いじめのトラウマを克服するまでのエピソード5編

トラウマを抱える女性

38歳女性、主婦。大人しい性格が災いし、小中学生のころにいじめを受ける。

そのいじめにより男子恐怖症にもなったが、自ら行動し、たくさんの男性と恋愛した。

その後、今の夫と結婚。

 

毎日、夕飯の準備をしながら夫の帰りを待つことが楽しみになっている。

 

 

いじめのトラウマを克服したエピソード1.小学生のころから、はじまったいじめ

授業を受ける小学生

 

私にとって深い傷を負うことになったいじめは、小学三年のころからはじまりました。

 

いじめをしてきた相手は、そのとき同じ班のメンバーだった男子。

同じ班になって最初のころは何事もなかったのですが、ある日の理科の実験のとき、にぶくて大人しい私はその実験にうまく参加できず、その男子をいらだたせてしまったのです。

 

その男子はいきなり「黙ってないでちゃんとやれ!!」と凄い剣幕で怒鳴ってきました。

あまりに突然だったため、私はびっくりしてなにも言い返すことができず、ただその場に立ち尽くしてしまったのです。

 

この日を境に、その男子からのいじめがはじまりました。

班が同じなため、なにをするにも行動が一緒で授業中は席が隣同士だし、給食や掃除時間ももちろん一緒。

ことあるたびに怒鳴られ、大人しい私はなにも言い返すことができず、ただ黙って耐えるだけでした。

 

そしてしばらくしてさらにショックなことが起きたのです。

ある朝、教室へ入り自分の机に向かうと、自分の机のなかのものがすべて床にばらまかれている状態に。

そればかりか、机は倒され椅子も放り投げられた状態でした。

 

当然犯人はその男子です。

そしてそれを見て見ぬふりをした、ほかの班員もみんな敵に思えてしまいました。

ずっと親にも言わず学校も休まず耐え続けてきましたが、このできごとをキッカケに、とうとう不登校に。

 

親や祖父母にもいじめられている事実を話し、我慢できずに泣いてしまいました。

しかし、ずっと休み続けることを許してはもらえず、両親から「学校へ行け」「お前は弱虫だからいじめにも負けるんだ」と怒られる毎日。

 

親も決して私が憎くて、そのような言い方をしたわけではないのでしょう。

しかし当時はまだ「いじめられたら無理に学校へ行かなくても良い」といったような時代ではありません。

当時は、とにかく学校へ行くのが当たり前で、登校拒否なんて絶対に許されないような時代。

 

見かねた祖父が、当時の担任の教師にいじめの事実を話してくれ、そこから私は学校へ行くようにはなったものの、言葉のいじめは続いたままでした。

その後、班替えをキッカケにその男子とは離れることができ、自然といじめはなくなっていったのです。

 

いじめのトラウマを克服したエピソード2.中学でも再びいじめに

落ち込んでいる女子中学生

 

しかし、その数年後、今度は中学二年三年とその男子と同じクラスになってしまい、再びいじめにあうことになるのです。

しかも今度は、ひとりではなく、クラスの半分以上の男子からいじめを受けるように。

主犯格はやはり例の男子で、その男子が私の悪口をみんなに広めたことが原因で、それまで優しかった男子までが私を嫌うようになりました。

 

暴力的なものがなかったことが幸いですが、授業中に集団で私のことを監視するように。

また「目つきが悪い、ガンつけただろ」「自分の顔をよく鏡で見てみろ」など、容姿についても責められるようにもなりました。

 

そのころから「自分はブスで暗い性格だからいじめられるんだ」と思うようになり、人前に出ることが怖くなってしまったのです。

 

 

いじめのトラウマを克服したエピソード3.トラウマから男性と話せなくなった

 

恐怖を感じている女性

 

幸い、高校では顔見知りの男子生徒はひとりもおらず、いじめはありませんでした。

しかし、男子と関わるのが怖かった私は、ほとんど男子と会話することなく高校三年間を終え、就職。

 

就職先は女性が多いところだったのですが、やはり男性も少数ながらいて、そこでも男性とはうまく話せず、避けるような態度しかとれなかったのです。

しかし、内心は「ほかの同僚の女性はみんな彼氏がいたり、職場の男性たちとも楽しそうに話していて羨ましいな」と思っていて、「自分も恋愛がしてみたい」とずっと感じていました。

 

そうはいっても「こんな自分を好きになってくれる男性などいるわけがない」と思っていた私には、恋人をつくることなんて無理なこと。

ですが、「とにかく人生において、たったひとりでもいいから、私を女として見てくれる人がいればいいや」と思い、思い切って出会いを探すことにしたのです。

 

いじめのトラウマを克服したエピソード4.思いのほかモテた

男性に人気がある女性

 

大人しく目立たない私は、集団での出会いは向いてないと思い、どうしようか検討。

その結果、友だちの紹介や当時流行っていた情報雑誌の文通コーナーで知り合った男性など、複数の男性とデートすることにしました。

 

すると意外にも「可愛い」「つき合って欲しい」などと、うれしい言葉を言われる自分がいたのです。

「こんな私でも、好きになってくれる人がいるんだ」「私そんなにブスじゃないのかな」と徐々に自信がついていきました。

 

男性と接していくなかで、前までは男性を前にすると緊張して顔がこわばって態度もぎこちなくなっていた私。

しかし、その性格も知らず知らずのうちに克服され、自然と男性と目を合わせて笑顔で話せるようになりました。

 

いじめのトラウマを克服したエピソード5.男性恐怖症だった私が結婚できた

結婚する女性

 

自信をつけるためにたくさんの男性とデートを重ねた私は、35歳で結婚するまで、いろいろな恋愛を経験しました。

その間には辛い別れもありましたが、どんなに辛くても、こう自分に言い聞かせて乗り越えてきました。

「あの学生のころのいじめよりずっとマシだ。恋愛で傷つけあうことはあっても、あのときのいじめとは違う、私は耐えられる!」と。

 

そして33歳のときに今の夫と知り合い、交際わずか一年で結婚。

夫はとても秀才で見た目もイケメンな、周りもうらやむ素敵な男性です。現在結婚三年目になりますが、毎日幸せに暮らしています。

 

まとめ

容姿や性格からいじめにあい、すっかり自信を失くした私が、ここまでたくさんの人と恋愛でき、素敵な人と結婚できたことは、自分にとって大きな財産です。

今、同じようにいじめに悩んでいる人も、前向きに生きることできっと自信につながるなにかに、出会えるのではないかと思います。