29歳女性。
20代後半より、クラウドワーカーとなる。
実家暮らしのため、両親経由で、親戚の個人的な情報が入ってきやすい環境です。
従姉は、親戚内でも珍しい聖人君子であり、半ニートな筆者を心配して、たびたび連絡をくれる聖母。
「そのお節介気質が、保護者男性の心を掴んだのだな」と、ゲスな推測をしている。
見出し
教師と保護者の恋愛エピソード1.教師の従姉と保護者男性の出会い
母方の従姉は、私立小学校で低学年クラスの担任をしていました。
後に、交際から結婚にまで発展する、保護者男性との出会いは、従姉が26歳のときまでさかのぼります。
そのときの従姉の担当クラスは、小学2年生の子どもたちのクラス。
保護者男性は、従姉が担任することになる、2年生の女の子の父親だったのです。
最初はただの担任教師と保護者だった関係が、どこでどう絡まり、結婚にまで至ったのか。
その話を従姉から聞かされたとき、ちょっとひねくれた性格をしている私でも、うっとりしてしまいました。
「こんなにドラマチックな恋愛ってあるんだな」と。
従姉は人生を斜めに見ている私からしても、とても真っ直ぐで、子ども思いな、聖母のように優しい人です。
どうしようもない親を持つ私を心配してか、たびたび連絡をくれます。
人をめったに信用しない私でも、従姉なら安心して、なんでも話せそうになるほどです。
この従姉の、聖人君子のような性格が原因なのでしょうね。
「従妹だから、『教師と保護者との恋愛結婚』という、なんだか嘘みたいな話を現実にしたに違いない」と、私は思っています。
「従姉のように生きていれば、運命の相手と出会って、幸せな結婚も夢ではないのかもしれない」
そう思えるのです。
教師と保護者の恋愛エピソード2.保護者男性はバツイチ子持ちのサラリーマン
後に、従姉の旦那さんとなる保護者男性Aさんは、従姉と出会った当時は33歳。
娘さんがちょうど2年生に進級する前に、元奥さん有責で離婚をしたバツイチです。
私も、そこまで詳しい事情は教えてもらえませんでした。
ですが、どうやら元奥さんが浮気をして、娘さんへの虐待をしたので、Aさんが親権を取って離婚したようです。
Aさんの娘さんは、Aさんの離婚前から従姉の勤めている小学校に通っていました。
ですが、今までは仕事で忙しいAさんに変わって、元奥さんが学校行事に参加していたのです。
「入学式くらいしか、行けなかった」と言っていたAさん。
娘さんが2年生にあがるまで、従姉とAさんの接触はない状態です。
Aさんは離婚後、「自分が、娘をちゃんと育てないといけない」と思ったようで……。
なるべく都合をつけて、学校行事に参加するように。
そして、その行事を通して従姉と接するようになり、最初は「娘の担任の先生」と思っていたAさん。
しかし、「少しずつ、『とても優しくて、綺麗な女性だな』と、印象が変わっていった」と聞きました。
「元奥さんの浮気でちょっと女性不信気味だったけど、○○ちゃん(従姉)の優しい対応に本当に救われた」
そう言っていましたから、どちらかといえば、Aさんの一目惚れがきっかけだったのでしょう。
従姉は、ちゃんと子どものことを考える真面目な人なので、その真摯な姿勢に絆されたのだと思います。
「離婚したばかりだし、娘も虐待されたトラウマで、大人の女性が怖いから」
Aさんはこう言い、自分の思いを伝えることはしなかったそうです。
教師と保護者の恋愛エピソード3.従姉には当時、交際相手がいたが……
従姉がAさんの娘さんのクラス担任だった当時、従姉には交際相手がいました。
その男性は、別の学校で教師をしている人です。
同じ大学出身で、もう3年付き合っていて、私も「2人は、そのまま結婚するのかな」と思っていました。
でも、従姉はAさんと接する内に、少しずつAさんに惹かれていったのだそうです。
従姉は、Aさんの最初の印象をこのように称していました。
「娘さん想いだけど、子どもにどう接したらいいのか悩んでいる人。でも本当にいい人」と。
従姉は、私の様子を伺う電話をしながら、「Aさんが……、Aさんが……」と言っていたので、よく覚えています。
従姉もAさんに対して、少なからず想いを秘めていたのでしょう。
でも、従姉は従姉で、「彼氏がいるし、Aさんは担任をしている生徒の保護者だから」と、自制している様子でした。
教師と保護者の恋愛エピソード4.ほかの保護者には隠した秘密の関係
従姉とAさんの関係が発展したのは、Aさんの娘さんが3年生に進級する前です。
従姉から「実はAさんからメアドを渡されて、メールを送ろうか、迷ってて……」と相談されました。
数少ない学校行事でしか、従姉と接触する機会のなかったAさん。
娘さんが3年生に進級すれば、従姉は担任ではなくなるので、さらに会える機会も、話せる機会も減ってしまいます。
そこで、従姉と娘さんとAさんとの三者面談の際、娘さんの見ていない隙に、自分のメアドを書いた紙を渡したようなのです。
