28歳女性。パート社員。20代前半に体調を崩し数年家に引きこもってすごしていた。
ニートとしてすごした数年は、「このまま社会復帰できないかもしれない」と、不安な日々をすごしていたが、周りの人の協力と優しさのおかげで、今では元気に働いている。
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ニートで同窓会に行ったエピソード1.同窓会なんて絶対に行きたくない!
今から6年ほど前、私が23歳のときの話です。
当時、私は体調を崩し自宅で療養を取っていました。
かよっていた大学も退学し、同級生たちはいつの間にか卒業。
私は、劣等感の塊でした。
仕事をしたいと思っても、体調のことを考えると、働きに出る勇気もなく。
家でずっと引きこもって、両親のお金でご飯を食べていました。
いわゆるニートです。
「体調を崩しているんだから、ニートじゃないよ」と、両親は言ってくれていました。
でも、私のなかでは働きもせず、資格の勉強などもせずに家ですごしている自分は、まぎれもなくニートでした。
そんなとき、ある1通のメールが。
小学校の同級生からで、「近々、同窓会をしようと思ってるんだけど、これる?」とのことでした。
その子は、私の状況を知っていたので、「無理だったらいいけど、みんな会いたがってるよ」と、メールに書いてありました。
まっ先に思い浮かんだ気持ちは、「嫌だ!」でした。
みんな、新社会人としてイキイキしているなか、ただ毎日をすごしている私が行って、なにが楽しいのという気持ちでした。
そんなメールを送ってきた同級生にも、「もしかして嫌味?」なんて思ってしまうほど、ひねくれていたのです。
ニートで同窓会に行ったエピソード2.みんなには会いたい、でも
同窓会があることを母親に言うと、「行っておいで!久しぶりにみんなと話したら気分もかわるよ!」と、言いました。
私は嫌だと思いながらも、久しぶりにみんなの顔が見たかったのです。
私は、母親に背中を押してもらわないと、同窓会にも参加できないほど、自分に自信がなくなっていました。
メールをくれた同級生に「私、行っても大丈夫かな?」と、返信しました。
「当たり前じゃん!みんな会いたいって!おいでよ!」と、メールがきました。
私たちの卒業した小学校は、児童数が少なくクラスかえもなく、6年間すごしてきました。
クラスメイトみんなが、兄弟みたいな感じなんです。
みんななら、私の今の状況を知っても軽蔑したりはしないだろうと思ったのです。
「みんなに会いたい!」と、思った私は「わかった。行くね!」と、返信をしていました。
ニートで同窓会に行ったエピソード3.約3年ぶりの再会
当日、私は母親に同窓会が開かれる居酒屋まで、車で送ってもらいました。
久しぶりに化粧をして、オシャレをしたので不安で母親に「変じゃないかな?」と、なん回も確認をしました。
居酒屋に入る、と同級生の子たちがなん人か、すでに集まっていました。
みんな私を見るなり、「久しぶり!好きなとこ座りなよ」と言われ、私は緊張しながらも座りました。
みんな私が家に引きこもっていることを知っているのに、そんな素振りは一切見せずに、他愛もないと話をしていました。
続々と同級生たちが集まって、いよいよ同窓会スタート。
みんながそろうのは、成人式のときの飲み会ぶりだったので、約3年ぶりの再会です。
あのときと変わらず、私に笑いかけてくれますし、私も楽しくなってきて話すことができました。
しかし、当時の私は人の前で食事を取ることができなかったのです。
家で、いつもひとりで食べていましたし、人に食べているところを見られるのが苦痛でした。
なにか食べたくても、食べれないと顔を伏せていました。
となりに座っていた同級生の男の子が、黙って私にサラダを少しだけ盛ってくれたのです。
まわりは盛り上がっていて、そんな彼の行動にも気付いていない様子。
すると彼は、小声で「無理しなくていいけど、おいしいから少し食べてみなよ」と、言ってくれたのです。
彼のかげに隠れて、私は1口サラダを食べました。
結局、その日食べれたのはサラダのみ。
でも、3年ぶりの同級生たちと、昔の話で盛り上がり楽しくすごすことができました。
みんな、新入社員として働いていて大変そうでした。
でも、「ニートだから駄目だ!」なんて言われることもなく、本当に楽しくすごせました。
ニートで同窓会に行ったエピソード4.帰りの車のなかでのうれし泣き
居酒屋での同窓会がおわり、みんなは2次会に行くとのことでしたが、私は疲れていたので帰えることに。
同級生の女子なん人かが寄ってきて、「お前のこと、みんな大好きだぞ!!また会おうね!!」と、私を抱きしめてくれたのです。
なんとか、その場では涙をたえました。
迎えにきてくれていた、母親の車に乗った瞬間に号泣。
母親は、ビックリして「なにか言われたの!?」なんて、言っていました。
私は、首を横に振るだけで、流れてくる涙を拭うのでいっぱいいっぱい。
「うれしかったの」と、なんとか説明はしましたが、母親に上手く伝わったかはわかりません。
最後に抱きしめてくれたのは、同級生なりの私に対するエールだったのでしょう。
「ニートでもなんでもいい、お前のこと大好きだぞ!」と、言ってもらえた気がして、涙がとまりませんでした。
行くのをとても悩んで、直前まで大丈夫かな、体調悪くなったら帰ろうなんて思っていた同窓会でした。
でも、本当に行ってよかったと思い、その日は寝るまでずっと涙がとまりませんでした。
悲しい涙ではなく、うれしくて止まらない涙は、久しぶりでした。
まとめ
当時の私は、自信のなさから人にどう思われているか、そんなことばかり考えていました。
今は体調も良くなり、働けるようにもなりました。
でもたまに、卑屈になってしまいます。
そんなときは、この同窓会の事を思い出しています。
彼らは、私の血の繋がっていない兄弟です。
私には、兄弟がたくさんいて、本当に心強いなと思います。