32歳主婦。子供のころから、「お前は器量が悪いのだから、しっかりしなさい」と親にいわれ育てられる。小学校高学年になるまえから、すでに体操服にサイズがなく特別注文になるほどのデブ。
結婚するときに、相手の人(夫)は「お前でもいいなんて目でも悪いのか」と、実の親に心配される。
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「可愛く生まれたかった!」エピソード1.可愛い子は怒られない
私には、年の離れた可愛い妹がいます。
とくに、幼いときは可愛いくて近所でも評判でした。
一方で、私は小学校の肥満児向けの検診を受けるほどのデブスでした。
親をふくめた大人たちは妹には甘く、わがままを言おうが、なんでも言いなりになっていました。
ある日、家の大事な掛け軸が破ける事件がありました。
犯人は妹で、両親は気づいていましたが、私に疑いをかけてきました。
「それは、あまりに酷い」と、不満を言ったところ。
親に「◯◯(妹)のような、可愛い子は怒れない」と、ハッキリ言われました。
「可愛く生まれたかった!」エピソード2.可愛い持ち物が似合わない
小学生のころに、ケーキの形の消しゴムや、香り付きのペンなど可愛い文房具を集めていました。
しかし、クラスメイトに「似合わない、キャラじゃない」、「○○ちゃん(クラスの可愛い女子)みたいな子が持つべきでしょ」と言われました。
たしかに、自分の顔と持ち物が合っていない気がして、恥ずかしくなってしまいました。
それからは、なるべく地味でオーソドックスな物を持つようになりました。
「可愛く生まれたかった!」エピソード3.小学生なのに大人に間違えられる
高学年のころの私は、老け顔でデブ、おばさんのパーマのような髪で、年齢不詳な雰囲気でした。
それだけでなく、太りすぎて子供服が入らなかったのです。
そのため、大人のだぼだぼのジーンズに、おばさんが着るようなトレーナーを着ていました。
そんな私が、学校の帰り道に、観光客と思われる3人組のおばさんから道を尋ねられました。
電車にも乗ったことがなく、田舎の町から出たことがなかったので、道案内なんてとてもできませんでした。
歴史遺跡についても、いろいろ聞かれましたが、なんのことだかわからず。
すると「おねーさん、いい年なのに、観光客にそれぐらい教えてよ」、「その態度なに?しゃべりたくないの?」と、すごいけんまくで叱られました。
「あの、私、小学生です」と言っても信じてもらえず。
「馬鹿にしてるの?」と怒っていました。
どうしようか悩み、学校のノートを見せると「あら、ごめんなさいね」と言いさっていきました。
怒られて怖かったので、近所のおばさんにその話をすると、「あなたなら間違えられても仕方ない」と、だけ言われました。
「可愛く生まれたかった!」エピソード4.自意識過剰に思われる
私の地元はとても田舎で、町内では熊やいのしし、猿や鹿もでます。
街灯もあまりなく、夜になると真っ暗です。
そのため、夜ひとりで歩いてコンビニに行くときなどは、不気味に感じ、足音などがすると「ドキっ」とします。
そのことを同級生に「夜、コンビニに行くとき怖い」と話しました。
すると「大丈夫。おまえは誰も襲わない。たまに顔とかどうでもいいやつもいるけど、まぁおまえは大丈夫だから、深夜でも安心して堂々と歩けよ」と言われました。
ほかの同級生も「いやいや、自意識過剰だろ」と笑うので、そんな話をした自分がとても恥ずかしかったです。
「可愛く生まれたかった!エピソード5.圧倒的に面接で不利
就職活動をしているとき、就職課の人に「あなたは、写真にお金をかけたほうがいいよ」と言われました。
ほんとうは、その辺にある機械ですませるつもりでしたが、10,000円くらいかかる写真館でとってもらいました。
後日、届いた写真は、かろうじて私とわかるレベルまで、顔に修正されていました。
さすがにここまで修正をされた写真は、履歴書に貼ってはダメだろうと思いました。
