33歳女性。
若いころは母と衝突することも多かったが、今では結婚して主婦となり、母とは数少ない電話友だちになる。
今は母のように料理上手、裁縫上手、倹約上手な妻になりたくて奮闘中。
目下の目標は、冷蔵庫のなかの食材を腐らせずに、上手に美味しく使いきること。
見出し
お母さんをかわいいと感じたエピソード1.口紅だけのメイク
母親の唯一のメイクが口紅です。
ほかのメイクはほとんどしないのに、口紅だけは必ず塗っていきます。
口紅の色は、そのときどきによって、使い分けている母。
肌馴染みのいいオレンジ系ピンクだったり、パッと目立つ赤だったり……。
母の気分と出かけていく場所のTPOに合わせて、常に何本か持ち合わせているようです。
しかも、意外なのは、いつもは倹約家の母が、口紅に関してはこだわっていること。
1本4,5千円はする、一流メーカーの物を使っているのです。
母が口紅だけは必ず塗る理由は、意外なもので……。
父が言うには、結婚前のデート中に、いつもは化粧をしない母が珍しく口紅を塗ってきたので、こう言ったそうです。
「今日は口紅塗って、かわいいね」と。
それからというもの、母は毎日欠かさずに、口紅を塗るようになったとか。
大好きな父に「かわいい」と褒められたから、毎日、口紅を欠かさずに塗るようになった母。
そんな、「父のために、かわいい女性でありたい」という女性らしさを知ったときに、母親のことを女性として、「かわいい」と思いました。
お母さんをかわいいと感じたエピソード2.猫と話をするところ
よく、飼い猫と会話をしている母。
テレビを見ながら、料理をしながら、猫とばかり話しています。
「父がいるから父と話せばいいのに……」と思い、私は母にこう言いました。
「父より、猫と話している時間のほうが多いね」と。
すると母は、「だって返事をするから、面倒くさいんだもの」と言ったのです。
ようするに、ほかの人にいろいろ言われたくなかったり、話すのが面倒だったりすると、母は猫に話しかけているということ。
たしかに、父は母が「あの人(俳優さん)カッコいいね!」と同意を求めても、「そうでもないぞ」と言います。
このように、なかなか同意しないで、反発ばかりしたりするのです。
そんな父に話すより、「返事がない猫に話しかけたほうがマシ」と、母は言います。
だから、父がいないときには、猫に父にはいえない愚痴を言ったりするそうです。
秘密も漏らさないし、変に自分の意見を言わない猫に話すと、スッキリするのだとか。
「うちの母って、人の文句を言わない、できた人だな」と思っていた私。
しかし、「きちんと吐き出す相手がいたんだな」と、妙に納得してしまいました。
「きっと、私と衝突したときも、私には直接言い返さずに、猫に愚痴ってるんだろうな」と思うと、母がかわいく思えたのです。
お母さんをかわいいと感じたエピソード3.物を大切に使う(捨てられない)性格
母は、物を壊れるまで使います。
なかなか捨てません。
そのため、私が学生のころのジャージなどを平気で、部屋着として着たりしています。
そのぐらいの人なら、結構いるとは思いますが、うちの母はさらにスゴイのです。
「もう着れなくなったな」と思った洋服を割いて、細い紐状にしてそれを編み、色とりどりの足拭きマットをつくったりします。
きれいな布地だと、コースターや鍋敷きになって、食卓に登場することもしばしばです。
若いときは、そんな母親がケチ臭くて恥ずかしかった私。
しかし、今ではこう思い、感謝しています。
「そうやって物を大事に使って、倹約して貯めたお金で、私にいろいろなものを買って、与えてくれていたんだな」と。
大人になり、結婚した私に今になっても、「体にいいから」と地元の野菜や果物を送ってきてくれる母。
実家に帰ると、いつも私のおさがりを着て、ニコニコ料理している母親を目にします。
「こういう人だから、幸せな笑顔が似合うんだな……」、「本当にかわいい人だな」とつくづく思いますね。
お母さんをかわいいと感じたエピソード4.決してテレビ録画を覚えないところ
うちの母はテレビ録画をまったく覚えません。
別にスマホもパソコンも普通に使えているので、そこまで機械オンチというわけでもないと思います。
以前から気になっていたので、「今度実家に帰ったときに、詳しく教えようか?」と尋ねてもいつも断られてしまうのです。
そしていつも一言、「録画は覚えなくていいの。お父さんの仕事だもん」と言われます。
この話を私の夫に話してみると、「多分お母さんはお父さんに録画を頼むことで、お父さんに甘えているんじゃないかな……」と言われました。
「お父さんと話すいいきっかけになるし、お父さんになにかを頼めて、うれしいんじゃないかな」とも言います。
夫の意見に、思わず納得してしまいました。
そういえば、口では「面倒臭い」と言いながら、案外頼られてまんざらでもない顔をする父。
「そんな感じで、いつも、父がテレビを録画してたっけな」と、思い出しました。
夫婦のコミュニケーションツールが、「テレビ録画」だったとは思いもしなかった私。
「しっかり母に録画方法を教えるなんて、娘とはいえ、余計なお世話だったな」と思いました。
母もそうとは言いませんが、様子を見ていると、夫の言っていることは結構当たってると思います。
「母もいくつになっても、いつまでも父に甘えたいんだな」と思いましたね。
また、「やっぱり女って、いくつになっても大好きな男の人に甘えたいんだな」と母を見て思いました。
「そういう女性らしいところが見え隠れする母は、本当にかわいい人だな」と、改めて思った私です。
まとめ
年をとった母親を見ていて、「かわいいな」と思うときって、いつまでも女性らしいところだったり、いつまでも父を大好きだから、してしまっている行動が多かったです。
私も母のように年をとっても、周りの人に「かわいい」と思ってもらえるような、女性になりたいと思っています。