身に覚えのない300万円の借金を背負うことになったエピソード3編

悩む男性

34歳男性。

20台前半で、母親の死とともに、まったく身に覚えのない3,000,000円の借金を背負うことになる。

 

好きな仕事を選んでいる人生ではないが、仕事の合間に資格を取得して、なりたかった不動産業に就職しました。

 

 

身に覚えのない借金を背負ったエピソード1.突然降りかかる、多額の借金

クレジットカード

 

10代最後の年、片親ではあったけど、母親と一緒に暮らして、なに不自由なく暮らしてきた人生。

なんとか頑張って、就職することができました。

 

「ここまで育ててくれた母親のためにも、家賃と生活費を入れよう」

そう考え、自分のやりたいことや欲しいものを捨て、我慢して働いてきたのです。

 

社会人になったばかりの若い新入社員としては、誰よりもがっついて仕事に精進。

しかし、人よりも長い時間残業をしても、手取りの給料が180,000円。

それでも、「入ったばかりの給料なんて、こんなものだ」と、自分に言い聞かせて、我慢して働いてきました。

 

家に半分以上お金を入れたら、手もとに残るお金は80,000円を切ってしまいます。

そのうえ、通勤の電車代も含まれていたし、お昼ご飯も買って、食べなければいけません。

そのため、貯金なんて、ほとんどできる状態ではなかったです。

 

「両親が健在で仲のいい家庭では、自分で働いた給料ぐらいは、自分で使えるよな……」

「でも、そんなことを言っていたら、母親だけが無理をして、体を壊してしまう」

そう思い、悪いほうにできるだけ、考えないようにしていました。

 

いつものように仕事に出かけて、遅くまで残業をしていると、病院から会社に電話が。

母親が自分で運転をして、交通事故を起こしてしまい、「大至急、病院にくるように」と連絡がありました。

 

とはいっても、「大したことないだろう」と思って、病院に着いたら、母親は死亡。

誰かを巻き込むような事故じゃなかったので、母親だけの単独事故だったみたいですが、即死でした。

 

なにも飲み込めない状態で、葬儀も終えて、母親の物を片付けていると、何通かのハガキを発見。

私名義のクレジットカードを5つほどつくっていたらしく、どれも限度額いっぱいに借りていました。

そのときにはじめて、私自身に、多額の借金があることを知ったのです。

 

身に覚えのない借金を背負ったエピソード2.転職を繰り返す

就職活動

 

まずはじめに行動したことは、クレジット会社に連絡をして、残高の確認です。

身に覚えのない借金だと話をしても、逆に「被害を受けているのは、私たちのほうだ」と言われます。

 

ほかに相談する人もいないし、そのまま、払わないわけにもいかないので、事情を説明。

そして、全部のクレジット会社に電話を入れて、毎月の返済額を減らしてもらいました。

ですが、「今の仕事のままだと、到底返済なんてできない」と思ったのです。

 

その後、会社にも説明をして、すぐに退社することになり、失業保険を申請。

一時的に、仕事を探す時間をつくりました。

 

今までの仕事は、時間的にも余裕がなかったので、車の免許を取ることもできなかった私。

なので、仕事を探すのと並行して、自動車学校に通うことになりました。

 

貯金も全然なかったので、友人からお金を借りて、一時的に借金が増えます。

いくつか面接を繰り返し、なんとか工場勤務の仕事に、再就職を果たすことができたのです。

 

しかし、一ヵ月後の初給料日に、想定していた金額が違うことに気がつきます。

上司に相談したところ、「研修期間があるから」と言われ、手取額が今までと変らないことに気がついたのです。

もちろん、納得はできないけど、「世のなかこんなものだ」と悟りました。

 

どっちにしても、このまま続けることができないので、すぐに退職して、振り出しに。

そのころには、車の免許を取得することができたので、トラックの運送業に面接へ。

 

免許取り立て一週間なのに、雇ってもらうことができた私。

当時の社長は、「事情も事情で、やる気があるように見えた」と感じたそうで、私を採用してくれました。

 

黙々と運転だけをすることが、自分の性格にあっていたので、一日何往復も荷物を運びましたね。

社長が気を使ってくれて、前借という名目で、お金を渡してくれたので、友人の借金を一番に返済することができたのです。

 

 

身に覚えのない借金を背負ったエピソード3.やりたかった仕事に就き、返済を早める

マンション

 

トラックを運転していても、どうしても順番待ちをしなければいけない時間があります。

そのため、その時間を利用して、資格の勉強をはじめました。

 

学力も努力も好きではないけど、つまらない自分の人生に嫌気が差していた私。

なので、なにかしら結果を残したかったんですよね。

最終的に、何度か試験を落ちても、宅地建物取引主任者の資格に合格することができました。

 

職場の雰囲気もよかったですが、資格も取れたので、なりたかった不動産の仕事に転職することに。

実績がないので、また一から仕事を覚えることになりましたが、先輩たちの指導で、すぐに覚えることができました。

そして、1ヶ月後には、一人でお客様の対応を任せてもらうことができるほどに。

 

資格のおかげもあり、転職前と変わらない給料をもらうことができているので、少しづつ貯金も貯まりはじめます。

その結果、余裕ができれば、繰りあげ返済をすることもできるようになったのです。

 

「まだまだチャンスがあれば、自分の家も買いたいし、車も欲しい」と思っています。

 

まとめ

相変わらず、給料の半分は借金に持っていかれてしまいますが、なんとかがむしゃらに働けば、返せることができそうです。

とはいえ、まったく身に覚えのない借金を、自分自身が背負うことになるとは、思いませんでしたね。

振り返ってみると、楽しいことをなに一つできなかったです。

 

それでも、「夢を諦めることなく、やるべきことをやっていれば、楽しく生きていくこともできる」と信じています。