44歳 女性 親の会社手伝いをしていたのですが、事件に巻き込まれた時の後遺症でで体が不自由になり、退社後にパニック障害から鬱を患ってしまいました。
現在は心身ともに療養しながら、一見はアニメとゲームが好きな普通の専業主婦です。
見出し
寝たきりになって大変だったこと1.貯金が無くなる
集中力の低下や倦怠感、無表情などで、職場の人に優しく声をかけてもらっていただけなのに、体調不良で休みがちだったせいか、被害妄想に襲われてしまいました。
休んでばかりで仕事ができない、邪魔者と思われているのではないかと思うと、人と接するのが怖くなり職場に行けなくなってしまいました。
一度そうなってしまうと、もう元には戻ることができませんでした。
「しばらくお休みということでいいよ」と言ってくれたのに、申し訳なさと、うしろめたさ。
なによりも悪印象を持たれていると思い込み私は仕事を辞めてしまいました。
次の仕事のあてもなく、なんの希望も楽しいと感じることもなく、ただ生きることが終われば楽なのに、と日々の生活ももうどうでもいい、どうにでもなってしまえと思っていました。
しかし生活をしていれば家賃や光熱費、食費、病院代やガソリン代とお金は消えていきます。
多少の貯金なんてすぐに消えていってしまいますし、行政を頼るということすら考えることもできず。
カーテンをしめきった、テレビのついていない暗い部屋で、外に出るのはコンビニで一日に一度だけ、あとは薬をもらいに月に一度病院に行くだけという毎日を送っていました。
一年もしないうちに250万あった貯金は底をつき、やっとなにかしなければならないな、と考えました。
でも、仕事に出ることもできず、布団の中でゴロゴロしながら携帯でチャットレディを始めました。
とはいってもそんなに稼げるものでもなく、食事は2日に一度のコンビニ弁当で、電気は携帯の充電のみ、水道もなるべく使わないといった生活でぎりぎりでした。
ときにはベランダにはえている草を食べていたこともあります。
今思えばひどい生活なのですが、うつは本当になにもできなくなります。
貯金はよっぽど貯めていないと、すぐになくなってしまいます。
寝たきりになって大変だったこと2.筋肉がなくなる
毎日を布団の中ですごしていると、筋肉はすぐになくなってしまいます。
もともと、パニック障害からのうつなので、ちょっと動いて心拍数が上がることすら恐怖でした。
筋肉がなくなりきって、立ち上がることすらスッとできなくなってきて、座っていることすらきつくなってきました。
このころ、あとに結婚する今の主人が気にかけてくれるようになり、連絡をくれるものの、それすらおっくうになっていました。
電話もメールも、チャットの仕事以外はほぼ無視をしていました。
本当は誰とも話したくないしなにも考えたくないんです。
それでも根気よく世話をやこうとしてくれた主人が、ちゃんと食べなければいけないといって弁当を買ってきてくれました。
「日光に当たって、風にあたりなさい」とカーテンを開けて窓を開け、一年半ぶりに私は時間をかけて外に出ることができました。
ですが、なくなった筋肉は簡単には戻るものではなく、最初は玄関の外まで、慣れてきたら1分だけ歩く、次は5分歩く、というふうにゆっくりと筋肉をつけていきました。
以前は歩いて15分の所にある、海によく行っていたのですが、そこまで歩いて行けるようになるまで2ヶ月もかかってしまいました。
もうくることはできないんじゃないかと思っていただけに、海をまた見ることができたとき、私はなんとも言えない気持ちになって泣いてしまいました。
寝たきりになって大変だったこと3.病院に行かなくなった
家の中に引きこもってから、筋肉がなくなって動くことも苦痛になってくると、どうせもう治ることなんて、一生こないんだと思うようになりました。
治っている自分がまったく想像がつかないんです。
薬なんて飲んでも倦怠感はひどくなるし、集中力も飲むとさらになくなってしまうし。
記憶力の低下や自傷、希死念慮など、どう考えても明るい未来なんてないじゃないか!としか考えられなくなってしまいました。
そして、私は病院に行くことをやめてしまいました。
薬がなくなって飲まなくなると離脱症状など、急にやめてしまったときの症状におそわれました。
それはうつの症状悪化に拍車をかけ、布団の中からほとんど動かなくなってしまう結果になってしまいました。
そうなっても私はもう、病院にもう一度行く気力も筋力もなく、どんどんマイナス思考になっていきました。
実際に、なんどかは命をたとうとしたことがあるんです。
ですが、筋力の無さのせいでことごとく失敗に終わってしまいました。
今では生きていてよかったと思えるのですが、当時の私にとって死ねないことは意味のない、地獄の毎日が続くだけでしかありませんでした。
あとで多少は歩けるようになってからも、病院までは距離があったため、なかなかもう一度診察に行けるようになるまでは時間がかかりました。
寝たきりになって大変だったこと4.情緒不安定になる
カーテンをしめきり、テレビも電気もつけず、まともに食べることもせず、寝たきりになり、筋力が落ちて、一日中寝ながら声も出さず携帯だけを見ていました。
チャットの文字は元気に笑う明るい私なのですが、現実の私の表情はピクリとも動かない完全な無表情でした。
心がないような、なにも感じないのですが、ときどきなんとも言いがたい不安と寂しさ、恐怖感におそわれるんです。
なにもかも分からず、なにかに心が押しつぶされてしまうような、言いあらわす言葉も思いつかないのですが、そのときだけは感情が戻ってくるんです。
とにかく泣きわめいたり、布団にかみ付いてうなってみたり、なぜか無性に腹が立って物を投げたり殴ったりしてしまうんです。
落ち着いてくると、なにをしているんだろうと、自分で自分を遠くから見ているような、たにんごとのような感じであわれだなと思うんです。
それは毎日ではないものの、月になんどかありました。
私は狂っているんだろうかとも思いましたし、たぶん半分は狂っていたのだと思います。
狂っているんだなと思うと、今度は乾いたような笑いが出てきました。
顔はまったく笑っていなくて、声だけ小さく出して無表情で笑っていました。
それをなんどか見たことがある主人は、「この子はもうダメなのかもしれないと思ったことがある、あれは正直言うと怖かった」とうつが落ち着いたときに話してくれました。
寝たきりになって大変だったこと5.完全には治っていない
現在、私はまだうつが治っていません。
だいぶ回復したものの、ときどきぶりかえしてしまいます。
そんなときは、やはり動けなくなり数日ほど寝たきりになってしまいます。
ひどいときの私を知っている主人がとても協力をしてくれて、なにも言わなくても表情で分かるそうで、ソッとしておいてくれるので本当に感謝していますし助かっています。
甘えすぎてはいけないと思い無理をしてしまうと、症状がもっとひどくなって長引いてしまうことが分かっています。
ので、私も申し訳ないと思いながらも「ごめんなさい、ありがとう」と甘えるようにしています。
うつは、人によって意見が分かれるのですが、完治するという医師もいれば、完治はしないという医師もいます。
ですので今は、うつとじょうずに付き合っていくように心がけています。
まとめ
私はうつの症状が出てからもなかなか病院に行きませんでした。
医師が言うには、うつになった場合に早期に治療をはじめなければ、重症化しやすくなり、完治が難しくなるのだそうです。
少しでも、あれ?と思うことがあったら、違っていたとしてもみてもらってください。
違っていたらホッとできるだけなのですから。
重症化してしまうと本当に辛いのです。