30歳女性。主婦。
大学時代、社会人と2度の遠距離恋愛を経験したが、コミュニケーションと信頼関係をきずくことにおける難しさを痛感し、いづれも破局に至る。
その後、近くで相手を支え、感じることのできる幸せを感じ、パートナーと結婚。
現在に至る。
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浮気だと誤解し破局したエピソード1.幸せ絶頂の悲劇
学生時代、3歳年上の医学部に在籍する男性と交際していました。
背は低いものの、爽やかで優しく、笑顔が素敵な、女性の扱いが上手な方でしたが、彼は大学の近くにひとり暮らししており、プチ遠距離恋愛。
実家暮らしの私は、片道2時間以上かけて、彼に会いに行っていました。
彼は医学生。
試験や実習で大忙しなので、普通の大学生カップルより会える頻度は多くありませんでした。
しかし、それでも、おたがいの思いやりが功を奏し、順調に信頼関係を構築。
そんな幸せ絶頂の最中、思ってもみない悲劇が私を襲ったのです。
ある日、見知らぬメールアドレスから、私の携帯にメールが届きました。
迷惑メールだと思い削除しようと思いましたが、タイトルには「○○さんへ」と、私の名前が……。
念のためメールを開いてみると、そこには衝撃の内容が書かれていたのです。
「はじめまして。私はあなたの彼と同じ大学に通うものです。今、彼はほかの女性と交際をしています。すぐに別れてください」
一瞬思考が停止しました。
「悪い、いたずらだろう」と無視しようとしたそのとき、見知らぬ番号から電話が掛かってきたのです。
恐る恐る出てみると、なんとそれはメールの送り主(女性)でした。
メールの送り主は、彼と、その浮気相手とされる女性と同じ大学に通う医学生。
なぜ私の連絡先を知っているのか問うと、先日、送り主が彼と食事に行った際、携帯を盗み見て調べたとのこと。
彼女曰く、大学での彼は素行が悪く、女遊びも激しい最悪な男で、いつも私のことを「遊びの女」と話しているのだとか。
以前、私が彼の大学に遊びに行ったとき、幸せそうに彼の隣で笑う私を見て、あまりに可哀想だと思い、こうして連絡してきたと言います。
私は、彼女の言うことが信じられませんでした。
浮気だと誤解し破局したエピソード2.混乱・疑い
突然のできごとに混乱しながらも、「彼がそんなことをするはずはない、あり得ない」と、彼を信じたい私。
あのメールと電話のことは忘れ、今までどおりの生活を送ることにしました。
それから半年後。
たまたま彼が携帯のロックを外したままトイレに行ったとき、あのときの言葉が急に脳裏によみがえりました。
「今、彼はほかの女性と交際をしています」出来心から、彼の携帯を見ると……。
そこには、特定の名前の女性からのメールがズラリ。心臓がバクバク音を立てて、鳴りやんでくれません。
「誰? こんなに毎日……。誰なの? どうして?」
彼がトイレから帰ってきたので、慌てて携帯を置いた私は、とっさに、彼にこう問いました。
「ねぇ、私に内緒にしていること、ない?」すると彼は、こう返答。
「え? なにを? なにもないよ。どうしたの? 急に」、私はそれ以上言葉を発することができませんでした。
一度疑いがはじまると、あとからあとから不安が沸き上がり、もう自分でも収集がつかなくなっていきます。
そして私は、半年前に電話で彼の浮気を告げてきたメールの送り主に、ついに連絡を取るのです。
浮気だと誤解し破局したエピソード3.破局への道
私から送り主に連絡を取ってからは、破局への道一直線でした。
彼への不信感が募り、次第に、送り主からの情報が私のすべてになっていきます。
送り主からは、随時メールで彼の行動が送られ、いかに私があざむかれているかということを知らされました。
それからというもの、私から彼への連絡は「誰といるの?」「どこに行くの?」とせんさくするような内容ばかりになっていきます。
すると、私の言動の変化に気づいた彼も、次第に私に対して不信感を募らせていきました。
二人の関係は、こうしてギスギスしていくのです。
それから3か月後。
彼を疑うことに疲れた私は、ついに彼に別れを切り出しました。
彼が浮気をしていたとはいえ、彼の行動・情報を第三者から得ていたという罪悪感から、本当の理由は告げませんでした。
「ほかに好きな人ができた」と言い、別れることにしたのです。
彼は、「そうか……。ほかに好きな人ができたのなら仕方ない。幸せに」と、静かにうなずき、私の前から去っていきました。
浮気だと誤解し破局したエピソード4.真実
彼との別れを乗り越え、私も、新しい恋愛に踏み出したそのとき……。
もう、あれきりだと思っていた、メールの送り主の女性から、再び電話がかかってきたのです。
「ごめんなさい……」彼女の声は震えていて、涙を流し、ひたすら私に謝り続けていました。
「一体どうしたのか」と問うと、送り主は驚くべき真実を私に告げます。
なんと、彼が浮気をしていたというのは、すべて送り主自身がつくり上げた嘘だったというのです。
自分のしたことの罪悪感に耐え切れず、私にすべてを話そうと連絡してきたのだと言います。
驚いた私は言葉にならず、ただただ、怒りがこみ上げるばかり。
「この女のせいで、私は彼を失った」そう思いました。
その後、送り主の女性は、ことの真相を私に話しました。
送り主の女性は、レズビアンで、そして、とある女性のことを深く愛していました。
その女性とは、まさに、「彼の浮気相手」の女性。
その女性は、彼に彼女(私)がいることを知りながらも、ずっと片思いをしていたのだそうです。
彼とその女性は、あくまでも友人として、頻繁にメールのやり取りをしていました。
送り主は、自分の恋は実らないものと分かっていて、せめて、その女性の一番の友になろうと決心。
そんな愛する女性が、自分と同じように報われない思いをして苦しんでいる……。
そこで、当時の彼女である私と彼を別れさせようとしたのだそうです。
結局、その女性の恋は実らず、彼は今、別の女性とおつき合いしているということ。
そのメールの送り主は絶望し、ずっと、私に謝り続けるのでした。
私と彼との関係を自分の嘘によってさいてしまった結果、自分の愛した人の思いも実らせることができなかったことに……。
まとめ
私は、この送り主を許しましたが、彼とよりを戻すこともありませんでした。
第三者に嘘を吹き込まれたとはいえ、小さな勘違いから、彼を信じることができなかった私自身に、否があると思ったからです。
第三者ではなく、当人同士で話し合い、信頼関係を深く築いていくことが、恋愛の成功の秘訣なのかもしれません。