33歳、女性。
結婚後は、専業主婦しています。
初期流産の確率を知ったのは、自分が経験したあとのこと。
子どもは男の子で、もうすぐ1歳になります。
「かわいい」と言わない日がないくらいに溺愛中。
趣味は読書。
「子どもも、本好きになってくれたら嬉しい」と思っている。
見出し
妊娠が怖かったエピソード1.流産への恐怖から、次の妊娠を恐れていた
私は結婚してから、2度の流産を経験しました。
結婚があまり早くなかったため、妊活をはじめたのは、入籍後すぐのこと。
そしてすぐに妊娠することはできましたが、どちらも初期流産という形で、終わってしまったんです。
とくに2度目の流産は、手術をしたこともあって、精神的にかなり落ち込みました。
初期流産の原因のほとんどは、胎児側の染色体異常。
頭ではそれがわかっていても、心は自分を責めることをやめられなかったんです。
夫とは何度も喧嘩をして、それでも「やっぱり、2人の子どもが持ちたい」と妊活を続けることに。
だけど、「もし、次の妊娠も流産で終わってしまったら、どうしよう」と思うと、妊娠すること自体が、怖くてたまらなくなってしまったんです。
生理予定日が近づくと、そわそわして落ち着かない日々が続きました。
それに、いざ生理が遅れて、妊娠検査薬を使うときには、恐怖で手が震えたほど。
流産を繰り返したことで、「自分が無事に出産する」というイメージを描くことが難しくなってしまったのです。
妊娠が怖かったエピソード2.「育っていない」の言葉が怖くて、病院へ行けなかった
妊娠検査薬に、はっきりと陽性反応が出たときは、心臓がドキドキして、涙が出てきました。
もちろん、嬉しさもあったんです。
だけど、前の2回の妊娠のときだって、検査薬の反応は同じでした。
そう思うと、「また流れるかもしれない」という恐怖を感じてしまい、涙が出てしまったのです。
その日は、生理予定日の2日後で、まだ病院へ行くのには早い時期。
妊娠を私と同じくらい、もしかしたら私以上に喜んでいた夫には、まだ報告できませんでした。
お腹のなかで、ほぼ確実に胎嚢が確認できるのは、妊娠5週目以降。
私は、妊娠6週に入るのを待って、病院へ行くことを決めました。
病院は前と同じ、分娩は扱っていないレディースクリニックです。
だけど、いざ病院へ行くと決めた日になっても、私は外へ出ることができませんでした。
前々回、妊娠していたときのこと。
緊張しながら、内診台に乗って、「本当なら、ここに赤ちゃんの袋が見えるはずなんです」と言われたことがあります。
そして、前回の妊娠のときも、「胎嚢は大きくなっているんですが、なかで赤ちゃんが育っていませんね」と言われたのです。
そのときのことを思い出すと、足がすくんでしまいました。
「私のお腹のなかにきてくれた赤ちゃんを、育ててあげられなかった」という後悔は、今も忘れられません。
妊娠が怖かったエピソード3.安定期に入っても、ダメになる可能性ばかりが頭に浮かぶ
結局、病院で妊娠確認をしてもらったのは、その週末のこと。
夫と話をして、ついてきてもらいました。
前に流産の手術をすることが決まった日、ひとりで病院へきていた私は、涙で前が見えなくなってしまったからです。
それにより、30分以上、病院の空いている部屋を貸してもらうことになってしまいました。
「病院のスタッフさんに、迷惑はかけたくない」
「だけど、どうしても診断を聞くのが怖い」という気持ちでいっぱいだった私。
しかし、そんな心配をよそに、そのときは無事に胎嚢を確認。
翌週には、はじめて心拍を確認することもできたんです。
思っていたよりも、ずっと早く点滅するように動いている、赤ちゃんの心臓を見た瞬間は、感動して泣いてしまいました。
この時期の検診は、だいたい2週間おきです。
毎回毎回、私はとても不安でしたが、赤ちゃんはどんどん大きくなっていきました。
そして、ついに安定期に入ったんです。
だけど、このころから私の恐怖感はさらに増していきました。
2回の流産から「妊娠できたからといって、無事に産めるとは限らない」という思いが植え付けられていたからです。
毎日毎日、「一緒に頑張って大きくなろうね。外へ出てきたらたくさん遊ぼうね」と、我が子に話しかけていた私。
募る思いは日々大きくなっていって、それなのに「もし、途中でダメになってしまったら」と思うと、眠れなくなっていきました。
妊娠が怖かったエピソード4.産める喜びと、産む怖さで頭がごちゃごちゃに
そうして迎えた臨月。
少し羊水が減ってきてはいるものの、赤ちゃんは元気な状態です。
ただ私は、想像していた以上に身体がつらくて動けないストレスから、どんどん気持ちが落ち込んでいました。
「ここまでくれば、もうあとは産むだけ」とは分かってはいたんです。
だけど、ここでやっと「出産」自体への恐怖を感じはじめました。
信じられないほどの痛みや、「もしかしたら死ぬかもしれない」という事実への恐怖。
我が子に会うことができる喜びと、「もし、出産中になにか事故があったら」という怖さなど……。
今考えれば、身体がしんどいんだから、なにも考えずにただ寝ていればよかったと思います。
しかし、そのときはもう頭がごちゃごちゃで、どうしていいのか分からなくなってしまっていたのです。
まとめ
2度の流産から、私にとって妊娠は、完全に恐怖の対象になってしまっていました。
だけど、無事に出産して、子どもとの生活にも慣れてきた今ではこう思っているのです。
「あの期間に、自分自身と向き合うことができたのは、いい経験だった」と。