35歳男性。現在はフリーターです。
高校時代、父親の影響により、競馬に出会う。
競馬で、月70,000円~80,000円を稼ぎ、生計を立てることに成功。
その後も、競馬で生計を立て続けるも、人に生迷い、競馬中心生活をやめ、公務員生活をはじめる。
現在も、競馬は趣味で継続中。
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競馬で生計を立て生活したエピソード1.競馬との出会い
私の父親の趣味は、競馬。
父は、毎週土曜日、日曜日になると、競馬をしていました。
ある日、父が高校生である私に「今日はダービーだぞ。競馬やってみるか?」と誘ってきました。
競馬に、「あまりいい趣味ではない」というイメージがあった私。
なので、それほど興味を持っていませんでした。
ですが、父に誘われて、未知の領域への関心として、興味を持ちました。
「実際に競馬って、どんなものなのだろう?」と。
ワクワクというよりは、半信半疑のほうが近いです。
高校生は馬券が買えないので、代わりに父に買ってもらう形で、500円だけ参加しました。
当時は、「スペシャルウィーク」という馬が最有力で、断然1番人気。
私は馬の評価がよくわからなかったので、父に見せてもらった競馬新聞の、記者の印の集まり具合で考えました。
父の買い方は、本命馬とそのほかの馬を組み合わせる、「馬連」という形式。
私も同様にして、スペシャルウィークから、5頭の馬へ「馬連流し」をしました。
すると、父がこう言ったのです。
「機械で、お前の馬券を購入したぞ」と。
ここから、凄くドキドキ、緊張感に溢れます。
まるで、人前でスピーチをする直前のような、心理状況です。
レースがはじまると、ドキドキといった感じが、最高潮に達します。
ゴール前、スペシャルウィークが先頭で完全に抜け出し、「2着がどの馬になるのか」という争いになりました。
私が買ってた馬のうち、「ボールドエンペラー」という馬が、2着になる勢いで追い込む展開に。
「ん? 16番って、俺が買った馬だよな、当たるかもしれない。2着にこい、ボールドエンペラー! 2着にこい!」
ほとんどの競馬ファンの目線は、スペシャルウィークにいっていたと思います。
ですが、私の目線は、ボールドエンペラーにしかいってませんでした。
そして、結果2着。
「やった~!!! 父さん、当たったよ」
「あまり印のない馬だったけど、参考レースがダービー直前に流れて、追い込み脚が気に入って、ボールドエンペラーも買ったんだ」
テレビで結果が流れて、馬連131倍の払い戻し。
父さんは「ビギナーズラックってあるんだな。これにハマると、競馬人生になってしまうんだよ」と言いました。
私は当時、「ビギナーズラック」がなんなのかよく分かりませんでしたが、興奮の気持ちしかなかったです。
500円が13,100円に変わって、あまりに興奮しすぎてしまい、いきなり競馬への欲望が、急激に高まっていきました。
「俺って、馬を見る目があるかも」
これが、競馬との出会いです。
競馬で生計を立て生活したエピソード2.生計を立てるまで
競馬と出会ってから、しばらく、競馬そのものにハマりました。
競馬のゲーム「ダービースタリオン」も楽しみつつ、競馬情報誌などを買いながら、競馬研究に励む毎日。
しかし、「ビギナーズラック」で万馬券を的中したものの、そこからは、的中しないように。
その結果、収支ではマイナスばかりでした。
「競馬なんて、はじめなければよかったのかな……」と、落胆と後悔の日々が続きましたね。
ある日、1人で競馬場に行ったら、馬券売り馬の近くで、単勝の馬券を落とした人がいました。
私は、その馬券をその人に渡します。
その方は、50代くらいの男性です。
馬券を拾ったあと、彼にこう言われました。
「拾ってくれてサンキュー。よかったら、一緒に競馬を見ていかないか?」と。
私は、彼と一緒に競馬を見ることにし、競馬について語り合いました。
彼か、ら「単勝や複勝を買うほうが、確実で儲かりやすいよ」と、アドバイスを受けた私。
彼のアドバイスにより、馬連で買う方法から、単勝・複勝で買う方法へ変更してみました。
最初は、5,000円からはじめていったのですが、5,000円が8,000円、8,000円が13,000円……。
毎週プラスの収支になっていき、月で25,000円となり、月20,000円稼ぐことができました。
「これは、競馬で食べていけるかも?」と、希望に満ちた気持ちになります。
そこから、競馬で生計を立てていく計画を真剣に考えていったのです。
「5,000円単位で、月20,000円稼げるなら、その5倍単位でいけば、仕事しなくてもいいな」
その計画を実行し、月100,000円とならずとも、月70,000円~80,000円ぐらい稼げるように。
結果、生活費を抑えて、生計を立てることに成功しました。
「よっしゃ! 仕事しなくても、競馬でやっていける。そのうち、競馬をネタに、競馬のテレビ番組とかに出られるかも」
そんなふうに、妄想がどんどん膨らんでいった私。
その当時は、もう闘牛場の闘牛のように、興奮していました。
競馬で生計を立て生活したエピソード3.生計を立てた生活
競馬で生計を立てて、生活にも支障なく、暮らしていました。
しかし、「なにかが足りないな」という、なんらかの不足感が、気持ちにあらわれはじめたのです。
「競馬は楽しいし、儲かるし、生活もできている」
「べつに不満はないはずなんだけど。なにが引っかかるのだろうか?」
そんなふうに自問自答するようになり、虚しさと苦悩の日々に陥ったのです。
周囲を見ると、会社で真面目に働いている人ばかりで、自分は競馬しかしていないという状況。
そんな状況から、「彼らは立派な社会人だけど、俺って、何者なんだ?」という思いになりました。
この思いについて、父親に相談してみたのです。
すると、父は、こう言いました。
「だから、競馬なんてやらないほうがいいんだ。まあ、父さんは続けてるけどな」
「だけど、仕事もしないで、競馬しかやらないってのは、限界があると思うぞ」
「そうだ、競馬場で働くのがいいんじゃないのか? 馬券を買う人より、胴元のほうが儲かっているの、お前知らないのか?」と。
そのとき、私の頭のなかにひらめいたのです。
「そうだ! 今まで、複勝で馬券勝負していけば、確実と考えていた」
「けど、そんなことより、福利厚生がしっかりしている、公務員となって働けば、もっと儲かるよな」
「そんな簡単な答え、なぜ俺はわからなかったんだ」と。
競馬で生計を立て生活したエピソード4.競馬中心人生を終えたあと
社会人になることへ目覚め、競馬をやめました。
そして、数ケ月公務員試験の勉強をして、市役所に採用。
市役所に採用されたあとは、競馬もたまに楽しんではいるものの、しっかり日々の公務員の職務を果たしました。
公務員として働く生活をはじめると、こう思いはじめたのです。
「なんという、充実した毎日だ。やっぱ社会人のほうが落ち着くな~」と。
それから、精神的に落ち着く日々が、10年以上ずっと続きました。
まとめ
競馬と出会い、「生計を立てる」という生活を通じて感じたもの。
それは、最初は未知の幻の道に入り、暗闇のトンネルで迷い、そして明るい草原へ抜け出るような感覚です。
「競馬で生計を立てられる」という人生が、幸せかというと、決してそうでもありません。
幸せな人生というのは、しっかり社会の人の輪のなかに入り、人のために役立ってこそ、あるものだと思います。
これは、競馬を通じて感じたことです。