20歳、男性。小学校のときに、アトピーの症状のピークを迎え、いつもアトピーを気にしながら生きていた。夏はとくに症状があらわれ、プールに入れなくなることも。しかし、自分のアトピーと向き合い、気にすることがほぼなくなった。症状は当時とさほど変わってないが、アトピーのことを考えることすらなくなり、趣味のサッカーに没頭している。
私の元気良く生きるための秘訣1.あの人もアトピー
アトピーの人なら、誰しも「ためらい」を経験したことがあるでしょう。
肌を露出することへのためらい、人ごみのなかに入るためらい、好きな人と肌を重ねることへのためらい。
幼少期からアトピーだった私自身も、例外ではありません。
はじめて、ためらいが生まれたのは、小学5年のときでした。
私のクラスには、私のほかにアトピーの人がおらず、アトピーについての知識がみんなありませんでした。
そんな環境のなかで行われる、プールの授業はもちろん地獄でした。
周りの人は、私の体を見ては嫌な顔をしていました。
そんなときです、クラスメイトのひとりが、私にこう言ったのです。
「先生!あいつと入ると気持ち悪いから俺はプール入らない」と。
それまで、私はいくら症状がひどくても、気にせず友だちと遊んでいました。
しかし、彼の一言は、私からその自由を奪ったのです。
その日からというもの、私はアトピーを気にして、アクティブに活動できなくなっていました。
プールに入るのをためらうのはもちろんのこと、半袖を着たり、キャンプで友だちと手をつなぐのもためらいました。
なにもできないのが悲しいし、悔しい。
でも、この状況から抜け出さなくちゃいけない。
小学6年の負けん気の強い私は、あることを思うわけです。
「アトピーは、少ない病気ではないので有名人にもいるはず」と、思ったのです。
学校から帰宅し、インターネットでアトピーの有名人を調べました。
調べていくと、ネプチューンの堀内健さん(ホリケンさん)がアトピーであることがわかりました。
私は、お笑い番組をよく見ていてホリケンさんのことを良く知っていました。
ホリケンさんの真似をして、友だちと笑っていた私の支えにするには、十分すぎる事実でした。
テレビで不特定多数の人に、肌を露出しているホリケンさん。
クラスのなかで、小さくなることが馬鹿らしく思えたのです。
こうして、幼き私はアトピーによる「ためらい」を、克服できたのです。
このように、アトピーの人を具体的に見つけると、大きな支えになると思います。
私の場合はホリケンさんでしたが、ほかにもアトピーの人はたくさんいます。
キリンの田村さん、織田裕二さん、重盛さと美さん、堀北真希さんなど。
アトピーと噂されている芸能人は、たくさんいらっしゃいます。
しかし、アトピーをもろともにせず、ご活躍なさっているのです。
この事実だけで、勇気づけられる人は、たくさんいるのではないでしょうか。
私の元気良く生きるための秘訣2.隠さないで打ちあける
アトピーでふさぎ込んでしまう人の多くは、ひとりで抱え込んでいることが原因ではないでしょう。
「そんな、大げさなことではない」と、思うかもしれません。
もちろん、打ちあけることにより、気持ちが軽くなることもあります。
私の症状は、冬服を着てしまえば、手の甲と首にしか見えません。
友だちといても、湿疹に関して指摘されることもなく、気にならないです。
しかし、暖かい時期は、どうしても露出が増えるのでこんなことを言われるんです。
「なんか血がついてるよ」とか、「真っ赤だよ」など。
返答に困ることが、私には頻繁にありました。
聞いているほうにすれば、私の皮膚の状態を心配してくれているのです。
私は、気持ちのやり場に困りました。
昔は「寝てるときにひっかいたみたい」などと言って、アトピーという言葉を避けていました。
アトピーは、気持ち悪がられると思っていたからです。
友だちは、腑に落ちない表情を見せ、微妙な感じになります。
そこで、今ではアトピーであることを言うようにしています。
すると「ふーん、大変そうだね」との軽い返事。
正直、「え?それだけ?」というくらい、軽いものでした。
身構えていた私は拍子抜け。
雰囲気も自然なままで、親友もとくに変には思っていない様子。
アトピーという言葉で、気を使わせてしまうのが嫌だったのですが、気にしすぎだったようです。
これ以降、私は湿疹について聞かれたら、素直に打ちあけることにしています。
むしろ、軽く言うくらいのほうがいいのかもしれません。
打ちあければ、必ず気持ちが晴れるというわけではありません。
でも、なんとなる少しは気持ちが軽くなります。
まとめ
現在、私はいろいろなことを実践して、元気に生活ができているわけです。
しかし、これは私の実体験であるだけで、一般論ではないのです。
つまり、実践すればかならず、健やかな生活が送れるわけではないのです。
同じことを実践するよりも、自分が自身の症状や心と向き合い、自分だけの秘訣を考えていくことが重要なのだと思います。