33歳、女性。
結婚後は専業主婦。
地元の人たちの田舎気質は、本当に嫌になることがある。
そんななかで、私が幼いころから、いつもかわいいおばさまの存在は救いだった。
趣味は読書。
かわいいおばさまとは、本の話をするのも楽しい。
見出し
かわいい50代女性のエピソード1.決して前に出るほうではないのに、話に説得力がある
実家の近所に住んでいるおばさまのなかにひとりだけ、いつ見ても「かわいいな」と感じる人がいます。
年齢はおそらく50代後半で、私の母と同年代。
うちの母親も、若いころは美人でした。
しかし、このおばさまAさんは容姿はもちろんのこと、雰囲気や感性もすごく若々しくて、私の憧れの人なんです。
Aさんのご自宅は、我が家から歩いて、数分の距離の同じ地区にあります。
そこで、地区の行事や役員の集まりなどのときには、Aさんとも顔を合わせることがありました。
私はすでに実家を出ていますが、帰省したときなどは母に連れられて、集まりに顔を出すこともあるんです。
Aさんは、地区の役員も積極的に引き受けてくれる方。
しかし、決して前に出て、自分の意見を積極的に言ったりしません。
人の嫌がる役割にこそ、手を挙げてくれて、みんなをさりげなくサポートをしてくれるような人。
だけど、「ここぞ」というときには、発言することを惜しみません。
たとえばあるとき、子ども会が主催する祭りと、地区の住民が強制参加させられる飲み会の日が、重なってしまったことがありました。
どちらも公民館を使って行う行事で、もちろん同時開催することはできません。
しかし、役員のおっさんたちはどうしても「自分たちの飲み会を優先したい」と、子ども会の祭りを延期させようとしたんです。
子どもたちが楽しみにしているお祭りを、予定通りに開催したい若い人たち。
そんな若い人たちとおっさんたちの間には、嫌な空気が流れはじめていました。
だけどそのとき、Aさんがこう言ったのです。
「もちろんお祭りを予定通りにするがね? じーさんたちなんぞ、いつ死ぬもわからんとに、そんな先の予定を立ててどうするとね」と。
これをもし、私なんかが言っていたとしたら、きっと地区のおっさんたちにはにらまれていたことでしょう。
だけど、Aさんの言葉にはいつも、不思議な説得力があります。
あれだけ、自分たちのことだけしか、考えていなかったおっさんたちが素直に。
Aさんの鶴の一声で、いつの間にか祭りの開催のほうを、前向きに考えるような発言をするようになったのです。
決して、声が大きいわけではないAさん。
でも、Aさんのかわいい姿と声には、男性陣も絶対に勝つことができないのです。
「そのギャップが、またAさんの魅力なんだろうな~」と、ほれぼれしてしまいました。
かわいい50代女性のエピソード2.成人した子どもが3人もいるのに、他人の子育て話を興味深く、聞いてくれる
Aさんはとってもかわいい人ですが、美魔女というような雰囲気ではありません。
たしかに、顔は整っているものの、若づくりというわけではなく、その年代の女性が持つ自然な美しさを持った人。
しかし、実はAさんには、すでに成人した子どもが3人もいるのです。
私や兄弟と年齢も近いため、Aさんのお子さんとは、私もときどき、遊ばせてもらいました。
しかし、Aさんの子どもはみんな、県外に出てしまっているようです。
娘さんも結婚したそうですが、「なかなか孫には会えないの」と嘆いていました。
自分の子を3人も育てあげ、さらには孫までいらっしゃるAさん。
子育てについては、「プロ」だと言ってもいいくらいですよね。
同じような立場にあるうちの母親なんかは、なにかと私の子育てに口を出してきます。
なので、あまり自分の子育て論について、母に話さないようにしている私。
だけどAさんには、子育てについて考えているいろいろなことを、ついつい話してしまうんです。
というのもAさんが、私の子育てについて、決してアドバイスなどをしません。
ですが、すごく興味深い様子で、たずねてくれるのです。
自分の娘さんからも、とっくに聞いているであろう、最近の子育て事情についてもそう。
毎回、はじめて聞いたかのような、新鮮な反応をしてくれるのが嬉しくて、いつも話しすぎてしまいます。
いつも楽しそうで、常にかわいく見えるAさん。
おそらく、さまざまなことに対して、興味を持っているから、そう見えるのでしょう。
聞き上手で、おまけに褒め上手なAさんとなら、何時間でも話していられそうな気がします。
かわいい50代女性のエピソード3.子どもたちも嫌がらずに、一緒にお出かけしている
Aさんの子どもたちは、20代後半~30代前半です。
娘さんだけでなく息子さんもいて、「思春期のころは、なかなか荒れていた」と聞いたことがありました。
だけど大人になった今、息子さんたちは一歩間違えば、「マザコン」と言われそうなくらい、Aさんのことが大好きなんです。
20代も後半ともなれば、男性は母親と一緒に出かけるのを嫌がるもの。
うちの兄などは、結婚するまでは、一切実家に近寄らなかったようで……。
「Aさんの息子さんがちょくちょく帰省してはAさんと出かけている」と聞くたびに、とても不思議な感じがしていました。
だけど、Aさんと息子さんたちが一緒にいる姿をみて、納得したんです。
おでかけスタイルのAさんは、いつも以上に上品で、おまけに表情もさらにイキイキしています。
ただでさえ魅力的なAさんが、息子さんたちと出かけられるということで、普段よりもずっと華やかな雰囲気になっていたんです。
「ああ、息子さんたちはAさんのこの姿が見たくて、彼女を連れ出しているんだな」と腑に落ちました。
いくつになっても、母親の喜ぶ姿というのは嬉しいものですよね。
まとめ
50代になっても、雰囲気までもかわいいAさん。
容姿を真似することは難しいですが、「私もあんなふうに年を取れたらいいな」と思います。