20歳女性。大学生。
高校時代からの友人に、いわゆる不良女が存在する。
学校の規則をたくさん破り、何度も叱られるが、まったく折れません。
そんな、自分の意志を貫く姿が、友人ながらに、「かっこいい」と思っている。
高校卒業後の現在は、年に数回会っています。
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タトゥーを入れるような不良女のエピソード1.出会い
彼女との出会いは、高校の入学式でした。
入学式ということもあり、女子の多くはスカートを長くし、髪を1つ結び。
私も、そのように真面目な格好をしていた1人なのですが、彼女は違っていました。
送ってくれた母親の車から降りた彼女は、下着が見えてしまうほどにスカートが短く、髪も茶髪で、ばっちりメイク。
駐車場で、彼女が車から降りてきた時点で、とても目立っていたのです。
周囲は、彼女を見て、ざわつきました。
私も、彼女の少し後ろを歩いて、入学式の会場である体育館に向かいます。
その際、周りの彼女への視線がすごかったのを覚えていますね。
体育館で、クラスごとに集まる場所が用意されており、彼女と私は、クラスが同じであることが分かりました。
クラスの場所に集まっている女子は、私と彼女だけです。
なので、私は思い切って彼、女に話しかけてみることにしました。
今思えば、とても勇気ある行動だったと思います。
しかし、「どう見ても、不良な彼女に話しかけるよりも、友だちができないことのほうが怖い」と、当時は思っていたのです。
そんな緊張と裏腹に、彼女はきさくに話をしてくれました。
入学式がはじまり、彼女と話す時間は終わってしまったのですが、偶然駅で再会。
家が同じ路線にあることがわかり、一緒に登下校をするようになりました。
彼女は、見た目より怖い性格ではなく、「自分は自分、他人は他人」と、割り切った性格。
メイクや髪形、制服の着崩し方などを押し付けてくるわけでもなく、サバサバした楽しい性格でした。
タトゥーを入れるような不良女のエピソード2.教師
毎日彼女と登下校していると、彼女が教師に怒られている姿をよく目にしました。
注意される内容は、もちろん、見た目のことばかり。
生徒指導の先生が厳しい人で、制服の着崩しは、厳重に注意されていたのです。
しかし、どんなに怒られても、傷ついても、反省せずに、自分のスタイルを貫いていた彼女。
「だって、この格好が一番かわいいじゃん」と言って、スカートを折っていました。
自分に対する自信や誇りを感じて、私は彼女に対して「かっこいい」と思っていましたね。
服装検査では、教師に無理やり、黒髪になるスプレーをかけられたこともあります。
まゆげもとても薄かったのですが、アイブロウペンでぐりぐりと書かれていました。
それでも、次の日になると、また明るい髪と薄い眉で登校。
どれだけ人に注意されても、曲げない性格だったのです。
タトゥーを入れるような不良女のエピソード3.アルバイト
高校に入って、半年ほどが経ったころ、彼女はアルバイトをはじめました。
私の学校では、家庭の事情がない限り、アルバイトは禁止です。
彼女の家は、普通の一般家庭で、金銭面で苦労しているということもありませんでした。
しかし、彼女は学校で禁止されているアルバイトをスタート。
はじめたバイトは、彼女の地元のファミレス店員でした。
「どうして、バイトをはじめたのか」と聞くと、彼女をこう答えます。
「もっと遊びたいから」と。
「彼女らしい」と思いましたね。
しかし、偶然、そこのファミレスに学校の教師が行ってしまい、アルバイトがばれてしまいました。
何度も呼び出されて、アルバイトをやめるように説得されます。
しかし、彼女は「家に複雑な事情がある」と、嘘をついてアルバイトをやり続けたのです。
先生も嘘だとわかっていながらも、あまりにも折れてくれない彼女に対して、納得せざるをえなかったみたいですね。
タトゥーを入れるような不良女のエピソード4.サボり
高校2年生になって、授業も難しくなってきたころのこと。
彼女は学校の最寄りの駅につくなり、私と別れてしまうようになりました。
親には「学校に行っている」と嘘をつくために、電車は制服で乗っていたのですが……。
バッグのなかには、教科書ではなく、着替えが入っているようです。
高校に通っていない友人に、親のふりをして、欠席の連絡をしてもらい、週に何度も、休む生活が続きました。
駅までは一緒に通うのに、そこから同じ制服でバイバイする私たちは、はたから見ると、奇妙だったと思います。
そのうち、学校をさぼって、クラブに行くようにもなり、お酒やたばこに、手を出しはじめた彼女。
日焼けサロンに行って、肌をこんがり焼き、背中に小さいタトゥーもいれていました。
「アルバイトして遊ぶ」という、高校生とは思えない生活を続けていた、ある日のこと。
担任から、親に連絡がいってしまったそうです。
親も担任も、サボっているとは思っていませんでした。
親は「学校に行っている」と思っていたし、学校は「家にいる」と思っていたのです。
電話で矛盾を確認した担任と彼女の親は、ついに、彼女を呼び出し、お説教。
すべてがバレてしまったのでした。
バレてからは、「むかつくから」と言って、真面目に学校に通うように。
しかし、あそこでばれていなかったら、出席日数が足りずに留年していたでしょう。
そう考えると、バレて良かったのかもしれません。
まとめ
私の身近にいる、不良女のエピソードはいかがだったでしょうか。
彼女は無事に卒業し、今は居酒屋の店員として、頑張っているそうです。
私は不良に悪いイメージを抱いていましたが、彼女の自信に満ちた生き方は好きですね。
今でも、見習う部分があると思っています。