53歳、男性、会社員。
男の子を育てながら、いろいろな経験をしてきました。
非行と言われていた子どもの行いも、今となっては、「男の子の成長過程で、必要なことだったのか」とも思う、今日このごろです。
今後、子どもがさらに成長していくなかで、一緒に昔の話をしながら、酒を飲むことが一番の夢ですね。
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息子が非行に走り、大変だったエピソード1.好き勝手な生活
我が家には、3人の男の子がいます。
今では、男の子3人とも、手がかからなくなりました。
ですが、小さいときから、長男には手を焼かされ、成人する直前まで、何度も何度も親子ゲンカ。
とにかく、大変な20年間でしたね。
次男と三男は、とくになんの問題もなく育ちました。
しかし、長男は別で……。
今思うと、長男には、「はじめての子ども」という気持ちがあったのでしょうね。
「私たち夫婦が、期待をかけすぎたことが、非行に走らせる原因だったのか」とも思います。
長男が非行に走るようになったのは、中学、高校でいきなりということではなく、小学校のときから、その前兆はありました。
学校で喧嘩したり、ほかの子の持ち物を壊してしまったり、帰りには真っ直ぐに帰らず、どこかに寄り道。
学校には遊びに行く感じで、宿題など、いくら言ってもやらない子でした。
いつの間にか、担任の先生からも、見放されていたようです。
そのころ、私の仕事が忙しかったこともあり、顔を見たときには、注意をしていました。
ですが、あまり長く関わってあげられず、ささいな接点しかなかった私と長男。
そういった環境が、さらにひねくれさせる気持ちにさせていたのかもしれません。
息子が小学生のときに、3人の先生に受け持ってもらいましたが、すべての先生に、妻が呼び出しを受けていました。
妻は、よく頑張ってくれていたと思います。
息子が非行に走り、大変だったエピソード2.家に寄り付かない
中学になると、さらにエスカレートし、朝家を出て学校に行かないことなど、日常茶飯事。
どこで覚えてきたのか、中学生ながらに、小遣い稼ぎのアルバイトなどもしていたようです。
普通の中学生と違い、着るものも派手で、とても親が買い与えられないようなものまで、持っていた長男。
また、高校に入るとアルバイトに熱中しはじめ、稼いだ金で、タバコや飲酒などを当たり前のようにしていました。
繁華街で問題を起こすこともたびたびあり、さすがに警察に行くのは、妻だけではどうにもなりません。
その際、私が出向いて行くことも、数回はありました。
帰りには、なんの話をするでもなく、「早く自宅に戻り、解放されたい思い」が、おたがいにあったと思います。
男の子だったこともあり、妻とは必要な会話はするようで……。
なにか困っていることなどは、聞き出して対策していたようですが、こちらには具体的なことが伝わってきません。
高校に行くのにも、わざとどこかで仲間と集まって、2時限目くらいから行っていたようで……。
学校へ行くには行っても、あとは昼休みまで寝ている毎日。
しかも、前の日に家に帰ってくるのが、夜中ですから、眠くて仕方なかったでしょう。
そんなふうに、生活自体が悪循環になっていました。
学校が終わると、アルバイトのために出かけて行き、アルバイトが終わると、飲みに行ったり、遊びに行ったりなど。
そのため、家には、ほとんど寄り付きませんでした。
息子が非行に走り、大変だったエピソード3.家出した
高校一年のとき、暴力沙汰で、退学ギリギリのところで、一週間の停学処分に。
「少しは懲りただろう」と思ったら、高校二年で、また暴力事件を起こします。
「いよいよ退学か」と思いきや、その処分が下る前に、「こんな家は出て行ってやる!」と、高らかに宣言。
結果、長男は家出をしてしまいました。
どうやって生活をするのかも考えずに、必要なものをバッグ二つに詰めて、その日のうちに決行。
私は「勝手にしろ」と言いましたが、返事をすることもありません。
少しはコミュニケーションの取れていた妻が、「なにかあったら、必ず連絡しなさい」と、気丈にも送り出していました。
それはそれで珍しいタイプですが、男の子3人育ててきたので、強いお母さんという感じでしたね。
後日談として、息子本人から話を聞いたことがあります。
当時は、やはりなにも具体的なことなど考えず、「なんとかなるさ」みたい感じだったそうで……。
「退学処分を言い渡されるくらいなら、その前にズラかろう」と、考えたようです。
知り合いの先輩宅などを転々として過ごしていたらしく、「知らない街に行くと、旅行気分だった」とも言っていました。
高校生といえども、子どものやることとは、思えません。
息子が非行に走り、大変だったエピソード4.戻ったらパワーアップ
しかし、本人なりに稼がなければならないことはわかっていて、今までのアルバイトでは生活ができません。
そこで、新しい職を見つけるために、アルバイト雑誌などを買って、時給のよさそうなところに面接に行ったそうです。
ですが、相手は大人ですから、いろいろと嘘や口実をつけても、身元がしっかりしていないことが見抜かれます。
なので、結局は仕事が見つからず、干上る寸前までになってしまいました。
妻とはときどき、連絡を取っていたようで、さすがに手持ちの現金がそこをついてくると、強気の発言も少なくなり……。
どうにか、家に戻る方法を模索しはじめていたようです。
そのころ、息子の通っていた高校では、ことが大げさになっていました。
なので、「退学処分にはしない」とのことで、話が進んでいたようです。
結局、連れ戻される形で、家に戻ってきましたが、内心はホッとしていたのではないでしょうか。
家に戻ってきた翌日には、私と妻とともに、高校へ出向きました。
職員室の片隅で、担任の先生や教育指導の先生、それから教頭先生まで出てきて、今後のことの話し合いに。
学校としては、「このまま素直に登校し、無事に卒業まで頑張って欲しい」という意向でした。
ですが、長男は家出をして、「箔がついた」とでも思ったのでしょう。
先生方の前で、怒鳴り散らし、意気がっていました。
まとめ
さすがに、このときばかりは、私は長男を殴り飛ばし、叱りつけました。
今までのことを振り返ると、長男への期待からはじまったすれ違いを、このときに、少し埋めることができたように思います。