41歳女性。
有名大学に進学し、外資系に就職した超エリートの同級生と、結婚の約束をするも、金銭感覚の相違などから結婚には至らず。
現在は、地元の中小企業に勤務する夫と愛犬とともに、ささやかながら、静かで穏やかな生活を満喫中。
見出し
エリートな彼氏との恋愛で最悪だったこと1.恋愛よりも勉強
高校のときに知り合った男の子は、穏やかで優しく、賢く、明るい人でした。
気が付いたら、いつも一緒にいるようになっていたのです。
でも、とにかく彼は勉強を優先していました。
誰かに強制されているというよりは、彼自身が勉強好きだったように記憶しています。
休日も彼は勉強が優先。
お出かけすることなど、ほとんどありませんでした。
いま思えば、「よくそれでも仲良くしていたな」と思うほどです。
「一緒にいるのは、すごく楽しい。でも勉強しないと」と、頻繁に言われました。
将来的なことを考えれば、たしかに勉強は大事です。
「ほかの誰でもなく、私と一緒にいてくれるのだから」とは思いましたが、私は不満でした。
このころの勉強の成果が実り、彼は有名大学へ進学し、エリートへの道を突き進んでいくのです。
エリートな彼氏との恋愛で最悪だったこと2.エリートの彼は、御両親もエリート
まだ携帯電話もない時代のことでしたので、学校以外で連絡を取ろうとすると、実家に電話する必要がありました。
はじめて彼の実家に電話したときのことは、随分と時間が経った今でも、忘れられません。
「あなた、いま、何時だと思っていらっしゃるの? 電話をするには少し遅いんじゃないかしら」
電話口に出た彼の母親に、こう言われてしまい、私は固まりました。
でも、まだ夜の8時前だったのです。それきり彼の実家に電話したことはありません。
なんと答えたらよいか分からず、しばらく沈黙し、お詫びを言って電話をきった私。
最悪な気分でした。
彼の家庭環境は、我が家とは大きく違います。
父親は有名大学出身で会社社長、母親は有名女子大学を出て就職せずに結婚し、専業主婦。
朝食時の話題は、政治経済や、時事問題について。
まさに、「エリート家庭」という状況でした。
そんな家庭で育った彼だからこそ、「苦痛にも思わず、勉強をしていたのではないか」と思うのです。
朝食時の話題を聞いたとき、「この人と、結婚することはないだろう」と感じました。
エリートな彼氏との恋愛で最悪だったこと3.知識の差によるズレ
高校を卒業した私は就職。
しかし、彼は大学、大学院へと進みました。
少しずつ、話が合わなくなってきているのを、会うたびに感じたものです。
進学しても、彼は相変わらず勉強ばかりしているようで、楽しい話を聞くことはめったにありません。
遠くに引っ越してしまった彼を何度か訪ねたことがありますが、家のなかには資料やノートが溢れていました。
仕事の愚痴も通じず、「彼の学問の話にもついていけない……」、そういう日々が何年も続いたのです。
エリート街道を驀進する彼に対する不満は、いろいろありましたが、なかでも大きかったのは、知識の違いでした。
彼は学問に対する知識は深かったのですが、一般常識やマナーなどについてはイマイチ。
そういう知識の差によるズレは、少しずつ少しずつ、広がっていきました。
そもそも、彼はめったに地元に戻ることもなく、会えない時間ばかり。
「なにをしているんだろう」と、思うことが増えていきました。
エリートな彼氏との恋愛で最悪だったこと4.まったく合わない金銭感覚
そんな彼も、やがては就職。
外資系企業に就職した彼の初任給は、10,000,000円を越えていました。
しかし、彼よりもずっと長く働いていた私の年収は、その半分どころか、3分の1にも満たない金額だったのです。
デートの支払いは割り勘だったのですが、彼が選ぶ店は高級な店ばかり。
高校や大学のころと比較すると、金銭感覚にズレが生じ、「ついていけない」と思うことが増えていきました。
デートで、ハンバーガーを食べていたのが、懐かしい思い出です。
あまりにも彼がステップアップしてしまって、なにもかもが合わないと感じるようになりました。
一緒に過ごす時間はとても楽しいのに、「合わない」と感じることばかりが増えていくのは、とてもつらいものがありましたね。
はっきりと時期は決めていなかったものの、結婚の約束もしていました。
でも彼は長男で、もし結婚したら、将来的には彼の御両親と暮らす可能性もあるわけです。
残念ながら、私は裕福な家庭には生まれ育ちませんでした。
朝の話題は、前日のできごとや他愛もない世間話ばかり。起きてすぐに政治の話をするという発想もありません。
将来を考えると、なんだか憂鬱でした。
彼との関係について悩んでいたころ、ある小さな事件が。
私の誕生日を忘れていた彼が、現金を差し出し、「これで好きなものを買っていいよ」と言ったのです。
彼が私のために選んでくれたものなら、なんだって嬉しいと感じたことでしょう。
しかし、彼はそれをせずに、お金で済ませようとしたのです。
それは、彼なりのやさしさだったのかもしれませんが、無理でした。
もう、最悪としか言いようがありません。
もう「会わない」と決めたのは、そのときです。
まとめ
彼がエリートすぎて、ついていくことができませんでした。
「そもそも、生まれ育った環境が大きく違ったのだから」と思っています。
「彼の御両親や、彼自身と合わせて暮らしていく自信が、少しも持てなかったのだから、これで正解だった」のだと今でも思います。
それでも、今でも彼のことを懐かしく思い出すことがあるのです。