41歳、既婚女性。母親は現在70歳。
子どものころから、母親と相性が悪いとは感じていたが中学のころから、母親のことが「嫌い」だと思うようになる。
趣味は音楽鑑賞や、ペットの犬と遊ぶこと。
現在も定期的に、母親から搾取をされる日々。
お母さんを嫌いになったエピソード1.体罰
子どものころ、親というものは、両親どちらも、私にとって絶対的な存在でした。
少しでも親の気に入らない言動をすると、容赦なく叩かれたり、押入れに閉じ込められたりしたものです。
おかげで、40を過ぎた今でも、暗くて狭い場所が苦手な私。
ただ、子ども時代は「怖い」「怒らせてはいけない」と思っていただけでした。
そんな私が明確に親を「嫌い」と思うようになったのは、中学に入ったころのこと。
小学校も高学年になれば、体罰などなくても、親の言うことは理解できるようになるものです。
しかし私の親は、私が高校を卒業するまで、体罰を止めませんでした。
私には、3つ離れた妹がいます。
子どものころから、妹のほうが私よりも、ずっと要領よく暮らしていました。
悪いことをしても、素知らぬふり。
その結果、妹がした悪いことも、すべて私のせいでした。
なにかを見つけると、母親がなにかを叫びはじめます。
そして気が付くと、私が責められたり、叩かれたりしているのです。
「話を聞いてほしい。私ではない。信じてほしい」そんなふうに、何度懇願したことでしょうか。
しかし母親は、「お前の言うことなど信じられない」と体罰を与えるのです。
そんな私は、中学に入って同級生から「いじめ」を受けるようになりました。
学校では殴られ蹴られ、こころない言葉を浴びせられる毎日。
そして家に帰っても、似たようなものでした。
パート勤務の母親は、私が帰宅するころには毎日家にいます。
「絶対的な存在」だった親を、「嫌い」と思うようになりました。
私の話をなにも聞かずに一方的に怒る親と、いじめっ子に、違いがあると思えなかったのです。
お母さんを嫌いになったエピソード2.共有
中学時代というと、思春期まっただなかです。
そんな時期の私には、母親について、どうしても理解できないものがありました。
それが「共有」です。
中学のころには、私と母親の服のサイズは、ほぼ同じになっていました。
母親のほうが体型は大きめでしたが、ぎりぎりMサイズが入る体型。
すると母親は、「この服を借りているから」と、勝手に私の服を着るようになったのです。
服なら、まだ我慢ができます。
しかし母親は、靴下や肌着、パンツ、帽子など、直接身につけるものまで借りようとするのです。
小さなころから神経質だったので、パンツの共有など鳥肌が出るほど嫌だった私。
要領のよい妹は、母親が勝手に衣類や下着を身に付けても、嫌がることはありませんでした。
そのため、もともとヒステリーのひどい母親は、さらに私のことを悪く言うように。
「使っても減るものではないのに、こころが狭い」と。
下着の共有だけは、いまだにまったく受け入れる気になりません。
嫌いどころか、「気持ち悪い」と感じます。
10年以上しつこく断り続けて、ようやく下着については共有を求められなくなりました。
しかし、いまだに思い出すとぞっとします。
お母さんを嫌いになったエピソード3.搾取
やがて私も、働くようになりました。
私が20代のうちは、まだ母親も働いていて、お金に困ることは滅多になかったようです。
60代を前に母親は早期退職し、そのあとは、短期のアルバイトを何度かしただけ。
もともと貯金の少なかった母親は、すぐにお金に困るようになりました。
仕事もしていないのに、友だちと遊びに行ったり、毎日のようにパチンコに行ったりしているのですから、無理もないでしょう。
そして私は、母親から搾取されるようになったのです。
「10,000円貸して」母親に言われたら、そのタイミングで財布から出さないとなりません。
そうしなければ「けち」「底意地が悪い」と、いつまでも言われてしまうからです。
10,000円程度なら持ち歩いていることもありますが、それ以上の金額を希望されることも珍しくありません。
母親が、こづかいとして使うお金に関しては、貸せば返ってきます。
しかし交際費は、そうではありません。
見たこともない親戚の出産祝いや、香典を請求されます。
実際に、冠婚葬祭がある場合、「出せない」という母親に代わり、お金を払わなくてはなりません。
母親には大勢兄弟姉妹がいますが、全員70を越えても働いている人ばかり。
どうして私の母親だけが、働かず、私の財布をあてにしているのか、理解に苦しみます。
体調などに問題があるなら、無理して働く必要はないかもしれません。
しかし、誰よりも母親は元気なのです。
子どものころ、なにか欲しいものがあると、そのたびに「お金がない」と断られてきました。
服は数着しか持っておらず、どれもすりきれるまで着たものです。
そんなふうにして育ってきたのに、私が「手もとにお金がない」というと怒られてしまうことを、悲しく思います。
まとめ
「育てられた恩を返さなくてはならない」と、私も基本的には思っています。
でも、いくつものエピソードを積み重ねた結果、私は母親のことが嫌いです。
一緒にいるだけで、苦痛に感じてしまいます。
そんな母親に「なにを返したらいいのか」と、思わずにはいられないのです。