32歳、主婦。
新卒で、サービス業の会社に入社する。
入社前から、同級生が働く会社とは、大きく違うことに気づきました。
社会人経験が少ないため「これが普通」と言われると、強く言えないまま、数年ブラック企業で働き、体を壊して退職。
見出し
会社がブラック企業だったエピソード1.大学入学中から正社員と同じように働かされる
私は大学卒業を控えて、あるサービス系の会社の就職が決まっていました。
卒論の提出も無事終了して、「社会人になる4月までに、旅行でも行こうかな」と、のんきに考えていた私。
そんな1月のある日、内定先から電話が。
その電話先で、一方的にまくしたてられたのです。
「来月から会社で働いて。時期的に卒業旅行とか考えてるかも知れないけど、ムリだから。もし予約とかしてたら、キャンセルしてね」
「大学の授業が入っていても、卒業決まっていたら行かなくてもいいだろうから、仕事優先ね」
4月の頭に入社式があることしか、聞いてなかった私。
突然の電話の内容に驚き、「はい」と返事することしかできなかったのです。
大学の友だちに聞いても、「それは、絶対ブラックだよ」とみんなに言われました。
しかし、卒業間際の今から、就職活動をしたところで、似たようなブラック企業しかないことも分かっていた私。
なので、諦めて内定先の言う通り、2月から働くことにしたのです。
私が、2月から働くことになったのは、B県の営業所でした。
もともと、私が4月から働くのは実家があるC県、そして私が当時住んでいたのは大学近くのA県です。
A県からB県の営業所に指定された時間までに行くのは、朝6時の電車に乗るしかありません。
しかも、営業所が閉まる時間が遅くなると、23時代の終電に間に合うか、ギリギリでした。
最初は「まだ学生だから、早く帰れる」と言っていましたが、「仕事は一通り覚えてもらわないと」と、言われるように。
次第に、営業所を開ける作業から、閉めるまでの1日中働くことになりました。
4月まではバイト扱いということで、社員には支給される制服がありません。
そのため、制服に似たスーツを着用するように言われました。
始発で出勤して、終電で帰る毎日。
そんな日常生活に、カッターシャツを洗ってアイロンをかける時間も、クリーニングに持っていくタイミングもありません。
たまにある休み前になると、「休みの間に覚えること」というリストを渡されます。
それを覚えていないと、ハンパなく叱られたので、ゆっくり休むことはできませんでした。
そのため、休みに届くように、通勤途中にインターネットでカッターシャツをまとめて購入。
それを汚れるまで着ていました。
C県で働き出すまでの期間で、私の部屋はカッターシャツだらけになったのを覚えています。
途中、卒業式だけは、なんとか出席させてもらえました。
しかし、それさえが「繁忙期に休ませてもらえるんだから、感謝しなさい」と、会社の上司に言われる始末。
1ヵ月後にもらった初給料は、研修中ということで、社会保険はなし。
そのうえ、アルバイトの最低賃金で、驚くほど安かったです。
お金も不服でしたが、卒業旅行にも行けずに、仕事をさせられる毎日。
また、仕事をしている間の、大学での集まりにも参加できなかったのが、本当に悲しかったです。
会社がブラック企業だったエピソード2.入社時に車のローンを組まされる
入社時に「車の免許をもっているか」、「家に運転できる車はあるか」と、何度も確認された私。
なぜそんなことを聞かれるのか、当時の私にはわかりませんでした。
しかし、入社してしばらく経ってから、「早く車を買え」と会社から言われるようになったのです。
私の家は、車が数台あったのですが、ほかの家族がみんな乗って出てしまいます。
なので、私が自由に使える車はありません。
でも、家から駅までは徒歩5分程度だし、会社までも徒歩圏内。
そのため、仕事に車がいるとは思っていませんでした。
それに学生だった私にとって、車を買うようなお金も当然ありません。
それに、何年もペーパードライバーだったので、運転自体が怖く、会社が車を買うようにすすめる意味がわかりませんでした。
先輩に聞いたところ、営業所間の移動や、研修先への移動など、自分の車で行うという決まりがあるそうで……。
