32歳女性。元販売員。学生時代に医師により発達障害(ADHD)と診断済み。大学卒業後、会社には発達障害を言わずに働いていたが、家事と仕事の両立はできず、独り暮らしを断念。その後は、実家から数年会社に通う。現在は主婦。
見出し
- 1 発達障害の私が就職して大変だったこと1.お客様との距離感がつかめずクレームになってしまう
- 2 発達障害の私が就職して大変だったこと2.人の顔と名前が覚えられない
- 3 発達障害の私が就職して大変だったこと3.会社の人と仲良くなれない
- 4 発達障害の私が就職して大変だったこと4.仕事の手順が覚えられない
- 5 発達障害の私が就職して大変だったこと5.時計を見ながら行動できない
- 6 発達障害の私が就職して大変だったこと6.社会人として最低限レベルの身なりを整えられない
- 7 発達障害の私が就職して大変だったこと7.お金の計算ができない
- 8 発達障害の私が就職して大変だったこと8.プライベートの時間がもてない
- 9 まとめ
発達障害の私が就職して大変だったこと1.お客様との距離感がつかめずクレームになってしまう
ある日、私がいったことのあるライブで販売していた、Tシャツを着ていたお客様を発見しました。
小さい規模のライブだったので、うれしくってほかのスタッフが接客中のお客様だったのに、「私もそのライブに行きました!」と、いきなりマシンガントークでまくしたててしまいました。
その場で先輩に「ちょっと、こっちにきなさい」と控え室にさがるように言われました。
「お客様が驚いていること、困っていることに気付きなさい」と注意されました。
そのお客様を接客していたスタッフから「あのお客様がいったライブじゃないみたいだよ、Tシャツはもらい物みたいなこと言ってたから。そういうところで、なんどもクレームになっているんだから、気をつけなさい」と言われました。
発達障害の私が就職して大変だったこと2.人の顔と名前が覚えられない
私は子どものころから、人の顔を見ること自体が苦手です。
しかしこれは、就職先でなんどもお客様の顔を見る練習をさせてもらえたので、なんとか仕事中はできるようになりました。
だけど、なんども来てもらっている常連のお客様の顔も覚えられないのです。
「いつものちょうだい」とか、「この間頼んでいるのできている?」と言われると、頭が真っ白になるのです。
毎回きていただいたり、差し入れをしてもらっているようなお客様に「あなた誰ですか?」と、名前を聞けば怒られます。
それでも一生懸命名前を思い出そうとすると、無言になってしまい、
その微妙な間で「俺の名前覚えてないのか!!」と、げっこうされたことがなんどもあります。
発達障害の私が就職して大変だったこと3.会社の人と仲良くなれない
会社で研修があり、ちいさなショッピングモールにいったときのことです。
私の好きな雑貨屋さんを見つけて勝手に行動してしまい、気付くと1人でいました。
「勝手に行動しないように」と言われていたことが、頭からすっぽり抜けてしまって、自分の興味のある物しか考えられなくなっていたのです。
同じ会社の人は、私がいなくなったと探してくれていたようです。
そういうことが続くと、やはりみんなから「困った人」とか「一緒に行動したくない人」と言われるようになりました。
発達障害の私が就職して大変だったこと4.仕事の手順が覚えられない
朝の仕事では掃除、銀行、電話を外線に繋ぐといった、いくつかのルールがありました。
たぶん一般的には簡単なことです。
それがどうしても覚えられないのです。
しかも途中から違うことをしだしてしまうので、ロッカーに「朝することリスト」を私用につくり毎回チェックするようにしました。
発達障害の私が就職して大変だったこと5.時計を見ながら行動できない
社会人として本当にいけないことですが、いつもギリギリに出勤してしまいます。
なんどか遅刻をしたこともあります。
仕事中も「何時から、どこどこへ行きなさい」、「何時にお客様に連絡しなさい」を忘れることが多く、スマートホンにこまめにメモを入力して、その時間になるとバイブなどで気づくように設定していました。
発達障害の私が就職して大変だったこと6.社会人として最低限レベルの身なりを整えられない
もともとメイクなどがへただったのもあって、就職してから時間の余裕はないし、毎日がクタクタで、身なりがちゃんと整えられなくなってきました。
ファンデーションを塗るということも、感覚過敏のせいか顔になにかぬっていることが気持ち悪くて苦手です。
同じく口紅も気持ち悪くて苦手です。
だから、下地だけをぬって、うすつきのアイシャドウとアイライナーだけで、出勤したりしていました。
美容院も世界で1番大嫌いなじっと座るという行為をしないといけないので、友人に切ってもらっていました。
その結果、会社でメイク講座に連れていかれました。
さらに毎朝、先輩が私の身なりをチェックすることになってしまいました。
発達障害の私が就職して大変だったこと7.お金の計算ができない
私は計算が苦手です。
2桁の暗算も間違えます。
自覚しているため簡単な計算でも必ず電卓を使うようにしています。
だけど、私がレジをさわるとお金が合わないことが多くて、何時間もスタッフ全員でお金を合わせる仕事をしないといけません。
そのため、なるべくレジをさわらない仕事をするように気をつけました。
自分のお給料の管理もできなくて、いつもお給料日前にはお金がなくなってしまいます。
発達障害の私が就職して大変だったこと8.プライベートの時間がもてない
社会人になってからは、毎日が自分の許容量をこえるようなストレスの連続です。
みんなができることができないので、メモをたくさんとったり、気をつけることがたくさんです。
家に帰ると寝るだけになりました。
なんども夕食を食べることもなく、そのまま朝まで寝ていました。
もちろん家事なんてできません。
私はひどいときは、洗濯をしている時間も体力もない日々が続き、着替え用の白いシャツを毎日買っていました。
結局、白いシャツが何十枚もたまってから、洗濯することができました。
もちろん、恋人や友人とは何ヶ月も連絡を取れませんでした。
まとめ
先輩に言われた言葉があります。
「あなたの用なタイプはほかの人よりできることを早く探しなさい。そうすればほかのことができなくても大事にしてくれる人があらわれて、働き続けることができるから」と。
発達障害で働くことはたしかに大変です。
しかし、社会で生きていく方法はかならずあるので、自分のよいところを探して頑張って欲しいです。