公務員の私が同窓会に行った時のエピソード3編

乾杯

31歳、独身男性。公務員として9年目ではあるが、残業なし、土日休みのホワイト勤務。趣味は読書にジム通い。真面目一筋、座右の銘は「堅実最高」。短所は「生真面目」。それゆえに、真面目に独身街道を爆走中。いつかは憧れる二人三脚の日々。

 

 

私が同窓会に行ったときのエピソード1.同窓会の連絡が届く

招待状

 

それぞれが、社会人となって数年たったある年の冬。

私に小学校の同窓会の連絡が届きました。

 

恥ずかしながら、小学生のころは、あまり目立つタイプではありませんでした。

その当時のクラスメイトとは、誰ひとりとも連絡を取っていなかったのです。

 

届いたはがきを眺めているうちに、あれやこれやとなつかしい気持ちがつのってきました。

残業もない、完璧な週休二日制を送るだけの、退屈な毎日。

 

ちょっとした刺激になるかと思い、参加することにしました。

私の通っていた地区は、ひどく荒れ放題の地区でした。

 

「〇〇が妊娠した」だとか、「△△が暴行事件でしょっぴかれた」だのという話を耳にしたこともありました。

しかし、中学受験をして、県外の私立中学に通っていた私には、その真偽は定かではありませんでした。

 

そういった、噂話にも興味があったのも事実です。

 

私が同窓会に行ったときのエピソード2.当日、開始までのパチンコ

パチンコ

 

そして、同窓会の当日、交流があった友人と、軽くお茶をしてから行くことになりました。

小学生のころから大人しかった彼は、今は立派な営業職についており、びっくりするくらい社交的でした。

 

月日のすぎ行く流れを感じ、うれしく、そして同時に少し寂しさを感じました。

同窓会まで3時間程度はあったのですが、「パチンコでも行って時間をつぶすか」ということに、なりました。

 

私は、ギャンブルなどは一切しないのですが、同窓会前の高揚感もあり、一緒にパチンコ屋へと向かうことにしました。

いざ店内に入ってみると、それはもうなんとも腐敗した空気がただよっていました。

 

それでも、一応はパチンコを楽しんでおりました。

すると、ビギナーズラックなのか、私の台がフィーバー。

 

ドル箱を交換せねば、ならなくなりました。

店員さんに、交換をお願いしようと思ったら、それはクラス一、真面目で頭の良かった学級委員長でした。

 

そのパチンコ屋さんは、大型チェーン店でもない地元の弱小店。

金髪に、なかなかのピアスのいかつい彼が、不自然な笑顔で、ドル箱の交換作業をしようとしたのです。

 

私があまりに見ていたので、彼もどうやら私に気付いたらしく、ほんの少しだけ表情を強張らせたようでした。

とくに会話をすることもなく、その場はそのまま流れてしまいました。

 

フィーバーはしばらく続き、ドル箱の交換はなん度か必要だったのですが、別の店員さんが作業にあたってくれました。

 

 

私が同窓会に行ったときのエピソード3.同窓会会場へ

同窓会

 

ちょうどいいころ合いで、パチンコは終了しました。

友人と同窓会に向かう道中、彼のことを話題にしてみました。

 

友人は、彼にはまったく気付かなかったみたいでした。

ただ、少しだけ友人が知っている話を教えてくれました。

 

どうやら、彼は中学生のころ、同級生の女の子を妊娠させてしまったこと。

そして、その一件で、周りからの当たりが強くなってしまったんだとか。

 

そんな、ある日逆上した彼が、ナイフで傷害事件を起こしてしまったらしいのです。

信じられませんでしたが、彼の様子を考えると、ありえない話でもないのかと納得してしまいました。

 

同窓会会場は、なかなか立派な会場で、当時の担任の先生もいらっしゃってました。

また、同級生たちの参加率も非常に高いものでした。

 

すさんでいるとの噂はだったのですが、みんなすばらしい社会人になっているようでした。

先生も満足気でした。

 

ときがすぎ、酒も回り、そろそろ宴もおわりに差しかかったころでした。

会場に、先の彼がいないことに気付いた先生が、その名前を口にしました。

 

「××はどうした?あいつのことだから真面目に公務員にでもなって、立派になってるんじゃあないのか?」と。

ほんの少しだけ、微妙な空気が流れました。

 

空気の読めない私は、「公務員になったのは俺ですよ。××はさっきパチンコ屋で会いました」と、発言をしてしまいました。

じつは、この担任のことは、昔からあまり好きではありませんでした。

 

先の彼をひいきし、私は目の敵にされていたのです。

なので、ちょっとした復讐心からの発言でした。

 

少しの無言ののち「そうか」とだけ、言った先生の姿を私は忘れることはないでしょう。

 

まとめ

その彼は、結局、同窓会には来ませんでした。

あのパチンコ屋での、私とのひとときが、彼にとっての同窓会になって、良かったのではないかと思います。

 

さまざまな状況のなかで、色んなことを強いられて、望まぬ境遇へ進んだ彼を少しかわいそうにも思います。

しかし、お陰様で獲得したパチンコのお金は、堅実に貯金に回したのでした。