37歳女性。
現在は所有している薬剤師資格を活用し、ドラッグストアでの調剤担当として働いています。
22歳のときに当時の同級生と結婚し、翌年には子どもを出産。
しかし、元主人との間の生活の不一致などから、26歳のときに離婚します。
以後、仕事と家庭を両立しながら男の子を育てる、シングルマザーとして活動中。
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息子の彼女を嫌いになったエピソード1.私には見せたことがない、息子の笑顔に嫉妬
中学生を迎えるころになると、男の子も女の子も思春期を通じて、一人の男女へと成長しはじめるころですよね。
私の大切な息子も中学生になり、勉強とは別に、異性に対しても徐々に興味や関心を持ちはじめる時期を迎えたころでした。
それまで「子どもっぽい」と思っていた私の息子が、彼女を自宅に連れてきたことがあります。
自分で言うのも変ですが、親としては比較的、子どもの恋愛は自由恋愛で任せているほうです。
なので、「息子も年ごろを迎え、彼女の一人くらいはできてもおかしくないかな?」と思っていました。
そのため、連れてきた彼女さんを優しく迎えたのです。
彼女と実際に会ってみて、当初は「さすが私の息子」と思いましたね。
なぜなら、中学生にもかかわらず、ちゃんと挨拶もできる素敵な女性だったからです。
なので、私も好感が持てたんですが、その好感も最初のうちだけ。
彼女と息子の仲むつまじい姿を見るごとに、私の心のなかに嫉妬心が生まれていったのです。
息子というのは、母親にとってみると、お腹を痛めて産んだ、大切な男の子。
だからこそ、ある種、自分にとって「永遠の恋人のような存在」といってもいいくらいに、愛おしく感じる存在なんですよね。
そんな息子が、いつの間にか大人への階段を登りはじめ、自分の彼女を連れてきたことに、素直に喜べない自分もいるのです。
それに、なによりも嫉妬心をかり立てられてしまったことがあります。
それは、「息子がこれまで家で見せたことがないような表情を、その彼女に対して向けている」ということです。
これには、母親である私も、心のなかで「キーッ」となってしまいそうに。
さすがに、表だってそれを見せることはありませんでした。
ですが、彼女さんが家にいる間中、ずっといても立ってもいられない状態だったのは言うまでもありません。
それからは、その彼女さんの人間性は別として、「息子の彼女」という存在だけで毛嫌いしてしまうように。
「もう会いたくない!」と、思ってしまうようになりましたね。
いい年齢の大人が、ちょっと大人げないです。
しかし、「これも大切な息子を心から愛おしく思う、母親ならではの感情なのでは」と思うと、ある種諦めが付いてしまっています。
息子の彼女を嫌いになったエピソード2.息子の純粋さが失われていくような錯覚に
私は、男の子一人と、女の子一人をそれぞれ育てる母親です。
やはり、娘も大切だけど、息子も大切な存在。
「そんな息子に、彼女ができてしまった」
その事実をはじめて知った瞬間、それはもうショックだったことを現在のことのように、今でもしっかりと覚えています。
親としてみると、息子に彼女ができるということ自体は「息子がそれだけ魅力的な男性である」という、なによりの証拠です。
ですので、とても喜ばしいことかもしれませんね。
ただ、私の場合はどうしても、一人の母親として、息子の彼女を好きになることができなかったんです。
その理由の1つが、「私が知っている息子の純粋さが、失われていくような錯覚を覚えてしまったから」というもの。
彼女ができるまでの息子は、純粋な心を持った子どもでした。
「男の子」という表現が、ピッタリとくるような感じです。
ところが、自分自身で彼女という存在を選び設けたことによって、変わってしまったのでしょうね。
息子が徐々にですが、一人の「男」へと変化していることを、感じ取ってしまった私。
これは、1番身近にいる母親だからこそ分かることです。
その瞬間、息子が私の知らない男性になってしまっていることに戦々恐々。
また、私が大切に育ててきた息子の純粋さが、徐々に失われていくことに対する不安も一気に高まってしまいました。
すごく屈託のない笑顔の息子の姿や、異性に対してやましい気持ちを一切持たず、純粋に接することができた息子。
そんな息子に「彼女」という身近な異性ができたことによって、「息子が異性に対して、違った目で見はじめた」と思うと……。
なんだか寂しくて、仕方ありません。
もちろん、彼女さんには、一切非がないのは分かっています。
しかし、母親としてやはり、心のどこかで「この野郎!」と思ってしまう気持ちがあるのも、また事実。
けれど、息子に嫌われたくないので、絶対にそんな本音は表に出しません。
「頑張りなさいよ」なんて、心にもない言葉を息子にかけている、自分の存在も嫌になります。
今でも、息子が彼女とデートに出かけたり、家に連れてくるたびに、苦しむハメに。
表向きは笑顔で接している私も、心のなかでは悔しい思いや寂しさで一杯になってしまうからです。
息子の彼女を嫌いになったエピソード3.彼女中心になってしまった息子
母親にとってみると、親に対してとても優しい子どもは、なんとも誇らしい存在ですよね。
「けれど、その優しさの対象が、自分たち親から別の人へと移ってしまったら……」
きっと、多くの親御さんが、子どもの成長を嬉しく思いつつも、同時に寂しさや悲しさを感じてしまうのではないでしょうか。
私が息子の彼女をどうしても心から受け入れてあげることができない理由の1つが、まさにこれなんです。
親ばかかもしれないのですが、私の息子は男の子にもかかわらず、母親に対してとても優しい性格を持った子ども。
私は夫の浮気などが理由で、シングルマザーとして子どもを育ててきました。
なので、そんな私の苦労を知ってか、とても優しかった息子は、私にとっても自慢の存在です。
そんな息子の優しさが、彼女ができたことで一変。
もちろん、私に対してさりげない部分で気遣ってくれたり、手伝ってくれるなど。
最低限の優しさは、ちゃんとキープしてくれています。
ですが、このように実感したときには、もう涙してしまうくらいに辛かったんですよね。
「息子の日々の行動の半分以上が、彼女を中心に回りはじめている」と。
息子が彼女との思い出を嬉しそうに、私に語ってくれたことがあります。
このときはさすがに、表向きでは母親として、嬉しそうな表情で聞いていた私。
しかし、心のなかでは「なんでそんな話を私にするのよ」と、つぶやいてしまったのは言うまでもありません。
まとめ
息子の彼女は、女親である母親にとっては、「敵」ともいえる存在といっても過言ではありませんよね。
どんな女性だったとしても、大切な息子が愛する女性だからこそ、見守ってあげることも、母親としての愛情なのかもしれません。
けれど、嫉妬してしまう気持ちや彼女を嫌う気持ちを持つことも、人間として当然なんです。