イケメン好きの私がキモメン男を好きになり恋をしたエピソード5編

思いふける女性

37歳女性。

現在は所有している薬剤師資格を活用し、ドラッグストアでの調剤担当として勤務。

 

22歳のときに当時の同級生と結婚し、翌年には子どもを出産しながらも、元主人との間の生活の不一致などから、26歳のときにはじめての離婚を経験。

以後、仕事と家庭を両立しながら、男の子を育てるシングルマザーとして活動中。

 

 

キモメン男を好きになったエピソード1.高校時代に大好きになった、きもい男性

笑顔の高校生

 

自分では、自他ともに認めるイケメン好きだと自負していた私。

ですが、人間の好みや考え方って、ときどき変わった方向に進むことがありますよね。

 

私自身、高校時代に半年という短い期間ではあったんですが、交際した男性がいました。

いわゆる、「キモメン」と呼ばれるようなタイプの男性だったんです。

 

彼は、別の高校に通っている同い年の高校生。

いつも通学で利用していた学校の最寄り駅が同じだったこともあり、以前から見知った関係ではあったんです。

 

ただ、そのときの私は、もちろんイケメン大好きな女の子。

当然ですが、彼のことは一切眼中にありませんでした。

 

ただ、あとで聞いた話だと、すでに彼は私のことを密かに気になってくれていたようで……。

言われてみると、学校帰りの駅のホームで偶然会うことが多かったですね。

 

また、乗る電車は逆方向だったんですが、対面するホーム先で、視界に入る場所にいつもいた彼。

彼的には、結構努力していたみたいです。

 

キモメン男を好きになったエピソード2.彼の意外な一面に思わず胸キュン

コンビニ

 

なぜ、イケメンじゃないとダメな私が、お世辞にも恰好いいとはいえない、顔がきもいその同級生のことを好きになったのか?

その大きな理由が、彼の一途な優しさだったんです。

 

彼には、当時小学生になる妹さんがいました。

あるとき、私がバイトしていたコンビニに、彼が妹と一緒に買い物にきたことがあったんです。

 

彼自身は、私が接客するまで、店員として働いていることを知らなかった様子。

店内で妹さんと一緒にお買い物している姿を、私が一方的に眺めていましたね。

見ていると、終始、妹さんのことを本当に大事にしているのがわかる、行動や言葉がたくさんありました。

 

たとえば、妹さんが欲しいお菓子をお兄ちゃんにおねだりしています。

しかし、彼のほうもどうやら、手持ちのお金が自分のお小遣いだけしかなかったようで……。

妹さんの欲しい分も、自分の欲しい分も全部買おうとすると、さすがにお金が足りなかった様子。

 

そこで、妹さんがおねだりしているお菓子を、かごのなかに入れはじめた彼。

逆に、すでにかごのなかに入っていた自分の欲しかった商品を、棚に戻しはじめたのです。

その姿を見たとき、恥ずかしながら、私のなかで思わず、胸キュンしてしまいました。

 

なんというか、昔からそうなんですが、人の意外な一面や優しい部分を見てしまうと、途端に好きになってしまう私。

いわゆる、惚れっぽい女だったんです。

 

その後、妹さんと手をつなぎ、ニコニコしながらかごをレジに持ってきた彼。

そこではじめて、レジの店員が私だったことに気づいたようです。

少々ばつが悪かったのか、はにかんだような笑顔を見せていました。

 

決してかっこよくなくて、見る人が見れば、思わず「きもい」って言っちゃうこと確実な笑顔。

ですが、そのときの私には、不思議と魅力的な表情に見えたことを、今でも覚えています。

 

キモメン男を好きになったエピソード3.彼からの突然の告白

高校生

 

その後、そのコンビニでのつながりがきっかけだったのか、学校帰りの駅前で、彼から声をかけられたんです。

それも、ただ単に声をかけるんじゃなくて、いきなりの告白だったのが、まじめな彼らしいというか。

 

