放火で逮捕!奇行に走るようになった人のエピソード4編

火事が発生する家

35歳、女性、兼業主婦(販売業)です。

昔から、強烈なキャラクターの人に好かれる傾向があって、大迷惑を被ったことも。

図らずも、さまざまな人生模様を拝見してきました。

 

その影響か、人付き合いよりも、ガーデニングが好き。

 

 

奇行に走るようになった人のエピソード1.ひとつ年上のクラスメイトAくん

教室

 

私の通っていた高校は、進学校でありながら、特殊な専門科目がありました。

そのため、全国各地から生徒が集まることを許された、ちょっと変わった公立高校。

 

共学ですが、1学年80人のうち、男子は8人、女子クラスと共学クラスに分けられていました。

その数少ない男子のなかで、入学当時、一際目立つ存在だったのが、Aくんです。

 

彼は、私たちより1つ年上で、「別の高校を退学、再受験して、私たちの高校に入学し直した」とのこと。

大人になった今でこそ、1歳差なんて、あまり関係ありません。

ですが、高校1年生の私たちにとって、それは大きな差に思えたのでしょう。

 

外見だけ見ると、普通の大人しい男の子。

しかし、一度入学した学校、それも偏差値65以上の進学校を「つまらなかったから」と、自分の意思で辞めたエピソードはかなり強烈で……。

「大人びた子だなあ」と、強く感じたのを、よく覚えています。

 

そして、そうしたエピソードを入学式の自己紹介で、披露していたことにも驚きました。

浮くのが怖くて、普通は無理ですよね。

 

Aくん本人は、まだ話し足りないという感じでした。

しかし、担任の先生が「はい、じゃあ次の人に行きましょうか」と、話を終わらせていたことが鮮明に思い出されます。

 

今、考えると、前の高校に馴染めなかったことが、彼によからぬ影響を与えていたのかもしれません。

 

奇行に走るようになった人のエピソード2.クラスから浮くようになりはじめる

ピアノ

 

案の定、Aくんがクラスに馴染むことは困難になりました。

でも、高校生にもなって、目に見えて避けたり、イジメをするほど、精神年齢が低い子はひとりもいません。

 

それに、成績優秀なAくんは、「頭のいい、ミステリアスな子」みたいな扱いを受けていました。

どちらかというと、Aくん自身が周りを避けていた節がありましたね。

 

私を含め、Aくんを気にかけているクラスメイトはたくさんいて……。

「昼ごはんを一緒に食べよう」とか、「遠足のとき待ち合わせしよう」とか、誘いはしたのです。

ですが、すべて「1人のほうが楽だから」、「俺は1人が好きだから」と断られてしまいました。

 

さすがに、「うわあ」と思ったのが、音楽の授業でのこと。

クラスでバンドを組んだ発表のとき、彼は先生に「俺、1人でピアノの弾き語りしてもいいですか?」と言いはじめたのです。

 

先生は「なるべく、ほかの子と組んでほしい」と諭します。

しかし、「下手な人と組みたくない」、「俺は俺の音楽がやりたい」と言い張った彼。

結局、彼1人だけ、作詞作曲Aくん本人の、弾き語りを発表しました。

 

申し訳ないのですが、ものすごく下手でしたね。

歌詞も、「孤独な俺」、「誰も理解してくれない」みたいな感じで。

あのときばかりは、みんな影で「Aくんってちょっと痛いよね」と、言っていた気がします。

 

 

奇行に走るようになった人のエピソード3.ストーカー、そして卒業前の退学

先生

 

そんなAくんが、なぜか高校3年生になると、女子へアプローチをするようになりました。

Aくんはみんなより年上なので、夏休み中に車の免許を取得できたんですね。

 

2学期に入ると、孤立していたAくんを気にかけていた女子を、片っ端からドライブへ誘いはじめたのです。

でも、誰もAくんの相手をしませんでした。

女子の間では、誰でも構わず誘う男子の噂はすぐに広まりますし、みんな受験で、それどころじゃありませんから。

 

私も、Aくんに誘われたうちの1人でした。

ですが、なぜか私にだけ執着心が強く、毎日電話がかかってくるように。

 

また、「おまえのことをめちゃくちゃにしたい」と、剃刀入りの手紙がポストに投函されたことも。

その結果、学校の先生に相談する事態に発展しました。

 

ストーカー行為は、さらにエスカレートしていき……。

当時付き合いはじめたばかりの主人や、仲よくしていたクラスメイトにも、根掘り葉堀り、私のことを尋ねるようになりました。

 

「受験もあるし、周りの人に申し訳ない」と思い、困り果てていた矢先のことです。

突然、Aくんが高校を自主退学しました。

卒業まで、あと1ヶ月というときのことです。

 

噂によると、3年生から急激に成績が悪くなったAくんは、3学期のテストで卒業不可が決定。

追試中に「やっていられるか!」「世のなか理不尽だ!」と泣きわめき、先生方の制止を振り切り、退席したとのことでした。

 

先生から「もし、Aくんからなにか危険なことをほのめかされたら、すぐに警察へ」と言われていた私。

ものすごく怖かったです。

 

奇行に走るようになった人のエピソード4.自宅に放火、逮捕

警察署

 

その後、しばらく止まっていた、Aくんからのストーカー行為。

ですが、高校を卒業し、大学に入学すると、再び手紙が届くようになりました。

 

当時は、桶川ストーカー殺人事件のニュースが、連日報道されていた時代です。

私は意を決して、警察へ相談することにしました。

警察へ相談した1週間後、刑事さんから驚くべき報告を受けたのです。

 

それは、「Aくんが別件で、身柄確保された」ということ。

「差し支えない範囲で、聞かせてもらえないか」と、理由を尋ねたところ、自宅に放火したとのことです。

 

時系列で説明すると、私が警察にストーカー相談をしたあと、Aくんには警察から強い指導が入りました。

その際、彼の家族にも、見張りをつけるよう、お願いしたそうなのです。

 

Aくんは精神科に通っていたらしく、このまま入院して、「様子次第で、逮捕になるだろう」と告げられました。

その後、刑事さんからの勧めもあり、引っ越しをすることにした私。

 

正直今でも、なにがあんなに、Aくんをそこまで狂わせてしまったのか、わからないままです。

 

まとめ

「若気の至り」とはよくいいますが、Aくんに関しては、「若気の至り」などといった問題でも、なかったような気がします。

「なにかがきっかけで、そうなったんだろうな」

そう考えざるを得ないんですよね。

 

退学なのか、成績急落なのか、クラスの女子にそっぽを向かれたのが、きっかけなのか。

「せめて今は、家族に迷惑かけないようになってるといいな」と思いますね。