しかも、仕事中の事故やトラブルは自己責任、大きなトラブルを避けるために、車の任意保険は、対人対物無制限の物に必ず加入。
会社には証明するコピーを提出しないと、交通費が出ない仕組みでした。
社用車を用意するのはお金がかかるし、残業が多い会社。
なので、電車移動を認めると、終電に間に合わなくなった場合、宿泊費を会社が負担する恐れがあります。
そのため、より会社の負担が少なくてすむように、各々が自家用車を出すことになっていたのです。
車を買うだけでも大きな負担。
それなのに、新卒の年齢では高額になってしまう、車の任意保険まで強制されます。
そのうえ、「より負担額が高い、対人対物無制限の内容にしろ」と言ってくるのです。
当然、そんな話は到底納得できるものではありません。
もともと、「車が欲しい」という考えもなかったので、「せめて、頭金用にまとまった金額が貯まるまでは、待ってもらおう」と考えていたのです。
しかし、私が入社して1ヶ月経っても、車を買わないことに本社の人が、業を煮やしたのでしょう。
ある日私のいる営業所にやってきて、「金がないなら、親に借りるか、フルローンで車を買え」と言ってきました。
その瞬間、「本当に、ブラック企業に入社してしまった」と、泣きそうになりましたね。
親にも相談しましたが、このように言われる始末。
「入社してすぐに退職するのも外聞が悪いし、車はあったら便利だから、買って会社が納得するなら、買ったらどうか」と。
結局、入社して2ヶ月ごろには、私は乗用車をフルローンで購入することになりました。
思ったよりも給料が安く、貯金らしい貯金もありません。
そんななか、1,000,000円以上のローンを組むのは、憂鬱で仕方ありませんでしたね。
「これでなにがあってもローンが返せるまでは、会社を辞めれられない」と感じ、絶望感でいっぱいでした。
会社がブラック企業だったエピソード3.車を買ったら、すぐに遠距離を走らされる
私が車を購入したとわかると、すぐに200kmほど離れたA営業所に運転して、手伝いに行くように言われました。
私はペーパードライバーで、運転にも自信がなかったので、「交通費は自腹を切るので、電車ではダメか」と、本社に尋ねたのです。
しかし、電車でA営業所から私が自宅に帰る場合、終電が早い時間しかありません。
なので、「仕事が満足にできないから」と、却下されました。
結局、ペーパードライバーで、車を買いたての私に、運転をさせることを怖く感じた家族も会社に提案。
その結果、A営業所には行きは電車、帰りは最終まで勤務。
帰宅時には、電車が動いている区間がまでは電車、その先は家族に迎えにきてもらうことに。
事前に言うと、会社にしかられるので、当日急に車が故障して、仕方なくそういう判断をしたことにしました。
後日、私のように、営業所間を移動していた先輩が、赤信号で停まったときに当て逃げをされたようで……。
しかし、会社は「本人の運転技術が事故の原因だから、会社は関係ない」と、知らんぷり。
そのうえ、事故処理で出勤が遅れた先輩は、遅刻として給料が引かれていたのです。
その後も、A営業所をはじめ、他府県まで運転させられる毎日。
数百キロ離れた場所に、「朝8時までに到着しろ」と言われます。
また、23時ごろに仕事が終わってから、数百キロ離れた自宅に帰ると、翌日は「別の営業所で朝から働け」というシフトです。
その結果、睡眠時間が削られ、深夜や早朝に運転させられることが続きました。
「そのうち、事故でも起こして死んでしまうんじゃないか」と本気で思うようになりましたね。
今思うと、苦手な運転を強制させられることと、長時間労働で精神的に病んでいました。
勤めている間、大きな事故を起こさなくて、本当に良かったです。
まとめ
入社直前におかしいと気付いても、新卒で入社予定の場合、それから就職活動を行うのはとても難しいです。
それで私のように、そのままブラック企業に入社してしまう人も、多いのではないでしょうか。
新卒でブラック企業に入社した人は「おかしい」と思ったら、早めに、ハローワークや大学の就職課に、相談することをおすすめします。