときに、「お兄さんも、ぜひ一緒に」と誘ったのは私でした。

 

次第にみんなと打ち解けて、夕食も一緒に食べます。

その日のうちに、主人からお付き合いを申し込まれました。

 

今考えると、「とんでもなく展開が早く、若かったなあ」と思いますね。

でも、交際を急いだのには訳があって、遠距離恋愛になることがわかっていたからなんです。

 

当時、主人は大学1年生で東北の大学に通っており、私は東京で、そのまま進学するつもりでした。

おたがいの連絡先を交換して、「たくさん手紙を書くからね」と約束。

 

「未成年で結婚」というと、予期せぬ妊娠が理由だったりします。

ですが、私たちの場合、周りもびっくりするくらい、ものすごくプラトニックで、クリーンなお付き合いでした。

 

未成年18歳で結婚したエピソード2.結婚のきっかけは、父のガン

病院

 

文通をしたり、年に1度か2度のデートが1年続いたころには、もう結婚を意識していました。

とはいえ、私も大学で勉強したかったので、「大学を卒業したら……」という、気の長い話です。

それでも、主人の妹が同級生ということで、おたがいの家族公認の仲でした。

 

そんな交際が、順調に進んでいた高校3年の秋、私の父が末期ガンであることが判明します。

余命半年。

「おそらく、私が大学に入学する姿は見られないだろう」と告げられました。

 

主人に打ち明けたところ、ただ一言、「お父さんに筋を通したい」と。

父にはすでに、「結婚を見据えて、お付き合いしている」と、紹介していた私たち。

 

「成人式も見せられない、大学に入学する姿を見せられないのであれば、せめてウェディングドレス姿を見せてあげたい」

主人から、そのように申し出をされました。

 

しかし、結婚とは一人でするものではありません。

ましてや主人は辛うじて成人していましたが、私はまだ18歳、未成年です。

 

案の定、それまで優しかった相手の家族から反対されました。

「お父さんが大変なのはわかるけど、結婚は一生のこと。早まって、おたがいがつらい思いをするのは見たくない」

義母さんから、そのように言われた私たち。

 

父の看病と受験勉強のつらさもあり、一度は私から、主人に断りを入れました。

 

 

未成年18歳で結婚したエピソード3.主人に押し切られる形での結婚、父の最期

泣いている女性

 

断りを入れたあとも、水面下で主人の交渉は続いていました。

主人は最終的に、こう言って、啖呵を切ったそうです。

 

「自分は成人しているから、親の言うことは聞かない。彼女は未成年だけど、おたがいの気持ちは変わらない」

「向こうの親を説得して、判子をつかせる」と。

 

私と主人を結びつけてくれた同級生が、そうした情報を私にくれて……。

「義父さんは説得した。もうちょっとで義母さんも折れるから」と、励ましてくれたのです。

それが、ものすごく力になりました。

 

あのときの力の源は、本当に「若さ」以外に、たとえようがないでしょう。

あとから聞いた話ですが、主人がこう言ったことにより、義母さんも納得してくださったそう。

「彼女のドレス姿をお父さんに見せないと、自分は一生悔やむ」と。

 

そこからは、早かったですね。

「志望校に合格すること」

「大学は、きちんと卒業すること(つまり、同居せず遠距離を続けること)」

「大学を卒業するまで、子どもはつくらないこと」

 

この3つの条件のもと、結納が交わされたのは、1ヶ月後。

同時進行で、高校に報告します。

 

ここでも、学校側から「本来なら退学」という厳しい話をされました。

ですが、母と義父、義母が高校の理事にかけ合って、特例措置として、理解を得ることができたのです。

 

それから2ヶ月後、父の入院しているホスピス内のチャペルで、家族だけの小さな結婚式を挙げました。

様式を重んじるなら、結納からもっと時間が必要なのでしょう。

しかし、そのころには、父はもう一人で歩けなくなっていた状態。

 

式の最中、母が車椅子を押すなか、バージンロードを歩きました。

父は、「まだ意識があるうちに」と、式を挙げた日の夜に、婚姻届の保護者欄に判をつきます。

もう一人の証人になってくれたのは、あんなに反対していた義母さんでした。

 

父は、私たちが婚姻届を提出した2週間後に、息を引き取ったのです。

穏やかな顔をしていましたね。

 

未成年18歳で結婚したエピソード4.結婚後の変わらない、穏やかな生活

幸せな家庭

 

葬儀では、私たちの結婚を悪く言う親戚もいました。

急な展開でしたし、知っているのは、介護を手伝ってくれていた、本当にごく一部の親戚だけだったからです。

 

でも、父の他界の1ヶ月後に、受験が控えていた私にとって、そんなことはどうでもいい話でした。

「とにかく、主人が押し切ってくれた以上、みんなに約束した『志望校に合格すること』だけは守らなくてはならない」

そう思っていたからです。

 

でも、夜寝る前に、ふっと不安がよぎることがあります。

「高校在学中に結婚したりして、受験で落とされるんじゃないか」と。

 

そんなときは、主人に電話をしていました。

今思うと、自分で決めたことなのに、本当に甘えた考えですよね。

 

父を失い、精神的に不安定な状態の私を、主人はよく支えてくれました。

別に暮らしていますし、夫婦としての実態もありません。

 

しかし、このときから精神的に甘えられるのは、母ではなく主人でした。

夫婦としての自覚が、芽生えた時期ともいえます。

 

主人に励まされながら、私は志望校に無事合格。

高校を卒業することができました。

 

それから4年後、大学を卒業すると同時に、主人と同居を開始。

現在は、1男1女に恵まれています。

 

まとめ

父の病をきっかけとした急な結婚でしたが、17年経過した今でも、私たち夫婦は仲良しです。

未成年の結婚というと、社会の逆風は凄まじいものがあります。

ですが、すべての結婚が、幸せになるも、不幸になるも、本人次第です。

 

「いつか、自分の子どもたちが巣立つとき、親として見守ってあげたいな」と、思っています。