21歳女性。
都内の某大学に通う学生。
「顔が悪い」、「コミュ力が低い」、「性格が暗い」の三拍子が揃った典型的な喪女。
夢はイラストレーターだったが、そんなことを考えていたのも、はるか昔こと。
現在は、人と一切関わらずに、お金を稼ぐ方法を必死に探している。
見出し
ブスは嫌われると実感したこと1.顔で敬遠されてしまう
「人間は外見じゃない、中身だよ!」と、力説する人をときどき見かけます。
ですが、そういう人たちはたぶん、本当に外見で困ったことがないんだと思うのです。
甘い考えだと言わざるを得ません。
本当に中身を見てくれる世のなかだったら、ありとあらゆるブスが救われているはずなんですよね。
私は目が小さく重たい一重で、エラがひどく張っており、潰れたような豚鼻とガタガタの歯並びを兼ね備えた、典型的なブス。
小さいころから友だちがいなかったので、孤独に慣れてしまい、その状況に甘んじていました。
しかし、高校受験が終わったころに「いい加減自分を変えなきゃ、なにもはじまらない!」と奮起。
寒空のなかでジョギングをつづけ、メイクを一生懸命覚えたりして、はりきって高校の入学式に臨んだのです。
クラスには、美人な子、かわいい子、普通の子、そして私のようなブスな子……。たくさんの子がいました。
とにかく友だちをつくりたかった私は、オリエンテーションのあと、勇気をふりしぼって、隣の席の子に話しかけた私。
「あの……○○っていいます。隣だね、よろしくね……」
ボソボソ話しかけた私を見て、その子は一瞬顔をゆがませましたが、すぐに「よろしくね」と返してくれました。
私はホッとして、とくに会話を続けることもなく、帰りの準備をはじめます。
そのとき、ざわざわとうるさい教室のなかで、私の地獄耳に入ってしまった言葉……。
「隣の子、顔すごくない?」「ね」
さっき私が話しかけた隣の席の子と、その友だちの話し声でした。
教室のなかがうるさいから、聞こえないと思っていたのでしょう。
もちろん、私は目を合わせず、聞こえないフリをして、教室を出て行きました。
クスクスと笑いながら、喋っている二人の声を、私はいまだに忘れられません。
それがトラウマになってしまった私。
その結果、ジョギングもメイクもやめて、結局私は次の日から、虫のようにこっそりと高校生活を送っていくことになりました。
ちなみに隣の席の子は、中学のころから「ブスと陰キャ(地味で目立たないキャラの人)は嫌い」と公言している女の子だったそうです。
「当たって砕けろ」精神が、見事にはね返されましたね。
ブスは嫌われると実感したこと2.自ずと卑屈になっていく
テレビでブスいじりされている女芸人さんたちを見ても、「かわいいなあ」と思います。
だって、女芸人さんたちは一応テレビに出ているし、友だちはいるし、恋愛経験もある方が多いですよね。
そして、明るい方が多いように感じられます。
私の場合、友だちという友だちはいないし、恋愛もしたことがありません。
家のなかで、テレビやパソコンのモニターとにらめっこする毎日です。
顔を変えて、大きな世界に飛び出てみたいけれど、整形をするお金もありません。
なにせ、以前働いていたバイト先でも、店長から「顔が悪い」とはっきり言われてしまうほどですから。
こんな状況で「卑屈になるな」というほうが、無理な話です。
以前、唯一仲よくしてくれていた男性と、話していたときのこと。
女性のメイクについての話になり、彼が「○○もメイクしてみれば?」と私に言ってきました。
私はすかさず、こう伝えたのです。
「いや、私みたいなのがメイクしても気持ち悪くなるのがオチだし、かわいい女の子だけがすればいいよ」
すると、彼は微妙な顔をしながら、「あ……もしかしてスッピンに自信あるの? だったらごめん」と謝ってきたのです。
「とんでもない誤解をされてしまった」と思い、私は即否定。
しかし、彼は私の卑屈ぶりに辟易した様子で……。
「もういいよ、めんどくさい……」と、呆れ気味につぶやきました。
それ以来、彼とは疎遠になってしまい、現在に至るまで一度も会っていません。
「あんなとき、かわいい子なら、なに言っても許されるんだろうなぁ」などと考えながら、私はどんどん卑屈になっていきました。
ブスは嫌われると実感したこと3.その場にいるだけで、雰囲気が悪くなる
表情も性格も年齢を重ねるたびに暗くなっていき、鏡を見ると自分でも息を飲んでしまうほどの、みにくさです。
思わず、「ひっ」と声が出るくらい。
落ち込んでいるブスの表情というのはもう最悪で、この世で一番面白くないものかもしれません。
身内に不幸があり、親戚が一同に集まったときのこと。
ただでさえ暗い雰囲気だったので、従姉が「一生懸命明るくしよう」と奮闘していました。
私も協力したかったので、積極的に親戚の方々に話しかけたところ、彼らの表情は更に暗くなるばかり。
しまいには、母親に「もうやめて、あんたなんかに話しかけられても、みんな損しかしないでしょ」と言われてしまいました。
さすがに泣きそうになりましたが、涙をグッとこらえた私。
従姉と楽しそうに喋る人たちを、見つめるほかありませんでした。
「喋りかけるだけで、人に不快感を与えてしまう」、そんな悲しい現実に直面したのです。
まとめ
ブスがなぜ嫌われるか。
それはブスだからです。
ブスであるがゆえに、嫌われてしまう運命のもとで生きている私としては、こう思っています。
「生まれ変わったら人間ではなく、容姿の関係ない動物に生まれたいな」と。
みなさんの周りにも、ブスな人がいるかもしれません。
もし出会ったら、「ああ、きっとこの子は卑屈になっちゃっているだろうな」と、少し暖かい目で見守ってあげてください。