30代の兼業主婦で、デザイン関係の仕事やウェブライターをしています。
これまでいろいろな人に会ってきましたが、幼なじみだった女性が、容姿も性格も一番強烈でした。
友人や母が、新興宗教やうさんくさい自己啓発セミナーにはまっていたことがあります。
その影響で、いつかマインドコントロールや詐欺をテーマにしたルポを書いてみたいと思っているところです。
見出し
ブスとは友だちになれないと感じたエピソード1.小さいころから、ずうずうしい
私の幼なじみだったS美は、私が実際に会ったことのある女性のなかで、一番不細工です。
たとえると、昔「じゃりんこチエ」ってマンガに出てくるキャラクターにそっくり。
あれに出てくるヒラメちゃんのように目が細く、歯が出っ歯、エラのはった野球のホームペースみたいな輪郭です。
鼻もぺちゃんこでした。
S美とは幼稚園から高校まで同じで、私もどちらかというと華やかな顔ではなく、目も厚ぼったい一重。
それで、なんだか「同類」として、親しみを覚えられていたのかもしれませんが、「私のほうがずっとましだ」と、自負していました。
S美は小さいころから、とにかくずうずうしかったです。
S美のお母さんも同じように不細工でしたが、同じくずうずうしく、よくうちの親も困っていました。
S美のずうずうしさは、母親ゆずりです。
そのうえ、顔がブスだと性格まで卑屈になる、典型例のような女性でした。
そんなS美は「どうせ」が口癖です。
また「私たちは友だち(仲間)よね」って感じで、宿題をS美の分もやらされたり。
好きなアイドルのチケットを取るために、始発から私が並ばされたりと、私はいいように使われてました。
なんでうちの家が、そんなずうずうしいS美一家にいいようにされていたのか。
なぜなら、母が私が小学生のころ、ある新興宗教にはまっていて、S美の母も同じ宗教の信者だったからです。
母の行く集会場で、S美とよく遊ばされました。
ブスとは友だちになれないと感じたエピソード2.根拠なきポジティブ人間になった
そんなS美はみんなから嫌われていて、私も好きだったわけではありません。
しかし、母には「同じ信者の家同士、仲よくしなさい」と言いつけられていたので、仕方なく付き合いをしていた私。
子どもって残酷で、同級生の子たちはかなりストレートに、S美に対してはひどい言葉でののしったり、いじめとも思う嫌がらせをしていました。
S美をかばって、私まで一緒に「ブス」とののしられて、いじめられたこともあります。
しかし、卑屈だったS美は突然超ポジティブ思考になって、どういう根拠か不明なまま自信家になったのです。
そのテンションが暑苦しく、いつも松岡修造と一緒に修行してるみたいで、イライラしましたね。
一番うざかったのは「がんばってる私って、素敵でしょ?」と、いちいち同意を求めてくること。
「私は(そんなこと)どっちでもいいな」と言うと、「向上心がない」、「自己卑下するな」とか、斜め上の説教をされました。
でも、本当にどうでもいいことでがんばる自分をアピールして、承認を求めてくるんです。
「食べ放題で、スイーツ10個は食べようね」とか目標設定されて、私が7個で食べるのを止めたときとか。
S美は12個食べて、そのあとトイレで吐いてましたが、意味がわかりません。
ブスとは友だちになれないと感じたエピソード3.自分のはまっている自己啓発セミナーにしつこく誘う
そのあとも、S美は自分の容姿と現実の世界とのギャップからか、あるものにハマります。
それは、自己逃避が激しくある自己啓発セミナーです。
そのセミナーは「生まれてきてよかった私」と、ことさら自己愛を高めるような内容のもので……。
S美はしつこく「○○(私)も同じセミナーを受けるように」と、勧誘してきました。
私は母が新興宗教にはまっていたのも嫌でしたし、そういうセミナーとかにも抵抗感しかありません。
しかし、S美は「夏至や冬至の集団瞑想に一緒に行こう」とか、「自分をすごく好きになれる、本当にいいセミナーなんだよ」とかうざかったです。
どうして、集まって一緒に世界平和を願うだけで、こちらが参加費5000円も払わなければいけないのか、理解できませんでした。
ブスとは友だちになれないと感じたエピソード4.私の恋人に、馴れ馴れしかった
S美は当然モテません。
というよりも、同性でも異性でも、嫌悪感をもたれてしまう容姿でした。
そんなS美でも、はまったセミナーでは違ったようで……。
周りが「あなたはかけがえがない存在」とか言ってくれるのが、心地よかったみたいですね。
参加するのには毎回お金がかかりますし、そのうち本人も、無料では大切に扱ってもらえないことに気がついたようですが。
セミナー団体から離れたら今度は、当時の私の彼になれなれしく近づいてきたS美。
私たちのデートにも一緒についてきて、がっかりしました。
はっきり言って、邪魔としか言いようがありません。
彼も迷惑がってましたが、全然空気を読まず、勝手に私たちの行き先についてまわるのです。
彼に「自分にも友だちを紹介して。Wデートしましょう」とか、しつこく頼んでいました。
S美は私を「同類」と見ていたからでしょう。
「○○(私)と付き合う彼なら、自分にも脈があるはず。もしくは彼の友だちなら、好みも似ている」と勝手に思っていたようです。
もちろん彼は「○○(私)のほうがずっと可愛い。全然同じじゃない」って言ってくれました。
ブスとは友だちになれないと感じたエピソード5.金銭トラブルに巻き込まれそうになる
S美とは大学で進路が別れ、やっと疎遠になることができました。
しかし、S美のことも忘れかけていたとき、借金の立て替えを頼まれたのです。
なんでも、ついに整形を決意したらしく、韓国の怪しい病院かどこかで、格安で別人にしてくれるという施術を申し込んだそうで。
「手付けは払ったけど、残金が払えない、このままでは中途半端な顔で、大変なことになる」と泣きつかれました。
私も大学時代、目を二重にするプチ整形は経験しています。
「整形したい」という気持ちはわからないでもないですが、顔中を、しかも韓国で手術したいというのは理解できません。
「話くらい聞いて欲しい」と言われて、カフェで久しぶりに会ったS美は、大きなマスクで顔の半分を隠していました。
ですが、ちょっと外してみせてもらったら、顎の骨を削り取って、表面がいびつになった結果、輪郭が逆三角形になっていたのです。
たしかにエラはとれてましたが、顎は不自然なくらいとんがってます。
それに、歯は出っ張ったままなので、なんともアンバランスなおどろおどろしい顔です。
話は聞きましたが、「どちらにせよお金は貸せない」と言い、「韓国で施術するのは止めたほうがいいと思う」と伝えました。
「自分が美しくなることへの嫉妬なのか」と、怒ってきたS美。
それ以上反論する気もおきず、そのまま席を立って携帯もブロックし、それっきりになります。
まとめ
その後、S美が整形費用を結局どうしたのか、整形は成功したのかどうかは知りません。
小さいころから人に嫌われてきた過去は、顔だけが原因ともいえないと思いますが、今でもブスな人には警戒してしまいます。
今の彼女がどんな顔になってるか、想像もしたくありません……。