就職課の人に相談すると「それぐらいじゃないと、書類で落とされるから、それを使いなさい」とのこと。
そのまま送ると、面接まですすみました。
面接でまず言われたのが。「写真と違うね」でした。
そのままの証明写真だったら、面接まで行けなかったのかもと思うと、可愛いって得だなと思いました。
「可愛く生まれたかった!」エピソード6.泣けば許してもらえる
職場でのことです。
同期にAさんという、学生時代に読者モデルをしていた女性がいました。
ある日、会議で必要な書類をAさんが忘れてきてしまいました。
その書類がないと、ほかの社員の評価にも関わるような書類でした。
「なぜ忘れたのか?」と別の社員が聞いただけで、Aさんは号泣。
フロア全体に聞こえる大きな声で、「ごめんなさい。私が悪いんです」とまたもや号泣。
てんやわんやとしましたが、結局、書類に関してはうやむやになりました。
以前、あまり可愛くない女性社員が、同じような書類を忘れたことがあったそうです。
そのときは、連帯責任として、チーム全員が評価を下げられたことがあったらしいです。
なのに、可愛い子のミスは見逃されるのです。
その騒動のあと、Aさんは「あーいうときは、とりあえず泣いておけばいいから」と、他の女子社員にもすすめていました。
私たちが同じことをしても、「社会人にもなって泣くな。泣けばすむのか」と余計に怒られるだけです。
「可愛く生まれたかった!」エピソード7.ブサイクな男性と付き合うと高評価
私の友人で、みんなが振り向くほどの可愛い人がいます。
その子は、本人も認めるB専なんです。
「私は美を磨いてきたから、男はブスじゃないと落ち着かない」と謎の格言を持っています。
そのため、今の彼氏も正直、ブサイク。
彼は「こんな可愛いい女性と、二度と付き合えないかもしれない」と、下僕のようにつくしています。
夜勤明けの彼氏に、忘れ物を持ってこさせたり、欲しいものはなんでも買ってもらっていました。
そんな、彼女のワガママを知っている男友達でさえ、「あんなに可愛いのに、ブサイクと付き合うとか、性格いいんだなぁ」の評価。
私がブサイクと付き合っていても「お似合い」と、言われるか「付き合ってくれるだけありがたいんだから、感謝しなよ」と言われるだけです。
「可愛く生まれたかった!」と感じたエピソード8.物がもらえる
私が働いていた会社では、可愛い子が受付をしていました。
たまに人手が足りなくて、私が受付を手伝うことがありました。
男性のお客様のなかには「可愛い子にかわって」と言ってくる人もいました。
そして可愛い子が戻ってくると「おねーさんにだけだよ」とお菓子などを差し入れしていたのです。
高いものだと、カバンやアクセサリーまで渡している人もいました。
「私にって言われたんですけど、こんなにいらないんで、どうぞ」と、私は毎回わけてもらっていました。
私が受付をしていても、「かわって」と言わないやさしいおじさんが、アクセサリーをくれました。
スワロフスキーが1粒ついたネックレスでした。
私は、誰かからアクセサリーを貰うのがはじめてで、うれしかったです。
次の週、可愛い子が受付をしていると、同じおじさんがその子にもアクセサリーを渡していました。
「僕は女性を傷つけたくないから、あの子にもあげたんだ。でも中身は全然違うからね、特別だよ」と話しているのが聞こえました。
おじさんが帰ってから「またもらったー。開けてみよ」と、中身を見るとたくさんのスワロフスキーが付いたネックレスでした。
彼女はお金になるかもだし、誰かに売ろうと喜んでいました。
まとめ
「可愛いと得だ」は、決してブサイクな人間のヒガミではありません。
幼いころから、悲しい事実だということが、よくわかっていただけたでしょうか。
可愛くてもブサイクでも、されて嬉しいことや嫌なことは同じです。
あなたの近くにいる可愛くない子にも、たまには優しくしてあげて下さいね。