37歳女性。
現在は所有している薬剤師資格を活用し、ドラッグストアでの調剤担当として勤務。
22歳のときに当時の同級生と結婚し、翌年には子どもを出産しながらも、元主人との間の生活の不一致などから、26歳のときにはじめての離婚を経験。
以後、仕事と家庭を両立しながら、男の子を育てるシングルマザーとして活動中。
見出し
貧乏で育児がしんどかったエピソード1.気軽に保育施設が利用できない
専業主婦として育児をしていることにはなかった苦労なんですが、離婚してシンママになって辛かったことがあります。
それは、子どもを預けておくためにも、まとまったお金が必要になるということです。
離婚してすぐの段階で、子どもは満2歳を迎える直前。
なので、まだまだ大人がつきっきりで、育児をしなければならない時期。
ただ、夫と別れたことで、夫の収入は充てにできないこともあり、働く必要がありました。
しかし、子どもの面倒を見ながらできる仕事しか、当時はできない状態。
なので、「1ヶ月100,000円ほど稼げれば、まだいいほう」という、究極の貧乏状態だったんです。
当然ですが、年収なんて2,000,000円も満足に超えられない程度だったので、本当に苦しい生活でした。
にもかかわらず、保育施設に預けるためには、お金が必要になります。
また、お金が比較的かからない公立の保育施設は、すでに待機児童が発生しているくらいで、預けることもできません。
私立系の保育施設だと、私の預け方の場合、1ヶ月50,000円近く取られてしまう計算に。
そのため、当時わずかな収入しかなく、まとまった貯金さえなかった貧乏な私には、到底利用できる施設ではなかったんです。
結局、子どもを背負いながら、パートタイマーとして働いたこともありました。
それに、職場の事務所に、子どもを寝かせたまま仕事していたことも……。
なので、仕事に集中できなかったり、職場の嫌な先輩さんから嫌味を言われることもありました。
本当に、精神的にも肉体的にも辛かったです。
貧乏で育児がしんどかったエピソード2.子どもにお金をかけて、自分はご飯を抜く生活
私の人生史上、最も貧乏だった時期に当たるのが、子どもを出産して、シンママとして育児をしていた時期でした。
今ほど、仕事でちゃんとした収入を得られなかった時期で……。
1日に使えるお金がわずか300円たらずという、苦しいタイミングだったんです。
当然、買いたくても買えない生活必需品もありました。
それを購入するために、結婚生活時代に買っていた自分の衣類や、元夫からもらった貴金属を買い取りしてもらうことに。
それで、「なんとかお金を捻出する」という生活に陥っていたほど、苦しかったです。
それでも、どうしても日々の生活に必要なお金が足りなくなったときには、子どもを最優先。
「自分はとにかく我慢をする」という、生活をしていたころもありました。
どんなに大人が我慢しても、小さな子どもにはちゃんと栄養を与えてあげないと、最悪、命の危険性だってありますよね。
必然的に、子どものための食事を用意して食べさせる反面、自分の食事は何度も抜いて我慢するというのが、当たり前の生活に。
こんな生活をしていたこともあって、50kgくらいあった体重も、30kg代に突入したことがありました。
ただ、大人といえども、食事をずっと我慢するのは、どうしても難しいです。
それで、なんとか栄養をとるために、私が実践していたのが、試食を活用する方法。
デパートや大きめのスーパーにいくと、よく店頭試食をやっていることがありますよね。
私は、これを通じて、必要最小限の栄養を摂取するようにしていました。
ですが、何度も同じ店を利用することは、私のプライド的にもどうしてもできません。
また、お店の方にも敬遠される恐れがあったので、一度に5店舗から6店舗くらいのお店を活用して、試食でなんとか栄養をつないでいました。
ひどいときは、家から10kmほど離れた場所まで、子どもを背負ったまま自分で自転車をこいで、試食のためにわざわざ遠出。
今振り返っても、「よくあれだけの行動ができたな」と自分で感心してしまうくらい、本当に貧乏が辛かったです。
貧乏で育児がしんどかったエピソード3.子どものおむつは手ぬぐいで代用
遠い昔に育児を経験された高齢の方には怒られるかもしれませんが、現代っ子の私にとっては、とても苦痛だったできごとがあります。
それは、使い捨ての紙おむつが使えず、子どものおむつを手ぬぐいにして、何度も洗い、使っていたことです。
子どもの便やおしっこで汚れてしまったおむつは、紙おむつならそのままゴミとして捨てれば済みます。
ですが、紙おむつを買うお金さえ、もったいなかった貧乏な私。
そのため、何度も洗って使い回しができる、手ぬぐいの存在が不可欠だったんです。
ただ、大切な我が子とはいえ、やっぱり汚物がついた手ぬぐいを手で洗うというのは、結構辛いもの。
現代には似つかわしくないような極貧なことをしている自分に対して、劣等感を抱いてしまったくらいです。
それに、もちろんですが、そのときは洗濯機も家にありません。
それにお湯を使って洗うなんて、もったいなくてできなかったので、寒い冬場でも水を使って、手と洗濯石けんを使って洗っていました。
いろいろな意味で、作業自体が辛く感じてしまうんです。
結婚生活時代には、旦那に綺麗に見てもらおうと、スキンケアや肌のお手入れも頑張っていた私。
ですが、独身してからはそんなことはもちろん一切できず、あかぎれや手のひび割れ状態。
すっかり綺麗だった肌も見る影がなくなってしまいました。
女としてのプライドも、捨てなくてはいけない生活を送っていたのです。
貧乏で育児がしんどかったエピソード4.子どもの栄養失調で、医者に怒られた私
大切な子どもの一人の親として、一番辛かったのが、子どもの病気に適切な対応ができなかったことでした。
自分の食事をできるだけ節約しつつ、子どもには栄養のあるものを食べさせてきたつもりだった私。
どうしても肉類やちょっと高めの野菜など、高価な食材は買えなかったので、栄養バランスが欠けがちなメニューになっていたんです。
それが、結果的に、子どもの栄養失調を招く結果に。
小さな子どもの便が、常に下痢状態になってしまっていたことが不安になり、診察料の心配も忘れて、子どもを小児科に連れていきました。
すると、子どもの表情や身体を見た瞬間に、医師の方から叱責のような言われた方をしたのです。
「ちゃんとご飯食べさせてる?」と。
そのあと、先生から「栄養失調になりかけてますよ」と、言われました。
予想はしていたんですが、親としてはきつい一言を言われてしまったんです。
やむを得ない状況とはいえ、大切な子どもに「栄養失調」という状態にまで、追い込んでしまった私。
現代ではちょっと考えられないような辛さを、背負わせてしまったことに対する申し訳ない気持ちもありました。
それに、他人に貧乏であることを直接批判されたような辛さもあってか、思わず泣き崩れてしまったのです。
このときほど、貧乏な自分が憎く感じてしまったことはありません。
まとめ
日々の生活にも困窮してしまうなかで、育児を経験されている方は少なくありません。
私も実際にそうでしたが、貧乏だからこそ、子どもに苦労や迷惑をかけてしまうことが、なによりも忍びないんです。
自分の行動で招いた貧乏という結果を、できるだけ子どもに背負わせないように努力すること。
それが親として、大切な行動なのかもしれませんね。