私が田舎を大嫌いになったエピソード3つ

田舎町

33歳、女性。

結婚後は専業主婦。

 

九州のど田舎で育ち、子どものころは田んぼで、泥まみれになりながら遊んでいた。

虫取りも当たり前に楽しんでいたのに、今はなぜだか、虫嫌い。

 

趣味は読書。

昔は大きな図書館のある街が羨ましかった。

 

 

田舎が大嫌いになったエピソード1.どこへ出かけるのも、両親に筒抜け

苦痛に感じる女性

 

私が生まれ育った土地は、九州のど田舎です。

「自分の実家の近くに住みたい」と、父がもとは畑だった土地を祖父からもらい受けて家を建築。

 

そのため、街からは山をひとつふたつ越えた場所で生活していました。

中学生からは自転車で通うことが許されたものの、小学校のときは公共バスを使って、通学していたくらいの田舎なんです。

 

幼いころは、周りに山と田畑しかないような環境に、疑問を持ったことはありませんでした。

だけど、市内の高校に通うようになり、街中に住んでいる同級生の話を聞くにつれ、どんどん田舎にある自分の家が嫌になっていったんです。

 

そもそも、実家の周りにはお店というものがほぼありません。

唯一の商店は、近所のおばあちゃんがやっている駄菓子屋だけ。

飲み物の自動販売機すら、私が高校生になったころに、はじめて設置されました。

 

コンビニは、車で10分の距離にあります。

頑張れば、自転車で行けなくもない距離ですが、なにしろ山道なので、行きは20分でも、帰りは40分かかるような状態です。

「ちょっと小腹がすいたな」というときでも、家のなかで食べ物を探すしかありませんでした。

 

そんな環境なので、休日に外出しようと思うと、両親に車を出してもらわなければなりません。

自転車で出かければ、街に着くころには汗だくになってしまいますし、バスは一日に4本しか走っていないんです。

 

「○○ちゃんと遊ぶから、○○へ連れて行って」と、行先と目的を親に伝えるしかありませんでした。

これで困ったのが、デートに出かけるときです。

 

私は、恋愛ごとを親には話したくないタイプ。

しかし、だからといって、嘘をついて出かけることができるほど、器用ではありません。

 

結局、デートへ行くのだということが親にばれてしまった私。

どんな人と付き合っているのか、どこでデートをするのかと、根掘り葉掘り追求されてしまいました。

 

初デートのときからこれで、その後は出かけるたびに、親に恋愛関係の話をいろいろ話さなければならない状態に。

それが原因で、私は田舎が大嫌いになったんです。

 

田舎が大嫌いになったエピソード2.知らない人が私のことを知っている

疑問に思う女子中学生

 

もうひとつ、私が田舎に嫌な気持ちを持つようになったきっかけがあります。

それは、私が中学生になったある日のことです。

 

集落内には一軒だけ、私と同級生の女の子が住んでいる家がありました。

幼いころからその子とはたびたび遊んでいて、その日も歩いて、彼女の家へ向かっていた私。

二人で食べようと、手にはポテトチップスの袋を持っていたんです。

 

しかしその途中で、急に手ぬぐいを頭にかぶったおばあちゃんに、話しかけられました。

なかなか高齢な方で腰が曲がっていましたが、手には農作業の道具を持っています。

私は見覚えのない人でしたが、おばあちゃんの声は、やけに親しげでした。

 

「○○さんとこの孫やろうが、どこん行くとね?(○○さんの孫でしょう、どこに行くの?)」

そう尋ねられ、私は友だちの名前を出しました。

 

すると「ああ、○○さんがえんとこね(ああ、○○さんのところね)」と、訳知り顔でうなづかれたんです。

 

おそらくそれは、私の祖母の知り合いだったのでしょう。

近所の人なのでしょうが、私にとってはまったくの他人です。

「どうして、私の顔を知っているんだ」と、嫌な気持ちがしました。

 

おまけに、それから数日後、母からも父からも兄からも、注意されるようになりました。

「お菓子をもって遊びに行くのはいいけど、ちゃんと袋に入れて持って行け」と。

私がポテトチップスの袋をそのまま手で持っていたことが、集落中に広まってしまったようです。

 

「どうして、そんなどうでもいいことをみんなに話さなければいけないんだ」

私は、恥ずかしさと憤りを感じ、「田舎の人間関係なんて、大嫌い」と強く感じました。

 

 

田舎が大嫌いになったエピソード3.カエルの声がうるさくて眠れない

ウシガエル

 

私は、大学入学を機に実家を出て、しばらく一人暮らしをしていました。

下宿先は地方都市でしたが、県庁所在地の中心地にあり、地元と比べると、かなりにぎやかなところだったんです。

だからなのか、事情があって実家へ戻ってきたときに、困った事態が起きてしまいました。

 

それはなにかというと、とにかく夜に眠れないということです。

それも、夜中に鳴くカエルの声が気になって、寝られなくなってしまいました。

 

幼いころは、当たり前に聞いていたはずの音。

しかし、どちらかというと、車の音のほうに慣れてしまった私の耳には、違和感しかなかったんです。

 

当時は地元で就活をしていて、集中して勉強したり、試験や面接を受けたいときもありました。

でも、そんなときでも容赦なくカエルはゲコゲコ。

 

不眠症のようになってしまい、「これだから田舎は!」と、改めて田舎が嫌いになりました。

 

まとめ

緑が多く、お店がないため、星が綺麗にみえるというのは田舎のいいところです。

だけど、とにかく不便なことや、人間関係の密さには辟易することが多く、結婚して引越した今は、絶対に実家へ戻りたくはありません。