20代後半、外資系製薬企業に勤める女性です。
入社3年目で新人の教育係として、弊社一と言われるほどの高学歴イケメンの教育を任されました。
周囲からのプレッシャーを感じつつ、後輩の教育に四苦八苦し、結局、後輩は仕事ができず退社。
教育係としての私の成果は、宙ぶらりんのまま終わりました。
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イケメンで仕事ができない男のエピソード1.イケメン後輩との出会い
外資系の製薬企業で、営業として働いています。
業界でも「美男美女揃い」と言われている、私の会社の営業部門。
私自身美女の自覚はないのですが、実際私からみると、周囲の男性はイケメンが揃っていると感じます。
営業でお医者様相手のお仕事なので、ある程度の容姿は求められるからかもしれません。
しかも、世界ランキング上位に位置する大企業で、外資系ということもあり、実力も求められる社風です。
私はこの会社に就職して3年目になりますが、はじめて新入社員の教育係を任されることに。
今年の新入社員は例年に比べて、イケメン揃いとの噂どおり、私が担当する後輩はずば抜けてイケメン。
正直、一緒に仕事できることにテンションがあがっていました。
そのイケメン後輩は、帰国子女でアメリカ生活が長く、語学堪能、卒業大学も某有名大学卒の高学歴な男子。
イケメン+高学歴で、ほかの社員からの注目度も高かったので、その彼の教育係を任される私にも注目が集まり、それだけ責任の重さも感じていました。
イケメンで仕事ができない男のエピソード2.イケメン後輩の教育係として
イケメン後輩が1年の研修を終え、私の下に配属されて、部署内での顔合わせを兼ねて、歓迎会がありました。
「さすが帰国子女のイケメン!」コミュニケーション能力もあると感じました。
新人特有のおどおどした感じはまったくなく、自信に満ちあふれていて、自己紹介にもユーモアがあります(多少のナルシスト感は感じました)。
周囲の期待度も、よりあがっていきました。
歓迎会後、教育係としてお世話になると、挨拶をさせてもらったときの第一印象も好感触。
「手がかからなさそうで、教育も楽そうだ」と感じたほど、彼に対する印象は良かったです。
今考えれば、イケメン効果で、第一印象がよりよくなっていたとも思います。
イケメンで仕事ができない男のエピソード3.イケメン後輩の仕事っぷり
いざ、彼と仕事をしているなかで、少しずつ彼に対する最初の印象から、ズレが発生。
私は教育係なので、彼とは営業活動を同行することが多かったので、車のなかで彼と仕事のノウハウなどを話す機会がありました。
そのなかで、新人の彼が、自分の仕事に対する価値観などを一方的に、熱く語ってくるのです。
仕事に対する熱意があることは、喜ばしいこと。
ですが、仕事のイロハもわからない彼が、私の話をさえぎって、しかも私の話を否定してくるのです。
アメリアで自己主張が大切な環境で育ったからなのか、自己主張が強すぎました。
日本人特有の、謙虚な「聞く姿勢」がまったくありません。
とくに私たちの仕事柄、プライドが高いお医者様相手の営業ですので、いかに「下手に出るか」が大切なのです。
ですが、そのイケメン後輩、お医者様に対しても、自分オリジナルの自己主張を繰り広げるので、担当先のお医者様を怒らせてしまいました。
新人がお医者様を怒らせることはよくあることなのですが、彼の場合、その後の対応がまったくよくありません。
なぜ怒らせてしまったのか、理解できないようで、謙虚な姿勢がまったくないのです。
これまで自分はイケメンで、高学歴、自分の意見を聞いてくれない相手に出会ったことがなかったのでしょう。
きっと周りもイエスマンばかりで、彼の考えにしたがってきたから、彼の異常なまでの自信を増長させてしまったのだろうと思います。
社会に出て、自分の考え方と異なる価値観に出会った彼は、その対応ができなかったのです。
イケメンで仕事ができない男のエピソード4.仕事ができないイケメン後輩は
これまでそれが「正しい」と思い、生きてきた人間に、「価値観を根底から変えて欲しい」とお願いすることはとても難しいことでした。
就職担当の人事も、彼のイケメン容姿と学歴に目がいき、彼がそもそも、この仕事に適性がないことが見えていなかったのでしょうか?
それとも、私が教育係として、彼の適性を一から養うことを任されているのでしょうか?
イケメンであるばかりに、彼の傲慢さがとても残念に思えました。
仕事ができない以前の問題なのです。
彼の性格そのものから、教育が必要なのですから。
「彼の教育は一苦労ある」と思い、上司とも相談しながら、彼と付き合ってきました。
しかし、それからも何度か医師を怒らすできごとがあり、その後も怒らせてしまったことへの反省も、まったく感じられなかったのです。
彼が私の下に配属されて、かれ半年近く経つのですが、一向に成長が見られません。
上司からも成果報告を急かされて、私自身、とてもプレッシャーとストレスを感じていたころのこと。
彼が「この会社では自分は成長できない。転職を検討している」と言い出しました。
正直、「どの会社に行っても、考え方を変えない限り、長くは続かないだろう」と感じていた私。
しかし、入社したての新人を退職させることは会社のイメージにも関わるので、なんとかとどまるよう、説得しなければいけません。
仕事ができない後輩がいなくなってくれれば、「私もプレッシャーから解放されて、自分の仕事に専念できる」と内心喜んでいました。
しかし、上司と一緒に、彼を必死に説得することにしたのです。
結局その後輩は、その後も医師を怒らせ続け、出入り禁止医院が増え、会社を去って行きました。
まとめ
「学ぶ姿勢」がある謙虚なイケメンであれば、仕事も上手くいくのだろうと思います。
しかし、その後輩は、イケメンにも関わらず(イケメンであるがゆえに、周りが彼をそうさせたとも感じます)、あまりに傲慢で仕事ができなかったので、とても残念です。