32歳女性。看護師としてOPE室、透析科、訪問看護にて勤務。OPE室は新卒で就職。総合病院ならではの癖のある先輩にもまれる。透析科では就職希望者の面接、指導の担当を行う。現在は正社員をはれて、アルバイトで訪問看護師として勤務。
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使えない看護師のエピソード1.血圧の正常値を理解していない
その人は、看護師として私の3年上の先輩でした。
OPE室勤務で、看護師歴3年目。
血圧測定は、医療に従事している人は日常的に関わる数値です。
とくにOPE室でのバイタルは、大変重要です。
当然、知っているものです。
看護学生ですら、理解している数値になります。
しかし、そんな重要な数値を先輩が理解していなかったのです。
先輩は、手術の外回りとして勤務していました。
外回りとは、患者さんの身の回りのことをするのが仕事になります。
先輩は、なんどもその手術の外回りの仕事をしたことがありました。
外回りのなかでも、簡単な手術でした。
手術も順調に進んでいるときに、Drが患者さんの血圧をたずねました。
通常は、麻酔科のDrが血圧管理をしているので、麻酔科Drに聞くのです。
その日は、複数の手術を一人の麻酔科Drが担当していたので、麻酔科のDrがいなかったのです。
聞かれた先輩は「120の38です」と、なにも感じていないトーンでこたえました。
先生が「え!?もう一度!」と、聞き直しても「120の38です」と、こたえます。
目がはなせない先生は、「38か!?」と再度確認しました。
先生は、かなりあわてていました。
しかし、画面は120/83を指していたのです。
後輩の私が出しゃばって言うのも違うのかな、とも思いながらあせっている先生に「120の83です!」と答えました。
まだOPE室で働きはじめて、半年もたっていませんでした。
その後、そのまま手術は順調におわりました。
手術がおわったあとは、その先輩はDrからおしかりを受けていました。
その話は、ほかの看護師にもまわりました。
その先輩は、ほかの先輩からも「おかしいと思わなかったのか?」と言われ、「まったく!」と悪びれる様子もありませんでした。
一緒にOPEに入るDrからは不評で、なにもわかっていない彼女は、嫌がられて仕事をしています。
看護師、医療者として常識の範囲の知識すら持っていない彼女が、看護師として働いていることにやや違和感も感じられます。
使えない看護師のエピソード2.婚活目的で仕事をしている先輩
この人も、OPE室で働いているときの先輩でした。
看護大学を卒業して、就職していたのでほかの看護師よりも、上手に仕事をしていました。
知識も指導の方法も、かなりわかりやすく大好きな先輩でした。
しかし、一つダメだと感じるのは、医者を男として見ていたのです。
先輩は、きっと医者と結婚したかったのだと思います。
Drなら誰でも話かけに行きます。
後輩とのカンファレンスの時間であっても、「あ!先生」と言って、雑談をしに行くのです。
とくに美人ではなかったので、先生も深くは関わっていなかったのが、さらに悲壮感を増しました。
ターゲットにしているのは既婚、未婚、年上、年下問わずでした。
新年度になると研修医がきます。
研修医は数カ月ごとに科をかえるのですが、その先生も先輩のターゲットでした。
あきらかに、先輩よりも年下でもかまわず、愛想と女を振りまいていました。
仕事以外の時間で、やっているぶんには問題ないのですが、彼女の婚活は時間とわずでした。
OPE室はとくにですが、医者と付き合っている看護師は多いです。
こんなにも愛想を振りまいているのに、医者の彼氏ができないので、医者と付き合っている後輩に敵意をむき出しです。
先輩の前では、医者と付き合っている看護師の、のろけ話は禁句になっていました。
まったく相手にされていない先輩は、それでも8年頑張って婚活していました。
最終的には、田舎にひとりで帰っていきました。
「公私混同で使えないな」と、感じました。
使えない看護師のエピソード3.ショック状態がわからない人
この人は、私がクリニックで働いているときに、一緒に働いた人です。
そこは、透析クリニックといって、おしっこが出ない人が定期的に治療にくる場所です。
血液を機械にかけてきれいにし、体に返します。
余分な水分は、機械に吸い取られます。
体液量の急な変化がありますので、血圧低下からショック状態になる人は多くいます。
1時間おきのバイタル測定は、重要になります。
数分前はなんの問題もなく会話していた人が、急にショック状態になります。
そのまま放置していたら、死にいたるほど危険な状態にあります。
その人は、私よりもあとに入ってきました。
しかし、それまでにほかの病院で勤務していたようで、看護師歴は私よりも9年も長くあります。
透析科ははじめてでも、バイタル測定は任せることができると判断されていました。
ひとりでバイタルを測っているときに、その場をはなれて、ほかの患者さんのところへ行く姿が見られました。
「どうしたのですか?」と、見に行くと、患者さんはショック状態で意識がありませんでした。
急いで、緊急補液を体内に入れ、5分後に意識を取り戻しました。
かなり危険な状態でした。
その後、「どうして、ほかのスタッフに報告しなかったのか」師長に問われました。
すると、「声をかけたが返事がなく、寝ているのかと思い、ほかの患者さんのところへ行きました」とのことでした。
看護師が、ショックの状態で意識を失っているのか、わからないなんてのは話になりません。
師長はその場で、看護師を帰宅させ、クビになりました。
師長の判断は、正しかったと思います。
治療を助ける看護師が、きちんと看護できないのであれば、患者さんを危険な状態にしてしまいます。
看護師として、寝ているかショックを起こしているかも、わからないのは致命的です。
一体、どんな看護師として今まで働いてきたのだろうかと、今でも思っています。
あの人は、どこか働くことができる職場はあったのでしょうか。
判別すらできないなら看護師はやめたほうが、患者さんにとってもスタッフにとっても、安全だと思います。
今まで出会ったなかで、一番使えない看護師でした。
まとめ
看護師は、実習を受けて国家試験に受かって、仕事に就いています。
医療はつねに進歩していくので、一生勉強が必要です。
看護師は、看護資格を誇りに思っています。
そんななか、使えない人もいるものです。
自分がそうならないためにも、必死に勉強していきたいです。