35歳男性。栃木県出身。
栃木県の人口5万人程度の町で、中学校の教諭をしているときに、20代最後の日を迎えた。
20代最後の日には、由緒ある神社で祈祷を受けたり、過去の書類を燃やし尽くしたり……。
また、深夜に爆竹を鳴らし、花火を打ちあげたりして、思い出をつくる。
当時は、過去を捨て去り、未来の良運を招きたい一心だった。
現在は、東京都内のIT企業に勤務。
趣味は、ロードサイクリングと読書と株式投資です。
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20代最後の日にやった思い出のエピソード1.車で近くの山に登りました
私の誕生日は、8月上旬です。
私は栃木県の公立中学校で教諭をしていたため、休暇中に20代最後の日を迎えることができました。
20代の10年間は、あまりいいことがなかった私。
なので、「30代の10年間は、ぜひ良運を招き寄せたい」と願っていたのです。
そこで、私は午前中に、近隣の山へ車で出かけ、山頂にある神社でお札を買いました。
そして、神主に祈祷をしてもらうことにしたのです。
当時は独身でしたので、「なんとか、30代早々の年齢で結婚したい」と思っていました。
また、「教諭の仕事を安定的に続けたい」と思っていたので、この二つの願いを祈願。
この山は、戦国時代から江戸時代初期まで、城が築城されており、戦国時代には何度も合戦が行われたそうです。
そして、上杉謙信という名だたる戦国武将も、立ち寄ったことのある名城と謳われていました。
江戸時代には、この城から江戸城を見下ろすことができたそう。
私は、現在は山頂の城跡に神社が建立されているこの地から、遠い東京を眺めていました。
おそらく、2時間くらい眺めていたと思いますね。
そして、「早く30歳になりたい」と思ったのでした。
20代最後の日にやった思い出のエピソード2.20代のときの資料や私物をすべて焼き捨てた
私は20代のころ、あまりいいことがありませんでした。
教諭という仕事には就職できましたが、ただそれだけ。
お金もあまり貯まりませんでしたし、女性との出会いにも、恵まれませんでした。
そこで、自宅に戻って、大掃除をはじめることにしたのです。
自分自身につきまとっている悪運のようなものを、自分の身体から、振り払いたい衝動にかられた私。
なので、実家の近所に放置されていたドラム缶を、近所の人にことわって譲り受けて、自宅の庭に運んできました。
そして、いらない書類や写真をすべて捨て去ることにしたのです。
なぜなら、過去を捨て去りたいと思ったから。
「過去と訣別したい」と思ったのです。
ドラム缶のなかに、まず「俺の20代」と書いたダンボール用紙を入れました。
そのあと、自分の部屋を整理して、次から次へと出てくる不要な書類や写真を、ドラム缶のなかへ放り投げます。
20代のときに付き合った、女性との思い出の品々も、すべてドラム缶のなかへ放り投げました。
ドラム缶の半分くらいの高さまで、書類や物で埋まってきた状態に。
新聞紙に火をつけて、ドラム缶のなかに投げ込むと、書類が燃えはじめました。
田舎のいいところは、自宅の庭で書類を燃やすことができることです。
私はずっと、炎を見つめていました。
思い出がどんどん燃えていくので、自分の身体から、悪い運が燃えていくような感覚が芽生えてきます。
そして炎を見つめていると、自分自身が純化されていくような、そんな気持ちになったのです。
20代最後の日ということもあったかもしれませんが、炎に魅せられてのか、飽きずにずっと眺めていました。
20代最後の日にやった思い出のエピソード3.深夜の河川敷で、大量の爆竹を鳴らしました
午前中に山頂にある神社で祈祷を受け、昼間には自宅で書類を燃やしても、なにかまだやり残した思いが残りました。
そこで、夜になってから友人に、「ちょっと付き合ってくれよ」と電話をしたのです。
友人に車で迎えにきてもらい、まずは店に立ち寄って、花火と爆竹を多めに買い込みました。
怪訝な顔をして「なんだ? 花火をやりたいのか?」と、尋ねてくる友人。
私は「明日、俺の誕生日なんだよ。だから今日は20代最後の日なんだよ」と言いました。
友人は「だったら花火は明日やればいいじゃないか」と言うのですが、私はこう言ったのです。
「今日やりたいんだよ。豪快に打ちあげて、爆竹も鳴らして、20代を終わらせたいんだよ」と。
その後、友人には車で30分くらい走ってもらい、隣町の河川敷まで行ってもらいました。
私は中学校の教諭をしています。
なので、深夜に爆竹を鳴らしていたり、花火を打ちあげているところを、生徒や保護者に見られるわけにいきません。
ですから、わざわざ隣町にある、一級河川の河川敷まで行きました。
そして、友人と一緒に爆竹をひとまとめにして、一気に火をつけて鳴らします。
爆発音のような音が響いて慌ててしまいましたが、周囲に民家がないので、住民に迷惑がられることもありません。
そして、最後に打ちあげ花火を30本くらい次々に打ちあげて、楽しみました。
20代最後の夜をパーッと派手に騒いで、終わらせたかったのです。
花火を打ちあげ終わった時刻が、23時を過ぎていましたが、私はすっきりした気持ちになれました。
「これで、20代とはおさらばだ」という気持ちになれたのです。
まとめ
私の場合は、20代のときに、いい思い出がありませんでした。
何人かの女性と交際することはできましたが、良縁とは言い難い交際ばかり。
仕事の面でもストレスを抱え込むようになり、自分の人生で、はじめて行き詰まりを感じつつあったのです。
ですから、「20代最後の日に、すべてを捨て去りたい」と思ったのでした。