女性。現在24歳。独身彼氏持ち。
母、父、姉、筆者の4人家族。
姉のきまぐれの怖さと、妙な体験で「変わった人」と世間から言われる人も、私から見ると普通に見えてしまうように。
「怖い」と思う姉を嫌いになることはない、柔軟な心を育てたことで、社会で生きていく術を身につけた。
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姉を怖いと思うに至ったエピソード1.姉の性の目覚め
私が当時5歳、そして姉が当時10歳だったころその事件は突如起きました。
私と姉は同じ部屋を共有。
私たちは2人姉妹で、私はいつも5歳上の姉を尊敬していたし、気に入られようとしていました。
姉も、私をとても可愛がってくれて、文字の書き方を教えてくれたり、絵本を読んでくれたり……。
実に親身に私の世話をしてくれ、はたまた、わたしは歳上の意見や、歳上の仕草を覚えるのが趣味になっていきました。
なぜかというと、幼稚園でヒーローになれたからです。
みんな、私がすることに興味をもってくれたし、そんな羨望な眼差しで見られることに、快感を得ていたように思います。
私は妹だからでしょうか、同い年の子または、年下の幼稚園の子たちのお世話をすることは好きでした。
すべて、姉の影響でしょう。
しかし、そんな同い年の子より大人びたふうな私でも、夜一人で寝ることは「怖い」と感じていました。
私たちは2段ベットで、上が姉、下が私。
しかし、同じ空間でも、一人で寝ているとどこか物悲しく、そして、「お化けがドアを開けるのではないか」と、不安になることも頻繁にありました。
そんな私の恐怖を知ってか、たまに姉が一緒に寝てくれることがあり、そんな日はとても安心して寝ることができるように。
ですが、あの事件から私の心は、どうしていいのか、分からなくなってしまったのです。
ある日の夜、姉が今夜も一緒に寝てくれることになりました。
私はとても安心して眠ることができると、感謝の気持ちでいっぱい。
そのとき、自分のお尻に手があたっていることに気づいたのです。
私は姉が寝ぼけているのだろうと思っていたのですが、その手は明らかに、なでているようで……。
「おねいちゃん?」、私は恐る恐る声をかけました。
後ろで寝ているはずの姉の目は開いていて、明らかにいつもと様子が違います。
なんだかよく分からない、私。
でも、なにかいけないことが起こっているのはなんとなく理解できていました。
ですが、信頼している姉のしていること。
「これは普通のことなのか?」と、心のどこかで思っている状態。
困惑しているときに、「だまってて」姉の一言に私の口は閉ざされました。
その日の夜はそこまでで、それからというもの、毎日ではないにしても一週間に一回は、必ずこのアクションが起きるように。
しまいには、姉に手を掴まれ姉の体に触らせられることもありました。
しかしながら、なにか嫌な気がしなかった、ただ触られてなんとなくいい気分になってしまっている自分に、恐怖を覚えたのです。
姉を怖いと思うに至ったエピソード2.姉から与えられるの精神的苦痛
それからというもの、私は秘密を抱えることに。
姉は一切、「お母さんたちには黙ってて」とは言いませんでした。
それは、私がまだ幼く、「なにをしているのか、されているのか理解できないだろう」と、思っていたからなのだと思います。
しかしながら、私は無言の圧力を感じていたのはいうまでもありません。
そして、ある日を境に、あのアクションは起こされなくなりました。
私はどこか寂しく、今思えば大好きだった姉と秘密の共有をしていたことに、恐怖心とともに、少し嬉しさもあったのだと思います。
ですが、アクションが終わってからというもの、姉の態度ががらりと変わったのです。
アクションが終わってからも、部屋は一緒だった私たち。
しかし、私が部屋に入るや否や、「チッ。入ってくんなよ」と、存在を否定される毎日が続きました。
その声と目の鋭さは、姉妹喧嘩とは思えないほど。
私はいつも足をすくませて、部屋に入ることができませんでしたね。
部屋を利用するときは、眠るときだけ。
そのほかは姉に気を使い、リビングルームで一人で遊んでいました。
もし私が部屋で遊びだすと「ダン! ダン! ダン!」と机を蹴り出し、明らかに私を拒絶しはじめるのです。
私は恐怖におびえ、体を震わせました。
明らかな拒否。
私はとても幼かったので、、姉の力に抗うことなどできません。
むしろ、そんなこと考えることなどできませんでした。
もし、私が姉と同じ色の服を着ようものなら、姉はその場で自分の服を脱ぎ捨て、こう言います。
「お前なんかと同じ服なんて着たくない! 死ね!!」と大声で怒鳴ったのちに、違う服を着るのが当たり前。
私は本当に姉になにもしていなかったのに、急に姉の態度が変わりだしてしまったのです。
解決策など、どこにもない。ただの姉の気まぐれ。
そう、すべて姉の気まぐれで、私はおもちゃのように扱われていたのです。
姉を怖いと思うに至ったエピソード3.手を返したかのように優しくなる姉
それからときは経ち、私は高校生、姉は短大卒業後就職という日。
姉は短大のときに一人暮らしをはじめますが、このころから姉は、本当に私に優しくなりだしました。
「なにか欲しいものある?」、「どこかいきたい?」、「明日ひま? 遊びに行こう!」
など、頻繁に連絡をいれてきて、シスコンというものに変わっていました。
私は最初とてもうれしかったのですが、「また、なにか裏があるのではないか」と疑いがあったのです。
ですが、嫌われるより、優しくされたほうが嬉しいのが人間。私はいつも姉からの電話を受けていました。
そんなある日、姉からのいつもの電話。
「もしもし? げんき~?」姉の陽気な声、そして、思いがけない言葉を発したのです。
「私の保険金受取人名義、あんたの名前にしたから~!」
「!?」姉からのまさかの話に目を丸くした私。
そう、姉は私に溺愛しすぎて、もう取り返しのつかないことになっていました。
そんな溺愛しすぎている姉に、私は恐怖を覚えているのです。
もちろん、わたしに彼氏ができれば嫉妬の長電話はもちろん、涙目で「いつ、別れる?」と話してきます。
ですが、姉にも彼氏がいるという奇妙な話です。
まとめ
これはすべて姉のきまぐれ。
こんな振り幅の大きいきまぐれで、わたしは姉を「怖い」と思いはじめました。
いつ、次の新しいことが起きるかと思うと、不安でなりません。
姉は社会では普通に接することができるだけあって、社会的心配はないにしろ、なぜか私にだけ頭がおかしくなる姉。
「きまぐれほど、怖いものはない」
そう心から思います。