そのとき、私は友だちと一緒だったんですが、友だちは彼の顔を見た途端、いかにも気持ち悪そうな顔をしています。

すると、突然彼が私に対して「好きです!」と告白してきたのです。

それを聞いた途端、無意識に私からツツツっと離れていっちゃったくらい、彼の行動は本当に唐突だったんですよね。

 

ただ、私自身はすでにバイト先でのできごとがあったので、不思議と彼の顔を見ても、「きもい」とはとくに感じなかったんです。

きっと、これも愛情がなせる技だったのかもしれません。

 

むしろ、「人は決して、外見だけじゃ判断できないんだな」というのをまざまざと実感。

そのときはじめて気づいたんですが、どうやら私は彼に惹かれていたようです。

 

普段の自分から絶対に応えないだろうに、私は彼の告白に対して、OKの意思表示を伝えました。

それを見た瞬間の彼の満面の笑みは、あのときのコンビニで見た優しい表情そのものでしたね。

 

 

キモメン男を好きになったエピソード4.高校生らしいプラトニックな恋愛

映画館

 

今でこそ、高校生同士のお付き合いでも、大人顔負けなつきあい方をする子どもたちが少なくありません。

しかし、当時の私にとってみれば、高校生同士の恋愛なんて、いわゆるプラトニックな純愛が基本形なんですよね。

ですから、普通なら「きもい」と思えるようなその彼ともそうでした。

 

普通に手をつないで一緒に映画を見に行ったり、少ないお小遣いのなかから、ファミレスやファストフード店で一緒にご飯を食べたり。

できるだけ、お金がかからないように気を遣いながら、夜景を見に行ったりなどなど……。

いかにも高校生らしい恋愛を通じて、おたがいの関係を高めていきました。

 

結局、別れたあとに振り返ってみると、彼とは身体の関係はおろか、キスさえもしないまま、お別れしてしまった私。

そう考えると、本当に真面目で誠実な男性だったんです。

 

そこがまた、顔の善し悪しじゃなく、私が純粋に好きになった彼の魅力でしたね。

ところが、そんな彼との恋愛関係も、最終的には別れという結果に至りました。

 

キモメン男を好きになったエピソード5.いつしか、逢えないまま別れた二人

思いふける女性

 

彼との恋愛は、いわゆる自然消滅という形で、終わりを迎えました。

ちょうど、時期的に受験を考えなくてはいけない時期だったこと。

また、私自身も勉強と学校、アルバイトの両立で本当に忙しく、彼ともなかなか逢えなかったのも理由の1つでした。

 

それに、彼自身も、いわゆる進学校に通っていた、頭のいい男性だったことも原因です。

決して裕福な家庭で育ったわけではなかったこともあり、将来を考えて、国公立系の医学部に進学を目指していた彼。

そのための勉強で忙しかったんです。

 

結果、付き合いだしたころには、ほぼ毎日会っていた彼との関係が徐々に変化。

1週間に1回となり、半月に1回となり、最後には1ヶ月に1回会えるかどうかにまで、至った段階になったときのこと。

どちらがというわけでもなく、自然と連絡を取り合わなくなりました。

 

別れるのなら、ちゃんと言葉を伝えて別れたかったんですが、当時、本当に忙しかった私。

結果的には、なにも伝えずに純愛は終わってしまいました。

 

今でも、当時の彼と一緒に撮った写真は、大事にしまってあります。

何度か友だちに見せた機会があったんですが、それを見た大半の人は、私に対して不思議そうな表情を見せるんです。

でも、どんなに不思議そうに思われても、当時や今の私にとっては大切な思い出なんですよね。

 

まとめ

「顔がきもいから恋愛対象にはならない」、それもまた恋愛観の1つ。

けれど、顔がきもいからといって、心まできもいというわけではありません。

むしろ、見た目を気にしなければ、本当に素敵な恋に出会えることだってあるんです。

 

実体験でそれを確信した私も含め、見た目の善し悪しに関係なく、相手の本当の良さを見つめることが大切ではないでしょうか。