50歳女性。自営業。
子どものころは仲が良かった弟が、成人してからどんどん人が変わってしまい、やることすべてが私にとって嫌なことだったので、大嫌いになってしまった。
今はもう、数年に一度しかかかわることもなくなったので、このまま姉ということをフェードアウトしたい。
弟を嫌いになったエピソード1.女にだらしない
私の弟は一般的に見て、「イケメン」という部類に属するタイプの人間です。
なので、「女性にちやほやされることが当たり前」といった態度でいました。
当然言いよってくる女性も多かったのか、学生時代も見るたびに、違う女の子とべたべたしながら歩いている弟。
姉の私には、そのころから理解しがたい人間でした。
成人してからはさらにひどく、職業もホストをはじめて人気はそこそこ高かったようで、ずいぶん羽振りのいい生活をしているようです。
顔がよくて収入もあると、さらに女の子が近よってきます。
今度は、夜の仕事をしている女性のきれいな人たちが、周りにはびこっているようです。
弟は私のところにときどき顔を見せては、身につけている宝飾品や時計などの戦利品を、どんな女からもらったか話していきました。
そのうちには、風俗に行った女が今月何人とか、普通の生活を送る私には、理解不能な話の内容ばかりに。
連日違う女に手を出して、いろいろ貢がせたうえに、興味がなくなったら連絡先を消去。
そんな弟のことを「最低な人間」と思った私。
それでも、「自分の血縁者なんだ」という絶望感を日々味わっていました。
インパクトの強すぎる話は、なかなか私の耳からは離れていってくれません。
自分のモテ自慢でもしにきているつもりなのか、それとも「お前とは違うぞ」と虚勢を張りにきているのか……。
子どものころはそれなりに仲良しの姉弟で、近所では評判だったし、弟のことはむしろ好きでした。
しかし、そこらじゅうの女に手をつけるほどだらしなく、女を大切にしない弟のことが大嫌いになってしまったのです。
弟を嫌いになったエピソード2.大きなことばかりいいまわる
女性にモテていて、収入もかなり多くもらっている弟。
にもかかわらず、それでもまだ満足できないのか、広げる風呂敷の大きさに、最近は絶句します。
その大きな話を親がなんだかうれしそうに聞いている姿が、さらに私の絶望感を増しました。
「ビジネスをはじめる」とか、「投資をはじめる」など、好きなことを言っているものの、そこに必要とされる知識量が足りずに、失敗するの繰り返し。
親にも「家を建ててやる」とか、「アパートを建てて、老後の生活を楽にさせる」とか、大きな話ばかり聞かせています。
ですので、親もだんだんその気になってきて、弟をもちあげる始末。
弟がそういう話をしに親もとに行くときは、なぜか私も呼び出されるので、会いたくなくても、結局会ってしまうのがつらいところです。
最終的には「○○のことちゃんとしてあげてな。それがお前の責任だぞ」と、毎回帰り際に父親に言われるのも、さらなる苦痛でした。
まだ家族のなかで、でかいことを言っているだけならば、問題ありません。
しかし、結局外でも大きなことを言いまわり、今では会社を経営していることになっているらしいのです。
むろん、そんな事実はないのですが……。
だからといって、誰かをだまして悪いことをするといったところまではいたっておらず、だたのホラ吹きくらいで済んでいると思うのです。
ですが、全貌を知るのは怖いので、私も放置しておくしかないレベル。
女のことにしても、できもしない大きなことを言いまわることにしても、そう。
己の無能さにまだ気が付かないで、踊っている弟をみると、毎回絶望的に嫌いになるのです。
弟を嫌いになったエピソード3.お金ですべてを解決する
弟がホストをしていたことは知っていますが、ほかにどこからどんな理由で、お金が入ってきているのか理解できないくらい羽振りのいい弟。
なので、とりあえず困ると、財布のなかから何枚かのお札が取り出す、私が一番嫌いな種類の人間になっていきました。
受け取るか、受け取らないかは相手次第といえます。
しかし、ちょっと困ると「とりあえずこれでなんとか……」、そんな無責任な言葉ばかり吐き出すように。
一緒にいさせられるときの電話の内容も、お金の話ばかり……。
まじめに働いてる話ならいくらでも聞くけれど、こちらの声だけ聞いていると、およそまっとうな話ではなさそうなのです。
だんだんと、弟と会うことすら嫌になり、親が家に呼びつけない限りは、近寄らなくなりました。
弟は最終的に「住んでる世界がかわったからな」とよく言っています。
私は「もし住んでる世界が違うなら、会わないように、見えないようにして欲しい」と当時は強く思っていました。
私が父親に呼ばれると、断れないところをうまく使われているのか、弟がたまに親に会いに行くと、当然のように呼び出される私。
そして、またみにくい話を聞くはめになるのです。
いつまでも面倒を見続ける、お姉ちゃん役を私がしていると、父は思っています。
しかし、私が大嫌いな弟に連絡することがあるはずもなく、仮に私がなにかを言ったところで、弟はなにも聞きません。
そのような構図ができてしまっていることを父に伝えることができずに、生活を続けていました。
「同じ親から生まれ、同じように育ててもらったはずなのに、こうも違う状態になるのか」
そう思うと、人を育てていく過程で、まっすぐすることがどれだけ難しいのか、思い知らされた気がします。
結局、女にだらしない生活のなかで、2人の女性は「弟の子どもを産んだ」という話を面白おかしくしていました。
それぞれの人生なので、子どもを産んだ女性たちに関しては、「がんばってください」と思うだけ。
ですが、すべてにおいて無責任すぎる弟を嫌いになり過ぎて、血縁者でいることさえ嫌になりました。
まとめ
子どものころは仲よく楽しかった弟との関係が、成人してからの数年であっという間に崩壊。
そして、まさか大嫌いと思うまでになってしまうとは、思っていなかったです。
「人が変わる」という言葉を体感した、恐ろしいできごとの数々でした。