32歳男性。
現在は、フリーランスとして働く。
友だちの多さは、自他ともに認めるところだが、ここ数年は、会う機会が減ってしまった。
物怖じしない性格の影響か、真面目~不良まで、多くの交友関係をもつ。
趣味は、人間観察と自己啓発です。
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高校生で不良になった友だちのエピソード1.小中学生のころは、素直でいい子だった
私の地元は城下町で、昔ながらに、近隣住民の人間関係が非常に濃い地域でした。
そんな地域だからなのか、同じ学校の生徒は1~6年生まで、距離間が近いです。
同学年よりも、上級生(4~5歳上)のほうが、多く住んでいる私の家の近所。
なので、普段からそんなお兄さん、お姉さんと、一緒に遊んでいました。
そのうちの一人、「ユウイチ君(仮)」はとくに仲がよく、毎日、よく面倒を見てもらっていた私。
ユウイチ君は、私よりも2つ上の学年で、学校内で、名前が売れている存在でした。
女性(女子)からも人気があって、モテていましたね。
そんなユウイチ君と親しくいられる自分が、なんとなく誇らしく感じていました。
私は4年生になって、スポーツ少年団に入会するときには、ユウイチ君のいるサッカークラブに入会。
それまで知らなかったのですが、ユウイチ君はサッカークラブのなかでも、注目される選手だったようで……。
地区や県などの選抜選手にも、選ばれるほどでした。
中学生になっても、そういった状況はなにも変わらず、むしろどんどん有名人になっていくような、印象さえ受けたのです。
しかし、ユウイチ君とは、彼が中学を卒業してから、私が卒業するまでの間、疎遠に。
そんなユウイチ君と再会したのは、私が高校生になってから、少し経ったころでした。
高校生で不良になった友だちのエピソード2.タバコをくわえたユウイチ君
高校生になって電車通学になった私は、ほぼ毎日決まった時間の電車で、通学していました。
最初のころは、時間に少しだけ余裕を持たせて、電車に乗っていたので、電車のなかは、常に満員状態です。
時間的にはとくに問題もなかったのですが、満員電車の大変さが我慢ならなかった私。
少しでも快適な環境で電車に乗るために、始発電車で通学するようになりました。
そのまま2~3か月が過ぎ、私は寝坊してしまい、ギリギリ間に合う電車に乗ることに。
焦りながら、乗車駅に向かう途中、駅のホームにユウイチ君がいるのを見つけました。
私は、「ユウイチ君だ。久しぶりだな、元気にしているかな?」などと思って、嬉しくなったのです。
しかし、ユウイチ君が右手に持っていたものは、タバコでした。
「タバコくらい」と思う人もいるかもしれませんが、このときの私は、大きな衝撃を受けたのです。
「まさか、あのユウイチ君が……」
学校でも地域でも、常に人気者で、みんなに好かれていたユウイチ君。
そのうえ、面倒見がよく、優しかった彼が、タバコを吸っているというのは衝撃でした。
当時、あれほどの衝撃を受けたことは、他になかったですね。
駅のホームに着いた私は、なんとなくユウイチ君に声をかけることができずに、離れた場所で電車を待ちました。
高校生で不良になった友だちのエピソード3.通っていた高校に不良襲撃! なんとそこにはユウイチ君がいた
それ以降、私はもと通りの時間で、電車に乗るようになっていたので、ユウイチ君を見かけることも、なくなってしまいました。
そのまま半年ほどが過ぎ、年が明けるかという時期になったときのこと。
私の高校に、他校の不良が乗り込んできました。
いわゆる「番長」と決闘をするらしく、乗り込んできたようだったのですが……。
私にはとくに関係もなかったので、「よくやるなー」という具合で見ていました。
ところが、乗り込んできたメンバーをよく見てみると、なんとそこには、あのユウイチ君がいたのです。
「悪く(不良風)なってしまった」ということは、すでに予測できていた私。
ですが、まさか不良グループに属して、他校に乗り込むほどだとは、思ってもみませんでした。
驚いた私は、思わずユウイチ君のもとに駆け寄り、「なにしてんだ!?」と、言ったのです。
高校生で不良になった友だちのエピソード4.タバコ、酒、喧嘩、薬……はやってないよね?
次の日、私はユウイチ君を見かけた時間に、駅にいました。
そして、あらわれたユウイチ君に対して、昨日のことを説明するように求めたのです。
最初は嫌がった雰囲気を出していましたが、私がしつこく聞くと、状況を話してくれました。
彼は、高校生になってからも、よく目立つ存在だったようで、上級生から因縁を付けられることも多かったようです。
要するに、「降りかかる火の粉を振り払う」という、選択をしてきたに過ぎないようですが……。
徐々に、同学年の不良グループとの親交が深まっていき、「今では、番長グループの幹部にまでなった」と言います。
また、「タバコを吸い、酒を飲むのは当然。喧嘩もよくする」とも言っていました。
挙句の果てには、「その環境が、非常に心地がいい」とも言ったのです。
はっきりとは言いませんでしたが、暴走族のチームにも入っているようなことを言っていました。
要するに、あのころのユウイチ君は、もういないということ。
「彼も、もう昔とは違うのだ」
そう思ってしまい、とても残念な気持ちになってしまった私です。
まとめ
不良になってしまったことが、「悪い」とは思いません。
なぜなら、「人生のなかでさまざまなことを経験することは、無駄ではない」と思っているからです。
しかし、近しい存在だと思っていた人が、変貌を遂げた事実に、私は衝撃を隠しきれませんでした。
その後、私が20歳を超えてから、入ってくる彼の情報は、「やくざになった」「刑務所にいる」という話ばかりです。