従姉は、とても困った様子で話していました。
ですが、「やっぱり、連絡したほうがいいよね」なんて、Aさんに気持ちが傾いている様子。
どうやら従姉は、Aさんと学校行事で会うたびに、Aさんの真面目で子煩悩なところに、惹かれていったそうです。
「彼氏はどうするの?」と聞くと、「うん。でも、Aさんを放っておけなくて……」と、すごく葛藤していました。
それから2週間ほどしたころ、従姉から「最近どうしてる?」なんて電話が。
「とくになにも変わりないよ。そういえばAさんとはどうなったの?」と、私は聞き返したのです。
すると、戸惑っているような声で、「実は、Aさんと連絡を取りはじめてから、彼氏と別れたの」と言いました。
従妹は、あれからメールを返したそうですが、どうやらAさんは、「娘の相談」ということで、従姉に連絡をしていたようで……。
それから、従姉にそれとなくアプローチをしていったようですね。
「娘の誕生日プレゼントをなににすればいいか分からなくて、一緒に選んでもらえませんか?」
「娘に美味しい料理をつくってあげたいんですが、今まで仕事が忙しくて、料理を全然したことがなくて」
「このくらいの年の子って、どんな食べ物が好きなんでしょうね?」
「デートに誘われたり、いろいろ相談された」と、従姉から聞きました。
従姉も「元担任だった生徒のため」という建前のもと、Aさんの相談に乗る形で、ときどき娘さんも交えて、Aさんと会っていたようです。
娘さんは、ほかの大人の女性の怒鳴り声なんかに、ちょっと怖がる節があったそう。
しかし、Aさん曰く、「○○ちゃん(従姉)は担任の先生だったからか、3人で会っても平気だった。むしろ懐いていた」と言っていました。
いくら「担任ではなくなった」と言っても、仮にも教師と保護者という立場です。
おたがいに、「学校やほかの保護者にバレてはいけない」という気持ちが強かったのでしょう。
従姉の話しを聞くたびに、「さっさと付き合えばいいのに。もどかしい」なんて思っていました。
そうです。この時点では、従姉とAさんは、まだ付き合っていなかったのです。
あくまで、「皆には内緒の、娘(または元担任をしていた生徒)の相談をする関係」でいたようでした。
教師と保護者の恋愛エピソード5.娘の一言がきっかけで交際! 保護者子どもの卒業後に、2人は結婚
従姉とAさんがやっと交際するようになったのは、Aさんの娘さんが5年生になったころでした。
どうやら、娘さんがAさんに、こう言ったことがきっかけになったようです。
「お母さんがほしい、○○先生(従姉)みたいな人がいい。○○先生はずっと私の家に住まないの?」と。
そのころには従姉も、Aさんのお家へ行って、Aさんと娘さんに手料理を振る舞っていたそう。
それが、娘さんに「お母さんが欲しい」と、より思わせたのでしょうね。
Aさんからそれを聞いた従姉は、また私に電話をしてきました。
「どうしよう、私も娘ちゃんのことが大好きだし、本当の娘になってくれるかな」と。
電話口の先には、かなり悩んでいる従姉がいました。
しかし、やはり従姉の頭には、心配もあったようです。
「今でも、ほかの生徒よりひいきをしているという罪悪感があるのに、交際となったら……」と。
悩みに悩んだ従姉は、Aさんを諦めきれずに、とうとう交際を開始。
「付き合うことにしたの」という言葉を聞いたとき、なんだか従妹は、スッキリしたような印象でしたね。
「やっと、従姉のなかで決意が固まったのだな」と感じたほどです。
娘さんが5年生のころに交際がスタートして、そして娘さんが小学校を卒業後に、2人は入籍。
卒業すれば、もう教師と保護者というしがらみはなくなりますから、これで良かったのだと思います。
結婚した当初は、結婚相手が保護者男性であることを隠していたようでした。
しかし、ずっと同じ町に住んでいますから、ほかの保護者の人には、すぐバレてしまいます。
その後、同僚教師や校長先生なんかに、「保護者の方と付き合っていたなんて」と、チクチク言われはじめた従姉。
また、ほかの保護者、とくに母親たちから、「そんな教師に子どもを任せていられない」という意見が多発します。
その結果、従姉は勤めていた小学校を辞めてしまったのでした。
「なにも辞めることはない」
私はそう思ったのですが、やっぱり世間体が悪いものなのでしょうね。
今の従姉は専業主婦をしており、旦那さんと娘さんとの3人家族で、とても幸せそうです。
娘さんが反抗期もなく、従姉に懐いているようで、「学校関係のいざこざがあったものの、なんとか収まって良かったな」と感じました。
まとめ
教師と保護者の恋愛を当事者の近くで眺めていると、「交際まで持ち込むのも、かなり大変なのだな」と感じます。
交際しても、そこから関係を維持しようと思ったら、周囲に隠さなければいけないからです。
しかし、茨の道だからこそ、恋の炎も燃えあがるのでしょう。
「もどかしいけど、こんなにピュアな恋愛ってあるんだな」と思いました。