33歳男性。フリーランス。
3年間、香港の翻訳会社に勤務していました。
20ヵ国以上の、異なる国籍の会社員と仕事をする。
現在は、香港と中国南部を中心に、マーケティングリサーチの仕事をしています。
同時に、中国語の同時通訳の仕事も受注。
現在、日本語を忘れかけているので、「日本文学を読む習慣をつけたい」と考えているところです。
見出し
外国人と交流して学んだこと1.相手の目を見て話す
家族の友人が海外で仕事をしていたため、私もそのつてで、香港の会社で働くことになりました。
当時、一番のカルチャーショックだったのが、外国人は相手の目をじっと見て、話しをすることです。
日本ならば、話している相手の目を見続けるのは、失礼にあたります。
とくに、自分の目上の人に対してそうするのは、相手を不快な気分にさせてしまうことも。
しかし、海外ではそうではありません。
じっと見続けることで、相手に敬意を払っているということを示します。
私も、最初のうちは恥ずかしくて、下を向いたり、目をそらしながら話をしていました。
すると、だんだん仕事以外の付き合いが、減っていったのです。
仕事中はいいのですが、仕事以外の時間は相手も目を見ずに、無表情で接してくるように。
あとになって、直接彼らに聞いて分かったことがあります。
それは、「外国人は、相手が自分に関心をはらっているという感覚をとても大事にする」ということです。
以降、私は少し恥ずかしいものの、目を見続けて、話しをするようにしました。
すると、「彼らは目だけでなく、顔の表情がとても豊かだ」ということに気づいたのです。
外国人同士では、言葉だけではコミュニケーションが取れないことも多く、顔の表情を見て、より多くの情報を交換します。
そうすることにより相手の感情を理解して、表面上だけではない、心からの言葉を発せるようになるのです。
「目によるコミュニケーションは、より深い関係を築く第一歩」と言っても、過言ではありません。
外国人と交流して学んだこと2.大きな声で話す
日本にいたとき、私はわりと静かな性格で、声も張りあげてしゃべるような性格ではありませんでした。
今でもそんなに大きくはないですが、なるべく大きな声で話すようにしています。
きっかけは、香港の会社に勤めだしてから、英語や中国語を自分で、必死に勉強していたときのことです。
日本人は勤勉ですから、単語を覚えたり、正確な文法で話すというのは、割と簡単にできます。
私も物覚えはいいほうで、会社のなかでの会議も、数か月するとぼんやり分かるように。
でも、一つ大きな問題がありました。
それは、私の発言が、ほかの外国人に理解されないということです。
会議のなかでの発言は、とくに時間をかけて準備していた私。
なので、使っていた単語や文法に大きな間違いはないはずですが、それが通じません。
私は、自分の言葉がなぜ理解されないのか、理由がわかりませんでした。
しかし、同僚の日本人からもらったアドバイスで、自分の言葉がなぜ理解されないのか、理由がわかったのです。
会議室のなかで、ほぼ聞こえる程度の声で話していた私。
しかし、外国人にとっては、自信がないような発言に聞こえていたのです。
つまり、実際のところ、外国人は私の話すことを聞き取れてはいます。
ですが、「聞く価値がないもの」だと思い込んで、内容には耳を傾けていなかったのです。
結果、会議のなかの私の発言は、ないものと一緒でした。
外国人と交流して学んだこと3.日本人を生かす
日本人のなかには、海外の生活や外国人の開放的な性格にあこがれて、日本を飛び出す人も多いのではないでしょうか。
たしかに、日本人は積極性や自分を表現する点で、改善する余地はあると思います。
しかし、基本的に外人はそれを求めていません。
私も会社や環境に慣れてくると、多少日本人離れした、リアクションや表現をするようになりました。
しかし、それが仕事にも影響して、少し雑に仕事をこなすようになった部分があったのです。
ここで登場したのが、カナダ人の上司でした。
仕事に関して、訂正する箇所を私に通知したあとに、一言こう言ったのです。
「君は日本人だろ。もっと、ちゃんとするんじゃないのか」と。
それを聞いて、私は反省しました。
日本にいたときであれば、するはずのないようなミスだったからです。
海外にいて、生活や文化に適応するのはとても大事なこと。
しかし、同時に自分の日本人としての勤勉さや真面目さを、続けて改善していくことはより重要なことなのです。
まわりの同僚は私を日本人として見て、日本人の本領を発揮することを望んでいます。
どれほど海外にいるとしても、日本人としての本質は変わりませんし、外人になることは不可能です。
「日本人としての誇りを持って、自分だけの良さを生かすことを海外では求められている」
これが、このできごとを通して学ぶことができたことですね。
外国人と交流して学んだこと4.自分の価値観に固執しない
多くの海外にいる日本人が口をそろえて言うのは、「自分の価値観が変わった」という一言。
私も日本での自分が思っていた一番大切なこと、一番正しい方法は海外にいくと、それは完全に覆されました。
とても簡単な例ですが、あるとき社員食堂で、みたらし団子がデザートとして出てきたことがあります。
私たち日本人はそれを見て大喜びし、醤油味の少し甘めのソースを堪能。
しかし、外国人はこの色のソースを、メープルシロップとしかイメージできません。
90パーセント以上の外国人にとって、しょっぱさと甘さが一緒になったこのソースは、はじめて出合い。
なので、それを食べることができなかったのです。
一部の人は、「もう二度と口にしない」とも言いました。
このように、自分がいいと思っているものを相手が最悪だと思うことは、食事だけではなく、仕事でも多々あります。
そこで自分の考えや方法を押し通すこともできますが、多くの場合、あまりいい結果になりません。
理由は簡単。
人の好みは、それぞれまったく違うからです。
お客様のニーズや好みには、私が日本にいたときも、考えられないようなものが多々ありました。
日本にいたときもそれは分かっていたつもりですが、世界に出ると、それをもっとわかる必要があるのです。
自分の価値観にこだわり続ける頑固さは、自分の世界を広げていくうえで、邪魔にしかなりません。
まとめ
これからの世代は、違う国との交流や取引を行う機会が、どんどん増えて行きます。
ぜひ、外国人との交流を怖がらずに、どんどんその機会をとらえていってください。
彼らも、私たち日本人から「学びたい」と思っていることが多いですよ。