33歳、女性。
結婚後は専業主婦。
自分のブスさを自覚したのは、けっこう幼いころ。
それでも、女子は表面的には、仲よくしてくれるように感じる。
男性は、態度が露骨なのが、傷つく原因になっています。
趣味は読書。
本の世界は、ブスにも平等なので、ありがたい。
見出し
男がブスに冷たいことを実感した話1.クラスメイトの男子に街で偶然会ったが、無視された
私は毎日、鏡を見るたびに、ちょっぴりテンションが下がるほどのブスです。
小さいころから容姿はコンプレックスでしたし、そのせいで友だちと遊ぶよりも、ひとりで本を読むほうを優先するように育ちました。
だけど、学校に通っていたころは、友だちに恵まれていた私。
だから、さほど人間関係のトラブルにも、巻き込まれることなく生活できていたんです。
クラスでは決して目立つほうではありませんでしたが、勉強はそれなりにできたので、先生からは信頼されていました。
学級委員を務めたり、合唱コンクールで伴奏を担当したりと、クラスにも溶け込んでいたつもりだったんです。
学校では、なにかとグループをつくって行動したがるのが、女子というもの。
ですが、ちゃんと私も仲良しグループに属していましたし、グループのみんなで男子も誘って、遊びに行くこともありました。
しかし、ある日のことです。
母の買い物に付き合って街にいた私は、クラスメイトの男の子が、向かいのお店から出てきたのを発見しました。
彼は、ちょっとお調子者なところがある男子。
それでも、私たちのグループのなかでは、「カッコイイ」とひそかに人気のある子でした。
彼のほうも、私たちのグループにはよく話しかけてくれていましたし、人当たりもよく、おもしろい彼に、私も好意を寄せていたんです。
基本的に消極的な性格の私は一瞬迷いましたが、「彼なら大丈夫だろう」と、思い切って名前を呼びながら、手を振りました。
ところが、彼は一瞬こっちを見たあと、「げっ」という顔をして、そのままどこかへ行ってしまったんです。
彼の教室とはまったく違うその態度に、私はすごく悲しくなりました。
ほかのクラスメイトの女子にも相談してみましたが、彼女が外で彼と会ったときには、「普段通りだった」と言います。
彼が教室で私にも話しかけてくれていたのは、「ほかの友だちと一緒だったから」。
休みの日まで、ブスと話をするのは嫌だったのでしょう。
その後も、教室での彼の態度は変わりませんでした。
しかし、私のほうから、彼に話しかけるのをやめてしまったのです。
男がブスに冷たいことを実感した話2.バイト先の男性常連客がおごってくれるのは、美人店員が一緒にいるときだけだった
結婚前、私はコンビニで、アルバイトをしていた時期がありました。
シフトに入っていたのは、主に早朝からお昼過ぎまで。
学生の多い地域だったので、日中はさほど忙しくはありませんでした。
そうすると、私たちの手が空いているときを見計らって話しかけてくるのが、高齢のお客さんとおじさんです。
おばあちゃん、おじいちゃんとまではいかない年齢でも、それなりにお年を召した方。
また、定年間近くらいの年齢のおじさんと、談笑することになることがありました。
レジに人が並んでいるわけでもなく、掃除などの作業が残っているわけでもありません。
なので、店長に嫌な顔をされることもなかったんです。
そんな常連さんのなかには、ときどき私たちスタッフにジュースやおかし、レジ前の揚げ物などをおごってくれる人もいました。
レジでお金を払ったあとに、「これ、みんなで食べて、仕事がんばってね」と商品を置いて行ってくれるんです。
ひとつ辺りは数百円の物とはいっても、その場にいたスタッフ全員分となると、それなりの金額になります。
「申し訳ないな」と思いつつ、その気持ちが嬉しいなと感じていました。
そんなある日、いつも一緒にシフトに入っている若いフリーターの女の子が、急病でお休みにすることに。
レジが混んだときは、店長が手伝ってくれて、なんとかいつも通りにお店は回せていました。
しかし、かなり忙しくなる時間帯もあったんです。
そんなときにやってきたのが、常連のおじさんでした。
週に2~3回はやってきては、私たちを笑わせてくれて、大抵はひとりにひとつずつ、ジュースをおごってくれていたこのおじさん。
そのとき疲れ切っていた私は、このおじさんの姿を見て「ラッキー!」と感じました。
おごってもらったジュースをもって、休憩に入れると思ったんです。
ところが、レジにやってきたおじさんは、「○○さんはいないの?」と言います。
おじさんは、休んでいるフリーターの、女の子の所在を確認したのです。
彼女がいないことが分かると、自分のものを買ったあとはすぐに、帰ってしまいました。
実はこのフリーターの女の子は、すごい美人ではないものの、アイドルっぽい見た目の可愛い子。
おじさんは、きっといつもその子を目当てにして、お店に通ってくれていたのでしょう。
「私のようなブスひとりがいるだけでは、おごってくれるどころか、話すらまともにしてくれないんだな」
そう思うと、なんだか切ない気持ちになってしまいました。
まとめ
ブスなことはずっとコンプレックスでしたが、それでも自分なりに、前を向いて、生きてきたつもりです。
ただ、女性よりも男性のほうが、「ブスに対して、明らかに冷たい」と感じます。
今は30代になりましたが、「ブスゆえに、冷たくされた」と感じると、いつも少しだけ傷ついてしまうのは変わりません。