20歳女性。大学生。
中学生のころ、さまざまなことが重なり、一時は心が空っぽになる。
しかし、焦った状況でおかしな失敗を犯した際、それを笑ってくれた周りの大人たちのおかげで、自分の状況を前向きに、見つめなおせるようになった。
今でも、悩むことがあると、当時のことを思い出す。
見出し
心が空虚な状況から復活したエピソード1.失恋
これは、中学生のときのことです。
小学校のときから、ずっと好きだった男の子がいました。
「中学生の恋愛なんて……」と、思われるかもしれません。
ですが、大学生になった今でも、引きずるほどに、その人のことが好きだったのです。
しかし、その人に彼女ができてしまいました。
お付き合いは順調のようで、毎日手をつないで、一緒に帰っている姿を目撃していた私。
むしろ、目撃したというより、わざわざ見に行っていたのかもしれません。
私は「好きな人のことなら、すべて知りたい」という、少しメンヘラ気質でした。
なにも知らないふりをして、彼の彼女に、たくさん質問をするのです。
「どこまで進んだの?」「二人はどんな感じ?」と。
彼女からの返答はすべて、二人の仲のよさを物語るものばかり。
私は、その場は笑って、質問を続けましたが、帰ってからは、毎日涙する日々でした。
とにかく、ずっと好きだったのです。
しかし、2人の交際は、1年以上続くことになりました。
心が空虚な状況から復活したエピソード2.いじめ
ちょうどそのころ、クラスでは、いじめの問題が公になっていました。
クラスでいじめられていた子が、ついに不登校になってしまい、いじめが明るみにでたからです。
私は、彼女のことを表立って、いじめるようなことはしていませんでした。
ですが、周りのことが怖くて、いじめから守ってあげるようなことも、できなかったです。
しかし、小学校が一緒だったということもあって、たまに相談に乗ったり、一緒に帰ったりしていました。
そんな彼女が、ついに不登校に。
担任から、「今回の件について、思っていることを自由に書いてください」と言って、クラス全員に、プリントが配られました。
私は正直に、こう書いたのです。
「救ってあげられなかったことを後悔しています。とにかく、彼女と会って話がしたい」
「せめて、相談に乗りたいです」と。
それから数日して、担任に呼び出されました。
「いじめの件だろう」と、すぐ予想がついた私。
先生は、私にこう言います。
「あなたは『○○(いじめられている子)と会って、話がしたい』って書いたけど、○○もあなたに話がしたいみたいなの」と。
「私に、相談したいことがあるに違いない」
そう思い、少し喜んだのですが、続けられた言葉は、思ったことと、まったく異なっていました。
「○○が不登校になったおもな原因が、2人いて、そのうちの一人があなたなの」
先生から、そう言われたのです。
なにを言われているのか、一瞬理解できませんでした。
話を聞くうちに、私といじめの主犯格が、彼女の不登校の主な原因であることが分かったのです。
それからは、彼女と先生、ときには校長を交えた面談が、何度か行われるように。
彼女は、「○○さん(私)が、いじめられないのが、気に食わなかった」と言いました。
どうやら彼女は、私のことを「仲間」だと思っていたらしく……。
なのに、自分だけがいじめられるのが嫌だったそうで、「もっと身をていして、守ってほしかった」と言います。
なので、「○○さん(私)は偽善者だ」と、思ったそうです。
前に、いじめ問題に首を突っ込み、少し無視をされた時期があった私。
なので、身をていして守るのが、そのときは怖かったのです。
「まさか、こんなに大きな問題になってしまうなんて」
そのときは、余計に悩みました。
ことはついに、家にまで発展し、担任や学年主任が、親を訪ねてくることに。
結局、親同士の話し合いを行うことと、いじめの主犯格が謝ったことから、彼女は満足したようです。
ですが、私にとってこの件は、今でも心に残っています。
心が空虚な状況から復活したエピソード3.空虚
失恋をし、いじめ問題で、面談を重ねていたころのこと。
「両親が、離婚するかもしれない」という、話があがっていました。
原因は、父の浮気疑惑。
学校でも、家でも、悲しいことばかりの私は、放課後家に帰らずに、学校で過ごすことが多くなりました。
ただ一人で、教室でぼーっとするだけで、なんだか時間が止まったような、ふわふわした気持ちになりましたね。
まるで、「抱えている問題なんて、ない」と思えたほど。
しかし、周りに目を向けると、そこには問題だらけ。
それを思い出しては、トイレにこもって、泣いていました。
ある日、いつものように、トイレで泣いていたときのこと。
眼鏡をはずして(当時眼鏡をかけていました。)、ブレザーのポケットにしまいました。
トイレットペーパーで涙を拭いて、トイレに流そうとしたのです。
しかし、便器にむいたときに、ブレザーのポケットにしまった眼鏡が便器に落下。
そのまま、水に流れてしまいました。
泣き顔で、パニックになる私。
眼鏡もないので、視界も悪くなりましたが、「つまってはまずい」と思い、職員室にかけこみます。
先生方は「何ごとか」と思い、私の話を聞いて、少し笑いました。
詰まる危険性があるので、水道局の人を呼びましたが、「きれいに流れたみたいだ!」と、笑いながら、私に言ったのです。
心が空虚な状況から復活したエピソード4.復活
とにかく、その日は眼鏡を流して、パニックだった私。
先生も水道局の人も、離婚問題で頭を悩ませていた母でさえ、私に笑顔を見せました。
眼鏡はその日のうちに、つくり直しに行くことに。
眼鏡をトイレに流すなんて、バカみたいなできごとのおかげで、私の気持ちは変わりました。
「ときがたてば、なんとかなるのかもしれない」
「誰かに頼ればいいのかもしれない」「大丈夫かもしれない」
そう思えるようになったのです。
それから、失恋以外の問題は解決していきました。
いじめ問題は終結し、彼女も学校へ登校するように。
両親も、たがいを信じることで、離婚をやめてくれました。
失恋はしばらく引きずりましたが、ほかの人にも目を向けることで、だんだん忘れていくことができたのです。
まとめ
「どんなにつらいことがあっても、なんとかなる。焦ってばかりではいけない」
そう教わったエピソードでした。
私の場合は、バカみたいなことがきっかけで、それに気づくことができたのです。
今でも、悩むことがあったら、そのときのことを思い出すようにしています。