41歳、既婚女性。
20代で知り合った、性格の合わない、わがままな男性に恋をするも、振り回される。
その件により、親友とは絶縁する羽目に。
現在は、郊外の一軒家で、夫と愛犬とともに、毎日を静かに暮らす日々。
見出し
性格が合わないけど恋をしたエピソード1.初対面の印象
20代のとき、友人が開催した飲み会で、1つ年上の男性と知り合いました。
同じ市内で、設計の仕事をしている男性です。
第一印象は、それほど悪くはありませんでした。
背が高くて、とても優しそうな彼。
しかし、隣に座り、お酒を飲んでいるうちに、彼に対して「友だちとしてならいいけど、好きにはなれないな」と思いはじめました。
なぜなら、彼は初対面の私にも伝わってしまうくらい、わがままな性格だったのです。
少し強気で、わがままで、プライドの高い人で、言葉の選びかたが雑。
そんなことが、会話のなかで伝わってきました。
私も、世間一般の女性と比較したら、少しわがままなほうです。
しかし、それでも私は、はじめて会う人の前で「わがまま」を発揮できるほどではありません。
「ほんの数時間でも伝わってしまうくらいなのだから、実際、彼と長時間一緒にいたら、疲れてしまいそうだな」と感じたものです。
絶対に振り回されそうな気がしました。
飲み会は楽しく終了し、一緒にいたメンバーとはおたがいの連絡先を交換して、別れた私。
そのなかには、もちろん彼も含まれています。
それ以降、月に数回の頻度で、そのときのメンバーと遊びに行くようになったのです。
私も彼も、ほぼ毎回、その集まりには参加するようになりました。
性格が合わないけど恋をしたエピソード2.ギャップ
頻繁に会うようになっても、彼に対しての印象には変化がありませんでした。
やはり、「わがままでプライドが高い」と感じることから、まったく恋愛対象として見ることができずにいたのです。
正直なところ、顔もまったく好みではありませんでした。
あるとき、いつものように飲み会が開催されることになりましたが、行ってみると、参加者は私と彼のみ。
ほかのメンバーに、ドタキャンが相次いでしまい、ほかには誰もこられなかったのです。
すでに友だちとして、数え切れないくらい一緒に遊んでいましたから、抵抗はありませんでした。
いつものように飲んでいると、不意に彼がとても真面目に、仕事の話をはじめたのです。
もちろん、私の業種とは違うため、聞いたところで分からないことだらけ。
しかし、彼なりに悩んだり苦しんだりしながら、真面目に頑張っていることが伝わる内容でした。
「意外なところもあるのだな」と思った、その日の帰り道です。
薄着をしている私を見て、彼がなにも言わずに、自分の上着を脱ぎ、貸してくれました。
今の言葉であらわすなら、「ギャップ萌え」というものになるのだと思います。
そんな真面目さや優しさを知ったのは、そのときがはじめてでした。
その日以降、どんどん彼が私のなかで、気になる存在になっていったのです。
性格が合わないけど恋をしたエピソード3.性格の相違
もしかしたら彼も、同じように思ってくれたのかもしれません。
それ以降は、仲間内で出かける以外に、二人きりでも出かけるようになりました。
でも、やっぱり、性格が合わないのです。
彼は、基本的にはなんにでも、こだわりたいタイプで、自分が「こう」と決めたら、それ以外は絶対に認めません。
妥協をしないのは素晴らしいことなのですが、ランチひとつにもこだわろうとする面倒な性格です。
その反面、私は全体的に「どっちでもいい」と思うタイプなのですが、彼はそんな私の性格が気にくわないようでした。
時折見せる彼の優しさは、相変わらず、私をドキドキせます。
彼のことを好きだと感じていました。
でも、些細なことで怒る彼と一緒に過ごすうちに、どんどん疲れがたまってしまっていたのです。
性格が合わないけど恋をしたエピソード4.最悪の結末
そんなある日のこと、いきなり彼に「好きな人ができた」と告げられました。
なんと相手は、私の親友です。
たしかに私の親友も交えて、一緒に出かけたりはしていましたが、まさかそんなことになろうとは夢にも思いませんでした。
わがままな彼のことですから、もう私の話を聞くわけもありません。
すでに私の親友とは付き合いだしているとのことで、どうにもできませんでした。
しかし、腹が立つのは、このあとです。
それから数年後に、私は結婚しました。
もちろん、彼とは別の男性です。
性格が完全一致とはいかないまでも、それほどわがままな性格の人ではないため、静かに暮らしています。
私が結婚して1年ほどしたころ、共通の友人の結婚披露宴で、彼と久々に再会しました。
その結婚披露宴で、周りに誰もいないタイミングで、彼が言ったのです。
「あのとき、おまえにしておけばよかった、それが正解だった」と。
「どこまでわがままなのだろう」と、呆れて言葉も出ませんでした。
まとめ
あれから長い年月が経ちました。
彼とは、それ以降、数えるほどしか会っていません。
たしかに、彼のことは好きでした。
しかし、性格が合わなさすぎたのです。
間違いなく、親友のことがなくても、いずれ駄目になっていたことでしょう。
だから、「あれで良かったのだ」と、今でも思っています。