35歳、女性、専業主婦。20代前半のときに職場で出会った男性の先輩は、かなり闇が深い人だった。
一見そうは見えないけれども、これ以上は入れないというバリアがすごく、それがなにか不思議だった。徐々に闇だということに気づく。
夢や希望はない、ただ生きているだけ、結婚したくないという彼の闇から、その後抜け出すきっかけがあれば良いなと思っている。
闇が深いと感じた人1.人生観が暗すぎる
私が社会人となり、就職先で出会った男性の先輩は、一見穏やかで物腰が柔らかい男性でした。
誰とでもうまく合わせて話をしていて、好感が持てる人だなと思っていました。
しかし、その彼の人生観が暗すぎるのです。
「この仕事をしているのは、食っぱぐれがないからしているだけ」とか、「偉くなりたいとも、仕事にきぼうもない」と平気で言います。
仕事ぶりは尊敬していたので、かなりこの言葉にがっかりしました。
結婚観も「俺が結婚して、女性を幸せにできるわけがない」、「安月給だし、その人とずっといて満足させてあげられない。だから結婚しない」と言い切ります。
ルックスはまぁ普通で、物腰は柔らかいので、女性職員はなん人か彼のことを気にしていました。
彼は、誘われればデートには行きますが、交際は絶対にしませんでした。
私も価値観は暗いほうでしたが、彼のほうがさらに上をいっていました。
あまりに、人生に希望を持っていない感じに、びっくりしました。
闇が深いと感じた人2.携帯のアドレスが暗すぎる
当時はラインはなく、メールでやりとりが主流だった時代です。
私は彼と仕事関係でやり取りをすることがあり、プライベートのメールアドレスを交換することになりました。
携帯アドレスは、たいてい名前や誕生日などで作られているものが多いなか、よくわからない英語が並んでいました。
気になって、意味を調べてみたところ「生きるしかばね」という意味でした。
それをメールアドレスにするところが、彼の人生観をあらわしているなと思いました。
自分のことをこの人は「ただ生きているだけ、希望や夢は持っていない、やりたいこともない」と感じながら生きてるんだと痛感しました。
精神的な病などではありませんでしたし、一見すると健康そうだけれども、かなり心の闇が深いだろうなと思いました。
闇が深いなと思った人3.人のことを信用しない
その職場は、職員同士の交流が活発で、飲み会などもよく開かれていました。
闇の深い彼も、そういった飲み会には参加していました。
仕事の話などに、意見を言ったりはするのですが、自分のプライベートについてはいっさい話しません。
みんなは、恋愛の話になってくることもあるのですが、聞き役に徹しています。
「なぜかな」と思っていたのですが、あるとき「基本的に、人のことはそんなに信用できないから」と言っていました。
彼は飲み会で、仲間といるときにも警戒心を持っていて、自分の情報は秘密にしたかったらしいです。
協力して進める仕事も自分のペースでやる人で、ペアになると自分のぶんを早く片付けて、私のぶんまでだいぶ助けてくれている人でした。
しかし、これも人のことを信用できないからで、「自分でやったほうが安心できる」という思いがあったようです。
私も人生観は暗いほうですし、彼とは気が合い可愛がってもらいました。
このときおり、見せるすごく冷たい発言に引くこともあり「これが、この人なんだな」と思いました。
闇が深いなと思った人4.自己否定が強い
彼と話していて思うことは、「自己否定がとても強い」ということでした。
彼は、大学卒業後に就職難でフリーターをして、27歳でこの職場に入ったとのことでした。
「自分は三流大学で、何もできない人間なんだ」というような、自己否定が激しいのです。
実際には三流大学ではなく、一般的な大学ですし、頭の回転も速い人です。
しかし「自分はダメだ」という思いが根底にあり、決して自分を認めないのです。
私には少し心を開いてくれていて、彼の父親や兄が有名企業に勤めていることや、比較されて育ったことを話してくれました。
自己否定感から「自分自身のことが嫌い」、「自分のことを好きな人なんかいない」と言っていました。
私も、自分の育ってきた境遇が似ていたので、彼がなぜこうなったのか、わかる部分があります。
当時の彼氏に自分のことが好きか聞くと、「なんで?自分のことは好き。だって自分やから」といっていました。
「基本的な部分で、違いがあるんだな」と思いました。
闇が深い彼と話していると、私もある程度までは共感できます。
しかし、30歳過ぎで人生をあきらめている感じが、かわいそうで、癒してあげたいような気持ちになりました。
彼が、私には少し心を開いてくれたのは、私にも自分と同じような闇の部分が見えたからだったのでしょう。
まとめ
そんな闇が深い彼とは、私の転職で縁が切れましたが、人としては穏やかで素敵な人なのです。
いろいろ挫折しながら生きてきて、できあがった闇はかなり深いなと思いました。